(NPO)氷河・雪氷圏環境研究舎

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zoom RSS NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎『定款』;『氷河はなぜ青い?』『氷河はなぜ流れる?』『雪は解ける?』

<<   作成日時 : 2007/04/01 09:00   >>

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  (法人設立:2005年12月14日)
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定款

第1章 総則
(名称)
第1条 この法人は、特定非営利活動法人 氷河・雪氷圏環境研究舎という。

(事務所)
第2条 この法人は、事務所を鳥取県鳥取市東町2丁目339番地に置く。

第2章 目的及び事業
(目的)
第3条 この法人は、極地ならびに山岳地の氷河の特性と振る舞い、および地球上の雪と氷が存在する地域「雪氷圏」の環境に関する情報、知見、しくみ等、さらに地球規模の環境変動に関する今日の諸問題を広く一般市民等に伝えることにより、人びとの地球環境保全への意識向上に資することを目的とする。

(特定非営利活動の種類)
第4条 この法人は、第3条の目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
(1) 環境の保全を図る活動
(2) 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
(3)社会教育の推進を図る活動

(事業)
第5条 この法人は、第3条の目的を達成するため、次の特定非営利活動に係る事業を行う。

@ 氷河および雪氷圏環境に関する情報の収集、伝達、普及、解説等.
A 氷河および雪氷圏環境に関する講演会、講習会、シンポジウム等の企画、実施または講師派遣.
B 氷河および雪氷圏環境に関する調査、研究、出版等.
C その他、本法人の目的を達成するために必要な事業.
    
第3章 会員
(種別)
第6条 この法人の会員は、次の2種とし、正会員をもって特定非営利活動促進法(以下「法」という)上の社員とする。
(1) 正会員 
この法人の目的に賛同し、この法人の活動及び事業を推進する個人及び団体
(2) 賛助会員 
この法人の目的に賛同し、この法人の活動を援助する個人及び団体

(入会)
第7条 会員の入会については、特に条件を定めない。
2 会員として入会しようとするものは、代表理事(以下、代表という)が別に定める入会申込書により、代表に申し込むものとし、代表は、正当な理由がない限り、入会を認めなければならない。

(入会金)
第8条 会員として入会しようとするものは、総会において別に定める入会金を納入しなければならない。

(会員の資格の喪失)
第9条 会員が次の各号の一に該当するに至ったときは、その資格を喪失する。
(1) 退会届の提出をしたとき。
(2) 本人が死亡し、又は会員である団体が消滅したとき。
(3) 除名されたとき。

(退会)
第10条 会員は、代表が別に定める退会届を代表に提出して、任意に退会することができる。

(除名)
第11条 会員が次の各号の一に該当するに至ったときは、総会の議決により、これを除名することができる。この場合、その会員に対し、議決の前に弁明の機会を与えなければならない。
(1) この定款等に違反したとき。
(2) この法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。

(拠出金品の不返還)
第12条 既納の拠出金品は、返還しない。

第4章 役員及び職員
(種別及び定数)
第13条 この法人に次の役員を置く。
(1) 理事 3人以上 7人以内
(2) 監事 1人以上 2人以内
2 理事のうち1人を代表とし、代表代行を1人または2人置くことができる。

(選任等)
第14条 理事及び監事は、総会において正会員の中から選任する。
2 代表及び代表代行は、理事の互選とする。
3 役員のうちには、それぞれの役員について、その配偶者若しくは3親等以内の親族が1人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び3親等以内の親族が役員の総数の3分の1を超えて含まれることになってはならない。
4 監事は、理事又はこの法人の職員を兼ねることができない。

(職務)
第15条 代表は、この法人を代表し、その業務を総理する。
2 代表代行は、代表を補佐し、代表に事故あるとき又は代表が欠けたときは、代表があらかじめ指定した順序によって、その職務を代行する。
3 理事は、理事会を構成し、この定款の定め及び理事会の議決に基づき、この法人の業務を執行する。
4 監事は、次に掲げる職務を行う。
(1) 理事の業務執行の状況を監査すること。
(2) この法人の財産の状況を監査すること。
(3) 前2号の規定による監査の結果、この法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見した場合には、これを総会又は所轄庁に報告すること。
(4) 前号の報告をするため必要がある場合には、総会を招集すること。
(5) 理事の業務執行の状況又はこの法人の財産の状況について、理事に意見を述べ、若しくは理事会の招集を請求すること。

(任期等)
第16条 役員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
2 前項の規定にかかわらず、後任の役員が選任されていない場合には、任期の末日後最初の総会が終結するまでその任期を伸長する。
3 補欠のため、又は増員によって就任した役員の任期は、それぞれの前任者又は現任者の任期の残存期間とする。
4 役員は、辞任又は任期満了後においても、後任者が就任するまでは、その職務を行わなければならない。

(欠員補充)
第17条 理事又は監事のうち、その定数の3分の1を超える者が欠けたときは、遅滞なくこれを補充しなければならない。

(解任)
第18条 役員が次の各号の一に該当するに至ったときは、総会の議決により、これを解任することができる。この場合、その役員に対し、議決する前に弁明の機会を与えなければならない。
(1) 心身の故障のため、職務の遂行に堪えないと認められるとき。
(2) 職務上の義務違反その他役員としてふさわしくない行為があったとき。

(報酬等)
第19条 役員は、その総数の3分の1以下の範囲内で報酬を受けることができる。
2 役員には、その職務を執行するために要した費用を弁償することができる。
3 前2項に関し必要な事項は、総会の議決を経て、代表が別に定める。

(事務局及び職員)
第20条 この法人に、事務局長その他の職員を置くことができる。
2 職員は代表が任免する。

第5章 総会
(種別)
第21条 この法人の総会は、通常総会及び臨時総会の2種とする。

(構成)
第22条 総会は、正会員をもって構成する。

(権能)
第23条 総会は、以下の事項について議決する。
(1) 定款の変更
(2) 解散
(3) 合併
(4) 事業計画及び収支予算並びにその変更
(5) 事業報告及び収支決算
(6) 役員の選任又は解任、職務及び報酬
(7) 入会金の額
(8) その他運営に関する重要事項

(開催)
第24条 通常総会は、毎年1回開催する。
2 臨時総会は、次の各号の一に該当する場合に開催する。
(1) 理事会が必要と認め招集の請求をしたとき。
(2) 正会員総数の5分の1以上から会議の目的である事項を記載した書面をもって招集の請求があったとき。
(3) 第15条第4項第4号の規定により、監事から招集があったとき。

(招集)
第25条 総会は、第24条第2項第3号の場合を除き、代表が招集する。
2 代表は、第24条第2項第1号及び第2号の規定による請求があったときは、その日から30日以内に臨時総会を招集しなければならない。
3 総会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面をもって、少なくとも5日前までに通知しなければならない。

(議長)
第26条 総会の議長は、その総会において、出席した正会員の中から選出する。

(定足数)
第27条 総会は、正会員総数の3分の1以上の出席がなければ開会することができない。

(議決)
第28条 総会における議決事項は、第25条第3項の規定によってあらかじめ通知した事項とする。ただし、議事が緊急を要するもので、出席した正会員の2分の1以上の同意があった場合は、この限りではない。
2 総会の議事は、この定款に規定するもののほか、出席した正会員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(表決権等)
第29条 各正会員の表決権は、平等なるものとする。
2 やむを得ない理由のため総会に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について書面をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。
3 前項の規定により表決した正会員は、第27条、第28条第2項、第30条第1項第2号及び第51条の適用については、総会に出席したものとみなす。
4 総会の議決について、特別の利害関係を有する正会員は、その議事の議決に加わることができない。

(議事録)
第30条 総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
(1) 日時及び場所
(2) 正会員総数及び出席者数(書面表決者又は表決委任者がある場合にあっては、その数を付記すること。) 
(3) 審議事項
(4) 議事の経過の概要及び議決の結果
(5) 議事録署名人の選任に関する事項
2 議事録には、議長及びその会議において選任された議事録署名人2人以上が記名、押印しなければならない。

第6章 理事会
(構成)
第31条 理事会は、理事をもって構成する。

(権能)
第32条 理事会は、この定款で定めるもののほか、次の事項を議決する。
(1) 総会に付議すべき事項
(2) 総会の議決した事項の執行に関する事項
(3) 借入金(その事業年度内の収入をもって償還する短期借入金を除く。第50条において同じ。)その他新たな義務の負担及び権利の放棄
(4) 事務局の組織及び運営に関する事項
(5) その他総会の議決を要しない会務の執行に関する事項

(開催)
第33条 理事会は、次の各号の一に該当する場合に開催する。
(1) 代表が必要と認めたとき。
(2) 理事総数の3分の1以上から会議の目的である事項を記載した書面をもって招集の請求があったとき。
(3) 第15条第4項第5号の規定により、監事から招集の請求があったとき。

(招集)
第34条 理事会は、代表が招集する。
2 代表は、第33条第2号及び第3号の規定による請求があったときは、その日から14日以内に理事会を招集しなければならない。
3 理事会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面をもって、少なくとも5日前までに通知しなければならない。

(議長)
第35条 理事会の議長は、代表もしくは代表が指名した者がこれに当たる。

(議決)
第36条 理事会における議決事項は、第34条第3項の規定によってあらかじめ通知した事項とする。ただし、議事が緊急を要するもので、出席した理事の3分の2以上の同意があった場合は、この限りではない。
2 理事会の議事は、理事総数の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(表決権等)
第37条 各理事の表決権は、平等なるものとする。
2 やむを得ない理由のため理事会に出席できない理事は、あらかじめ通知された事項について書面をもって表決することができる。
3 前項の規定により表決した理事は、第38条第1項第2号の適用については、理事会に出席したものとみなす。
4 理事会の議決について、特別の利害関係を有する理事は、その議事の議決に加わることができない。

(議事録)
第38条 理事会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
(1) 日時及び場所
(2) 理事総数、出席者数及び出席者氏名(書面表決者にあっては、その旨を付記すること。)
(2) 審議事項
(3) 議事の経過の概要及び議決の結果
(4) 議事録署名人の選任に関する事項
2 議事録には、議長及びその会議において選任された議事録署名人2人以上が記名、押印しなければならない。

第7章 資産及び会計
(資産の構成)
第39条 この法人の資産は、次の各号に掲げるものをもって構成する。
(1) 設立当初の財産目録に記載された資産
(2) 入会金
(3) 寄付金品
(4) 財産から生じる収入
(5) 事業に伴う収入
(6) その他の収入

(資産の区分)
第40条 この法人の資産は、特定非営利活動に係る事業に関する資産の1種とする。

(資産の管理)
第41条 この法人の資産は、代表が管理し、その方法は、総会の議決を経て、代表が別に定める。

(会計の原則)
第42条 この法人の会計は、法第27条各号に掲げる原則に従って行うものとする。

(会計の区分)
第43条 この法人の会計は、特定非営利活動に係る事業に関する会計の1種とする。

(事業計画及び予算)
第44条 この法人の事業計画及びこれに伴う収支予算は、代表が作成し、総会の議決を経なければならない。

(暫定予算)
第45条 前条の規定にかかわらず、やむを得ない理由により予算が成立しないときは、代表は、理事会の議決を経て、予算成立の日まで前事業年度の予算に準じ収入支出することができる。
2 前項の収入支出は、新たに成立した予算の収入支出とみなす。

(予備費の設定及び使用)
第46条 予算超過又は予算外の支出に充てるため、予算中に予備費を設けることができる。
2 予備費を使用するときは、理事会の議決を経なければならない。

(予算の追加及び更正)
第47条 予算作成後にやむを得ない事由が生じたときは、総会の議決を経て、既定予算の追加又は更正をすることができる。

(事業報告及び決算)
第48条 この法人の事業報告書、収支計算書、貸借対照表及び財産目録等の決算に関する書類は、毎事業年度終了後、速やかに、代表が作成し、監事の監査を受け、総会の議決を経なければならない。
2 決算上剰余金を生じたときは、次事業年度に繰り越すものとする。

(事業年度)
第49条 この法人の事業年度は、毎年10月1日に始まり翌年9月30日に終わる。

(臨機の措置)
第50条 予算をもって定めるもののほか、借入金の借入れその他新たな義務の負担をし、又は権利の放棄をしようとするときは、理事会の議決を経なければならない。

第8章 定款の変更、解散及び合併
(定款の変更)
第51条 この法人が定款を変更しようとするときは、総会に出席した正会員の4分の3以上の多数による議決を経、かつ、軽微な事項として法第25条第3項に規定する以下の事項を除いて所轄庁の認証を得なければならない。
(1) 主たる事務所及び従たる事務所の所在地(所轄庁の変更を伴わないもの)
(2) 資産に関する事項
(3) 公告の方法

(解散)
第52条 この法人は、次に掲げる事由により解散する。
(1) 総会の決議
(2) 目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
(3) 正会員の欠亡
(4) 合併
(5) 破産
(6) 所轄庁による設立の認証の取消し

2 前項第1号の事由によりこの法人が解散するときは、総会に出席した正会員の4分の3以上の承諾を得なければならない。
3 第1項第2号の事由により解散するときは、所轄庁の認定を得なければならない。

(残余財産の帰属)
第53条 この法人が解散(合併又は破産による解散を除く。)したときに残存する財産は、法第11条第3項に掲げる法人のうち、総会において議決された者に譲渡するものとする。

(合併)
第54条 この法人が合併しようとするときは、総会において出席した正会員の4分の3以上の議決を経、かつ、所轄庁の認証を得なければならない。

第9章 公告の方法
(公告の方法)
第55条 この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う。

第10章 雑則
(細則)
第56条 この定款の施行について必要な細則は、理事会の議決を経て、代表がこれを定める。

附則
1. この定款は、この法人の成立の日から施行する。
2. この法人の設立当初の役員は、次に掲げる者とする。
   代  表 成瀬 廉二
   代表代行 松元 高峰
   理  事 青木 賢人
   監  事    遠藤 辰雄
3.この法人の設立当初の役員の任期は、第16条第1項の規定にかかわらず、成立の日から平成19年11月末日までとする。
4.この法人の設立当初の事業計画及び収支予算は、第44条の規定にかかわらず、設立総会の定めるところによるものとする。
5.この法人の設立当初の事業年度は、第49条の規定にかかわらず、成立の日から平成18年9月30日までとする。
6.この法人の設立当初の入会金は、第8条の規定にかかわらず、次に掲げる額とする。
  @正会員 入会金 3,000 円
  A賛助会員 入会金 10,000 円


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NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎 経過<設立〜現在>

・2005年6月17日、7月11日:発起人会
・2005年9月2日:NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎 設立総会  
       (出席者:成瀬、松元、青木、澤柿、紺屋+委任者11名)
・2005年9月12日:特定非営利活動法人設立認証申請(鳥取県知事宛)    
・2005年12月8日:NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎 認証
・2005年12月14日:NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎 設立届(鳥取県)
・2005年12月14日:NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎 設立登記申請(鳥取法務局)
・2006年4月1日:NPO氷河、活動開始


*歴代役員* 

(理事:3人以上7人以内、監事:1人以上2人以内。任期2年、再任を妨げない)
<第1期(2005.12.8〜2007.11.30)>
[理事]成瀬廉二(代表)、松元高峰(代表代行)、青木賢人.[監事]遠藤辰雄
<第2期(2007.12.1〜2009.11.30)>
[理事]成瀬廉二(代表)、松元高峰(代表代行)、青木賢人、内藤 望、
山口 悟、金森晶作. [監事]亀田貴雄
<第3期(2009.12.1〜2011.11.30)>
[理事]成瀬廉二(代表)、山口 悟(代表代行)、松元高峰、内藤 望、
金森晶作、澤柿教伸、紺屋恵子. [監事]亀田貴雄
<第4期(2011.12.1〜2013.11.30)>
[理事]成瀬廉二(代表)、内藤望(代表代行)、山口悟、金森晶作、
澤柿教伸、紺屋恵子、松岡健一.  [監事]榎本浩之
<第5期役員(2013.12.1〜2015.11.30)>
[理事]成瀬廉二(代表)、澤柿教伸(代表代行)、紺屋恵子、松岡健一、亀田貴雄、横山宏太郎、森淳子.  [監事]榎本浩之
<第6期役員(2015.12.1〜2017.11.30)>
[理事]成瀬廉二(代表)、横山宏太郎(代表代行)、松岡健一、亀田貴雄、
森淳子、竹内望、杉山慎.  [監事]榎本浩之


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氷河の氷はなぜ青いのか?

                                 成瀬廉二

 氷河を訪れたとき、あるいは氷河のカラー写真をながめたとき、しばしばその鮮やかな青さに魅入られます(写真1:ウプサラ氷河から崩落した氷山)。「氷河の氷はなぜ青い?」は、多くの人が抱く疑問だと思います。

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 まず、氷河がどういう時に、どういう所が青く見えるのかについて経験的事実をまとめてみます。
@ 気泡の非常に多い氷は白く見える(写真2)。
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A 土砂等のデブリ混じりの氷は黒く見える(写真3)。
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B 氷河上の裸氷域を上から見たときはうす青色だが、湖等に流出している氷河末端の氷の壁は鮮やかな青に見える(写真4)。
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C 氷河上のクレバスをのぞきこむと、底の方は暗いが中層の両壁は青く見える(写真5、6)。
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D 青空が広がり直射日光が当たっているときばかりではなく、全天まっ白な雲におおわれていても氷は青い。
E 氷が青いのは、氷河のタイプや地域によらない。
F 青色の氷からブロックや板を切り出して透かして見ると、(当然のことながら)普通の透明な氷である(写真7:サンクラスト)。
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 以上のことから直感的に明らかなことは、日射または雲からの散乱光が氷河の中に入り、再び外に出てきたときに青い光に変わっていた、ということです。
 さて、類似の現象として「空が青い」ことが思い浮かびます。この原因については、多くの書物でかなりきちっと説明されています。大気中の空気分子や、光の波長に比べて充分小さい粒子は、光を受けるとRayleigh散乱を起こします。散乱光の強さは光の波長の4乗に逆比例しますので、青っぽい光の方がより強く側方に散乱されます。したがって、空は青く、まっすぐ透過した光(たとえば夕陽)は赤く見えます。
 次に、もう一つ「水が青い」ことの説明です。底面が白いプールを考えます。水が濁っているときは、粒子による吸収と散乱が大きく、プールの底は見えず水は黒っぽかったり白っぽかったりします。しかし、きれいな水だと、プール内は全体に青く、しかも底がよく見えます。
 底が見えるということは、底からの反射光を見ているわけです。つまりこれは、水中を往復した透過光です。もし水中でRayleigh散乱が強く起こったとしたら、透過光は赤っぽくなるはずで、プールの底が青く見えることはありません。
 したがって、水が青いのは吸収に原因があります。水素結合の水は、波長3μmの電磁波を強く吸収します。この波長の光は近赤外領域ですが、可視光線の領域でも赤に近い光はいくらか吸収されます。そのため、白色光が水を通過する間に、次第に青い波長の光が卓越することになります。
 氷も紫外線や赤外線に対しては強い吸収を示し、可視光線に対してはほとんど透明な物質として知られています。しかし、可視領域でもわずかに吸収し、しかも純氷の吸収係数は0.7μm(赤)の光が0.4μm(紫)の光より約1桁大きいという測定結果があります。したがって水と同じように、可視光線でも選択吸収が起こり、氷の塊りを透過した光は青くなると考えられます。
 ところで、氷河の表面から入射した光は、少しずつ吸収されながら進みますが、光が氷河内で反射か屈折を起こして再び氷河外へ出てこないと青くは見えません。この作用をするのは氷体内の気泡が最も重要でしょう。ただし、気泡が小さく、かつ非常に多い場合には、光の選択吸収が充分進行する以前に、氷河表面付近の気泡にて反射、屈折が繰り返され、全ての波長を含む光が戻ってくるでしょう。だから、白く見えることになります(@)。不純物も気泡も全くない純粋な氷だったら、氷河は外から見るとかなり黒く、氷河の中にもぐって上方を見上げると青いことでしょう。
 氷河に入射した光が青くなるまでには、ある程度の距離が必要です(F)。吸収係数の値から見積もると、そのオーダーは数mから十数mです。光のみちのりがこれよりはるかに長いと、全ての光が吸収されて暗くなります。氷河の側壁やクレバスの中は、上から入った光が深部まで達する前に横へ出てくるので、より鮮やかで明るい青に見えるのでしょう(B、C)。

 写真1.ウプサラ氷河(Upsala Glacier, Patagonia: (January 2007, by R. Naruse)

 写真2.エクスプロラドーレス氷河(Exploradores Glacier, Patagonia, February 1967, by R. Naruse)

 写真3. シルコ氷河(Circo Glacier, Patagonia, February 1967, by R. Naruse)

 写真4.ペリート・モレノ氷河(Perito Moreno Glacier, Patagonia (December 2003, by R. Naruse)

 写真5.ペリート・モレノ氷河(Perito Moreno Glacier, Patagonia (January 2007, by R. Naruse)

 写真6.ペリート・モレノ氷河(Perito Moreno Glacier, Patagonia (January 2007, by R. Naruse)

写真7.海氷表面の薄い氷の膜<サンクラスト>(南極、1993年1月、by R. Naruse)

[日本雪氷学会誌「雪氷」第49巻1号、1987年3月、質問箱『氷河の氷はなぜ青いのか?』に写真を追加(2010.3)]

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氷河はなぜ流れるのか

                                      成瀬廉二

1) 氷河とは

 氷河であるための必要十分条件としては、陸上の大氷塊、降雪起源、流動の3つの要素があげられる。大陸や山々をおおう氷床や氷原、山の頂を包む氷冠、山腹や谷を埋める谷氷河(Photo 1)などを総称して氷河と呼ぶ。
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         Photo 1. メールドグラス氷河(Mer de Glass, France: 1989.8, by T. Kameda)

 氷河は、秋-冬-春に降り積もる雪が、春-夏-秋に融ける量よりも多いところに成長する。したがって、寒冷な高緯度や高山地域、あるいは温暖であっても著しい多雪地域に氷河は存在している。毎年、融け残った古い雪の上に新雪が積もり重なると、内部の雪は圧縮され、空気は吐き出され、隣り合う雪結晶は結合し、ついには氷へと変化する。雪が融けることがほとんどない極地や高山の氷河では、毎年の積雪のために氷は限りなく厚くなってしまいそうである。しかし実際は、氷河の高いところから低いところへ氷が流れ、下流域で融解する氷の量を補っているのである。

2) 氷が流れるしくみ

 「流れる」ということは気体や液体に特有な性質であるが、固体である氷河も以下の2つのしくみにより流動する。一つは、氷河内部の氷の結晶が、その上にのった厚さ数10 mから数1,000 mの氷の重みよる大きな力を受け、塑性変形を起こすことによる。その結果として氷河全体が自らの形を変えるように流れるが、その運動は非常に粘度の高い非ニュートン粘性体の性質を示す。氷河の深部の氷の方が、大きな力がかかり変形(歪み)率は大きいが、上層の氷は下層の氷の上にのって流れているので、流動速度は上層ほど大きい。また、氷河の側岸は摩擦が大きいので、流動速度は中央ほど大きい。
 もう一つの流動は、氷河が形を変えず塊(剛体)として、岩盤の上を滑る動きである(底面滑り)。氷河の底面の氷が岩に凍りついていると滑らないが、氷の融点に達し岩との境界面に水の膜や層が存在すると、摩擦が非常に小さく滑り速度が大きくなる。底面滑り速度は、四季や昼夜で数倍も変動することが知られており、それは底面の水圧の高低に起因することが分かっている。
 氷河表面の流動速度は、塑性変形と底面滑りの足し算である。南米パタゴニア・ウプサラ氷河では、夏季に3.6m/日という非常に速い流動速度が観測された(Photo 2)。この速度の大部分は底面滑りによると考えられている。

3) 氷河の形を決める要素 

 氷河流動を起こさせる駆動力(応力)は、
 (応力)= (氷密度)・(重力加速度)・(氷厚)・(氷河表面傾斜)
で表される。したがって、一般に氷が厚い大氷河は流動速度が大きく、氷が薄くても傾斜が急峻な場所は速度が大きい。
 一方、氷河の形(氷厚と表面傾斜の分布)は、質量収支(降雪量と融解量の差)と流動速度の分布によって決定されている。年により形が変化しない(定常状態)氷河では、1年間に差し引き積もる氷の厚さだけ表面の氷が下向き成分をもって流れたり、あるいは融解により減少する氷の厚さだけ上向き成分をもって流れ、結局すべての地点で氷厚は変化しない。つまり、ある定常的な気候下にて、氷厚・傾斜が不変となる様な流動分布を生じさせる氷河の形が安定なのである。気候が変化し、別の質量収支分布に変わると、それと釣り合う次の安定な形に徐々に変化する。これを、氷河の消長と言う。

4) 氷河の模様

(a) オージャイブ(ogive)

 氷河のアイスフォールより下流の氷河表面にみられる下流側に凸の白黒(または明暗)の縞模様のこと(Photo 1)。オーギブとも言う。オージャイブは氷河上を歩いている時はほとんど識別できず、尾根の上から見下したり飛行機から観察すると明瞭に認められる。オージャイブの成因については、氷河の流動、融解、岩屑の集積に起因するなど、諸説あり充分には明らかにされていないが、氷河により主な成因が異なると思われる。
 世界各地の山岳氷河には、種々の形態のオージャイブが存在するが、いずれもアイスフォールから一年に一組の明暗の縞模様が生成される。すなわち、この縞模様は氷河の下流域(消耗域)の年輪とも言える。この年輪は、氷河の流れとともに下流に移動し、流動速度の大きい地域では縞の間隔が開き、速度の小さい地域では間隔が狭くなる。したがって、縞模様の一つの間隔が、その地点の一年間の表面流動速度を示し、氷河の流動速度が可視化されている希少な氷河表面模様である。

(b) メディアルモレーン(medial moraine/median moraine)

画像

   Photo 2. パタゴニア(Patagonia)地方ウプサラ氷河(Upsala Glacier)の下流付近。氷河は奥から手前へ流れ、湖に流出(calving)している。氷河の全表面にクレバス(氷割れ目)が見られる(Photo: December 1994, by Pedro Skvarca)。

 氷河が支流と合流する地点の露岩やモレーンから出発し、氷河の流動方向に沿って末端付近まで伸びる氷河上のモレーンの帯を指す。メディアンモレーンとも言う。氷河の合流点から氷河に取り込まれた大小の岩屑や土砂が、氷河の流れによりベルトコンベヤーの様に下流に運ばれる。モレーンは氷河表面のみを被うこともあるが、氷河の内部まで鉛直下方に連なって含まれていることもある。
氷河表面のメディアルモレーンは氷河の流線(stream line)に一致し、その曲線の接線が氷河の流動方向を示す。写真(Photo 2)は、パタゴニア南氷原から湖に流出するウプサラ(Upsala)氷河であり、本流(U)と支流のCono氷河(C)およびBertacchi氷河(B)と合流する地点から氷河末端まで伸びるメディアルモレーンが見られる。
 
 [「形の科学」百科事典、朝倉書店、2004年8月初版、3215『氷河はなぜ流れるのか』を加筆、改稿(2010年3月)]


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雪は解けるか、溶けるか、融けるのか? 

 雪氷68巻3号(May 2006)に小島賢治会員が表記のタイトルのエッセーを寄稿した。その論旨は、『(私は)雪は「融ける」を好むけど、常用漢字表では「融」はユウとしか示されていないので、極力「解ける」を使うよう心掛けている』というものであった。融雪の専門家の小島氏なので『雪は「融ける」でなければならない』という結論を期待して読んだのだが、ずいぶん腰が引けた論調になってしまったので、一言コメントしたい。
 常用漢字表(1981年)には、「融」の訓読みがないことは確かである。一方、広辞苑、大辞林、大辞泉とも、「とける」には2つの項目があり、「とける(1)」は「解ける」で、「結び目が━ける」、「問題が━ける」と使う。「とける(2)」は、辞書によって多少表記が異なるが、「溶ける、融ける、解ける」であり、「塩は水に━ける」、「雪が━ける」の例が示されている。以上から、「雪が融ける」では学童には読みにくいからといって、「雪が解ける」、「南極の氷が解ける」と記述するのは、誤用だと思う。なお、「溶ける」は現象が異なるので、やはり、雪や氷は「融ける」であるべきである。
 小島氏も引用している「常用漢字表、前書き」の1項には「...漢字使用の目安...」、2項には「...科学...の専門分野...の表記にまで及ぼそうとするものではない」と明記されている。したがって、専門誌や専門書はもちろん、一般向け書物や解説でも、「融ける」が適切だと思えば、なんら遠慮することなくそれを使うべきである。そうすることにより、国語審議会も「融ける」を認知するようになり、将来常用漢字表の改訂時に「融(と・ける)」が採用されることになるかも知れない。

                  成瀬廉二(NPO法人 氷河・雪氷圏環境研究舎)

[日本雪氷学会誌「雪氷」第69巻5号、2007年9月、会員の広場『「雪は融けるのか、あるいは解けるのか?」へのコメント』より]




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