(NPO)氷河・雪氷圏環境研究舎

アクセスカウンタ

zoom RSS 情報“南極展;氷河辞典;砂像;大根畑とブナ林;花粉;弘前雪形;西南極氷崩壊;鳥取気象台;氷河溶水”

<<   作成日時 : 2007/03/17 10:30   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「南極の自然のふしぎ」展示・談話会

                                       成瀬 廉二

画像


 去る2009年3月7日鳥取市において開催された『南極の自然のふしぎ』展示・談話会(主催:NPO法人氷河・雪氷圏環境研究舎、共催:南極OB会山陰支部)にて、私の講話「南極の氷=氷河の氷・海の氷・冷凍庫の氷はどう違うのか?=」の中で、”南極の氷は美味しいか?”ということについて検討した。
画像

       
 まず、水が美味しいかどうかには、いやな臭いとか変な味がしない、ことが第1の要素であろう。さらにもちろん、気温、湿度、身体のコンディションと水温も重要である。
 
画像

 これらの条件が同一だとすると、次は水の成分が優劣を決するのであろう。一般に水に含まれる主要なイオンのカルシウム、マグネシウム、ナトリウムのおおよその成分を以下に示す(出典諸処.厳密な意味で、標準値、平均値というものではない.オーダーとして比較したい.単位:mg/kg)。

  ミネラルウォーター(硬水):78、24、 9.
  伯耆大山の名水: 8、 5、 9.
  南極の氷(白瀬氷河流域の積雪):0.002、0.002、0.01.
                          
 日本人の多くは名水のような軟水を好み、欧米のミネラルウォーターは硬水が多い。これらに比べると、南極氷の成分は3桁も4桁も少ない。以上から結論として、南極の氷を融かした水は特に美味しいとは言えないだろう。
画像

 
 当日展示した氷(写真)は、国立極地研究所から提供されたもので、南極の氷山の氷である。氷山は氷床(巨大な氷河)から海に流れ出た氷塊なので、起源は南極氷床上に積もった雪である。氷が白く見えるのは、気泡を多く含んでいるためである。その気泡が高圧なら、コップの中で水割りにしたとき、ピチピチはじけて、その刺激が喉に心地よい。ビールの炭酸ガスは、瓶や缶の中では2〜2.5気圧程度になっているそうである。

 南極の氷が厚さ1,000 mの氷の下にあるときは、およそ100気圧(=10 MPa)の圧力下にあるが、それが氷山となって海に出ると、氷塊がゆっくりと膨張(圧力緩和)して、徐々に気泡の圧力が低下してしまう。したがって、「下界」に出てから数年も経つと、コップの中でもあまり音が立たなくなる。

 しかしながら、パチパチと弾んだ音はしなくても、そこから出てくるものは、いつの時代かは分らないが太古の空気には違いなく、そう思って味わえばこの上なく美味しいのである。

                (2009.3.8付NPO氷河BBSに投稿した記事を4.10加筆、改訂)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

南極展のもよう 、市谷年弘、2009/03/13、No.1774
画像


 南極展のもようを紹介したいと思います。ザクロ石入り片麻岩などの岩石標本のなかには、40億万年前と地球が誕生してパンゲア大陸のころの岩石の年代の古いものもあった。また、サファイヤ、ルビー、石膏、磁鉄鉱などの有用資源も展示物のなかにあった。生物標本には、ウニ、スズキ目の魚(白身で美味しいとのこと)、カブトガニのちいさい地球外生命体の映画のモデルになったものもあった。その原因の隕石も1gから大きいのまでいれると日本が世界一発見しているということだった。。

 スライドでは、氷河・南極の氷、冷蔵庫の氷などの氷の結晶の違いをスライドで示して頂いた。岩石のスライドでは、南極大陸のすべてが陸地でなく、半分は氷床が浮いているだけとのことだった。露岩している地域のなかには、立岩みたいにロッククライミングしたくなるようなところもあるとのことでした。南極の生物のスライドでは,皇帝ペンギンだけでなく、雪鳥や藻など珪藻の仲間やアザラシがいることをしってほしいとスライドで紹介された。北極には、ホッキョクグマはいるが、南極にはいないことも教授してくれた。

 最後に私が講演者に質問したことは、南極ブナ(Nothofagus)は、南極近郊の大陸に生息して地元ではブラシ・ツリーで親しまれているが、南極大陸において南極ブナが進化してくる過程で存在した時代はなかったのか?花粉や植物遺体から証明されていないか?尋ねたが・・・専門外ではっきりしたことがわからないから、後日の課題としてくださいと言われた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『氷河・雪氷圏辞典』と改称 

             成瀬廉二、2009/05/03(Sun)、No.1789

 2006年3月に初版を公開して以来、『氷河・雪氷圏ミニ辞典』は皆さまのご愛顧、活用、支援の下で成長、発展してきましたが、このたび辞典の名称から「ミニ」をとり、『氷河・雪氷圏辞典』(略称:氷河Web辞典、ウェブ辞典)と改称することにしました。あわせて、2009.5.3付けで4th Edition(第4版)といたします。

 増補、改訂の経緯は以下の通りです。
[版: 年.月, 項目数, 写真(含、図)点数]
First: 2006.3, 43項目, 13景
Second: 2007.2, 92項目, 39景
Third: 2009.3, 141項目, 127景
Fourth: 2009.5, 151項目, 145景

 本ウェブ辞典は、解説内容の正確性、信頼性を第1に考えていますが、イメージとして捉えやすいこと、氷河や極地へ親しみを持ってもらうことも重視し、可能な限り多くの写真を掲載する方針にしました。日本では入手し難い写真は、私がかつて3年x3期務めた国際学会誌(Journal of Glaciology)の編集委員のときに築いた人脈を活用させて、外国の氷河研究者等に依頼しました。

 コンタクトできた人は皆、大変協力的でした。その内の一人のメッセージを参考のため以下に転記しましょう。
“Your Web-site is very impressive and full of fascinating photographs and insightful information; congratulations on this achievement. Matthew”
(あなたのウェブサイトはとても素晴らしい。魅力的な写真が豊富で、識見豊かな情報が満載されています。この成就おめでとう。マッシュー)

 以上の結果、第4版は文庫本サイズの冊子にしようとすると、優に200ページを超える内容となりました。もう「ミニ」ではない、ということが今回の改称の理由です。

画像

 写真は、アイスランド・ヴァトゥナヨックル(Vatnajokull)氷帽。2つの矢印は氷カルデラ(ice cauldron)を示し、この凹地の下に氷底湖(ウェブ辞典参照)が存在します(Photo: by courtesy of Matthew J. Roberts, Icelandic Meteorological Office)。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

化石発見物語?! 

             市谷年弘、2009/04/27(Mon)、No.1788

 きょうは、広葉樹文化協会の講演会がとっとり出会いの森のちかくの公民館でありました。

 この会は、針葉樹のスギの拡大造林の反省をもとに、広葉樹のよさを見直そうとしてたちあげられた会で、わたしも入会しました。年会費は3000円です。

 きょうの講演は鳥取大学の名誉教授の地学の先生が山陰ジオパーク(地質公園)の世界ジオパーク認定にむけての講演で、火山国日本は、島原半島、糸魚川、洞爺湖など火山灰に伴う候補が挙げれやすいが、山陰海岸は日本海の形成のころの地層がまとまってみられることで勝負します。

画像

 また、講演者が化石の権威者であるため、化石で語る山陰の地史というサブタイトルがついていました。新第三紀の示準化石(時代を特定できる化石のこと)のビカリヤや示相化石(気候が推定できる化石のこと)のマングローブに生息するヒルギシジミの祖先種(ゲロイナ:写真2:実物標本)という貴重な化石を拝見することができてたいへんうれしかった。

 〜〜〜〜〜〜〜〜

砂像と雪像の違い 

                成瀬廉二、2009/05/15(Fri)、No.1791
 
 鳥取砂丘にて、4月中旬から5月末まで「世界砂像フェスティバル」が開催されている。そこには、欧米の砂彫刻家10名が来鳥して製作した「テーマ:世界の童話」の作品も展示されている(写真:5月6日)。
 
画像

 一見、札幌などで毎年開かれる雪祭りの雪像と大変良く似ている。砂像と雪像とは、どう違うのだろうか。

 砂像の製法は、まず、大きな木枠の内側に粒子の細かい砂と適量の水を入れ、上から繰り返し圧縮し、固まった砂の大きな塊を作る。その砂の大塊の上部から、スコップや彫刻道具を使って削り、上から下の順に作品ができ上がる。必要なときは、水糊を吹き付けるそうである。

 一方、雪像の場合、巨大な像やイベントの舞台などは、まず骨組みを建設し、それを包むように雪の大きな塊を作る。小規模な雪像の場合は、骨組みはなく、雪の塊をスコップや氷ノコギリ等の道具で削って製作するので、砂像の作り方と大きな違いはない。

 雪粒と雪粒が接触していると、氷点下の温度であっても、接触点に氷の柱が形成され(焼結という)、雪粒が三次元に網目のように連結し、簡単には崩れたり壊れたりしない固い雪塊に変化する。したがって、ひとたび完成した雪像は、暖気や日射で融けない限り、半永久的にその形を保っている。

 一方、砂粒と砂粒が連結することはない。砂粒どうしがくっつくのは、砂粒の間隙に含まれている水の表面張力の作用のためである。形態的に、凹凸の凸部は崩落しやすく、人物の鼻が欠落している像もあった(しかし、像は彫刻家による作品なので、イベントの管理者が勝手に修復することはできない、とのことである)。

 砂像の乾燥がすすみ、乾いた砂になると、砂の塊が形を保つのは砂粒と砂粒の摩擦力のみとなる。海の砂粒は形が丸いので、摩擦が小さく、まさしくサラサラである。したがって、砂像が完全に乾燥してしまうと、形態を保つことができず、最終的にはその砂の安息角程度の起伏の砂丘になる筈である。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

河合谷高原の牧場、ダイコン畑、ブナ林. 

              成瀬廉二、2009/05/25(Mon)、No.1792

 一昨日(23日)、鳥取県東部の扇ノ山中腹の河合谷高原(標高900m-1100m)の牧場、ダイコン畑とブナ林の現状調査を行った。主催は「河合谷高原開墾地の森林復元を考える会」(会長:作野友康鳥取大学名誉教授)、参加者は同会の役員(NPO氷河代表を含む)と一般市民の計19名であった。

 河合谷高原は、かつては豊かなブナ林の水源涵養保安林であった。しかし、1980年頃から、鳥取県が「収益性の低い山林等の有効利用」という目的で農地開発事業計画を進め、土地改良法手続き、保安林指定解除を経て、大規模な森林伐採を行い、牧場と農地(ダイコン畑)を造営したのである。開墾された総面積は307 ha で、サッカーグラウンドにすると400面に相当する。

 大気中の二酸化炭素濃度増加には、途上国等による森林伐採・焼畑などの土地利用変化の寄与が少なくなく、化石燃料消費による二酸化炭素総排出量の1/4程度に達している。わが国も、20-30年前にはこういうことをやっていたのである。

 調査の結果、ダイコン畑の内、未利用地や耕作放棄地には、ヤナギ、カエデ、ブナ等の幼木が成長していた。写真は、昨年まで耕作していたと思われるダイコン畑、後方はブナ(二次)林である。調査に参加した森林の専門家である佐野淳之鳥取大学教授および藤沼康実鳥取環境大学教授によると、「特に組織的な植樹をしなくても、未利用地をこのまま放置すれば、いずれは森林が育つであろう」ということであった。広葉樹林の復元という目的からは、見通しが明るくなった。ただし、農地から山林への地目変更など、解決すべき法制、行政上のさまざまな問題はある。

画像


〜〜〜〜〜〜
Re: 河合谷高原の牧場、ダイコン... 

             市谷年弘、2009/05/25(Mon)、No.1793

 ブナについてはいくらかの意見をもっております。太古の時代(第三紀や第四紀前半や中期には)ムカシブナやヒメブナやタイワンブナといったその時代の気候風土に応じたブナが生育していたわけで、たとえば、いま、種間個体変異の合わないからといって、大山で生育したブナを河合谷高原に植えても、長い気候風土によっては、別の種に変化していく可能性があります。

 ですから、ブナやイヌブナのどちらを植えても大山ブナを植えても同じことのように思います。これは、過去の植生変遷を理解していないと大きな過ちを犯すことになりかねないと思います。要は今後の地球環境に適した種が生き残ることになります。

〜〜〜〜〜〜〜

畑のエアロバイオロジー 

         市谷年弘、2009/05/29(Fri)、 No.1796

 今年から畑のイネ科の空中花粉調査を実施しています。メーカーや企業は、この事業にあんまりのりきでないが。。。

 きょうは、イネ科花粉が3.24cuに2個みつかりました(写真:イネ科花粉の光学顕微鏡写真)。
画像


 (2009/06/15) No.1798
 いま、わたしの畑の大気中を飛散している花粉(=空中花粉)の研究中です。いままでは畑の野菜づくりや現生花粉をしらべたり、食べたりしていましたが。。。。では今年から畑の空中にはどんな花粉が多く飛んでいるか?!調べています。

 いまのところ、浮遊性のマツ花粉がもっともおおく、次いでイネ科花粉となっています。そろそろ、イネ科花粉症も花粉敏感者が増えてきているので。。。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


弘前・雪形ウォッチング報告. 

              納口恭明(via 成瀬)、2009/05/29、No.1795

 5月23,24日、第15回雪形ウォッチングに、弘前まで行ってきました。参加者総勢56人、大変ラッキーなことに、これまでの14回の雪形ウォッチング史上たった1度しか経験のない、肉眼で全く雪形の見ることができない心眼だけがたよりのハイレベルなウォッチングとなりました。

 初日の23日は嶽温泉嶽ホテルに14時ころから徐々に参加者が集まり、18時から夕食時交流会。ここで自己紹介代わりの各自1分間スピーチ。出席者の年代も0、10,20、30,40,50,60,70,80才歳まで均等に分布し、男女もほぼ同じで理想的な伝承存続型の構成でした。遠い人はドイツからいらっしゃいました。

 20時からの雪形シンポジウムは全部で19名、20件の発表があり、岩木山の雪形に関する基調講演に始まり、雪の汚れに関する学術的な発表から、宇宙、アロママッサージ、絵本、台所、ETC利用高速料金1000円、八ヶ岳、相撲、絵はがき、地球シミュレータ、ニョロニョロ、雪形布教、など多岐にわたりながらも一人5分までという制限時間を守ったり、全く無視したりの数時間でした。

 恒例の真夜中の花火大会を挟みつつ分科会が終了したのは26時30分でした。仮眠後の30時からはこれも恒例の「雪形サバメシ」の実習が参加者12名とホテルの黒い色をした飼い犬1匹で実施され、無風状態のなか古代米入りのおいしいご飯が完成しました。

 24日の出発は8時30分、最初のポイントであるりんご公園でエアー双眼鏡の雪形ポーズでの記念撮影と雪形教祖による出発の掛け声でウォッチングの開始。その後、電線などの邪魔が全くない田んぼの中の絶好の撮影ポイント、それに弘前城をまわり、青森県の雪形にもっとも精通している室谷洋司氏のご説明により、「つばめ」、「下りうさぎ」、「苗もっこ」、「竜の子」などたくさんの雪形が心にしっかりと刻みこまれました。でも、少しでいいから肉眼でも見たかった・・・とは決して思っていません。

 最後に各自15秒程度の参加者のお別れの最終スピーチは拡声器片手に弘前城東門で、通行人の邪魔にならないよう長円状になって行われました。客観的にこれを見ればかなり奇異な団体であることは間違いないと思われます。13時30分すべてが終了し、解散後、参加者は雪形ウォッチングの余韻に浸りながらも通常の一般市民へもどっていったものと推定されます。

  納口@雪形世話人

画像

[写真] 5月23日午後1時30分頃、雪形世話人が弘前から会場の嶽温泉に向かう路線バスの車窓から一瞬見えた岩木山の雪形「下りウサギ」、雲の下の左端の白いところ。これがわかる人はすでにハイレベルすぎる危険な雪形ウォッチャーである。(詳しくは室谷洋司さんのサイト参照. http://www.actv.ne.jp/~munakata/yukigata/

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

西南極氷床の崩壊による海面上昇. 

                     成瀬廉二、2009/06/09、No.1797

 半月ほど前だったか、表題のような記事が毎日新聞・他に小さく載った。米科学誌サイエンスに発表されたイギリスの研究者等の論文によると、西南極氷床の融解による海面上昇は3.2 mで、従来の予測値のおよそ半分である、という主旨であった。

 観測の精度が高まり、データが豊富になったとは言え、西(西経領域の)南極氷床の氷総量の見積もりが半分になるとは考えられず、さっそくその論文をさーっと読んだ。まず、ここで前提となっている「海洋性氷床不安定(MISI)仮説」とは、氷床周縁の棚氷が消失すると、基盤が海面下かつ内陸に向かって傾斜している氷床では次々に崩壊(氷山として分離)が進み、安定ではない(止まらない)、というものである。

 著者らは、アイスレーダの観測データから基盤地形の傾斜を詳しく解析し、重力人工衛星(GRACE)データをも使いジオイドの形態を調べ、計算、分析した。その結果、MISI仮説が起こったとして生き残る氷床の範囲を図の左Aに示す。右Bが従来(Mercerほか)の予測である。Aの方がBより大きい。
画像

 Bによる海面上昇は5ないし6 mであり、本研究のAは、ジオイドの変化により場所による変動が大きいが、平均海面上昇3.2 mということになった。ただし、Bamber等はMISI仮説の妥当性とかを議論しているわけではなく、起こったとしたら全世界にどういう影響があるのかを評価したものである。

Jonathan L. Bamber, R. E. M. Riva, B. L. A. Vermeersen, and A. M. LeBrocq: Reassessment of the Potential Sea-Level Rise from a Collapse of the West Antarctic Ice Sheet, Science 324 (15 May 2009).

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

気象台見学. 

                   成瀬廉二、2009/06/18、No.1799

 昨日、鳥取大学の学生を引率して鳥取地方気象台を見学した。同大学土木工学科の「地球科学実験演習」(非常勤講師)の一環である。写真は、観測露場の超音波式積雪深計である。
画像

 気象台も他の研究所等と同様、一般開放しているので、正式に申し込めば誰でも見学できる。気象は、一般の人にとっても大変身近な現象だが、高校および大学を通して気象学の一端でも学ぶ学生は非常に限られている。したがって、見学した学生たちにとっては、多くの面で興味深かったように思われた。

 中でも、皆に最も意外と感じられたことは、自動観測とコンピューターシステムの合間に取り残された感のある、目視観測の「天気」である。昨日は、全天薄い巻層雲に覆われ、薄陽もさしていた(写真では人の影が見える)が、雲量は9なので、「晴れ」ではなく「薄曇り」だそうである。私が氷河調査の際、フィールドノートに記載するとすれば、青空も透けて見えていたので、雲量7で「晴れ」である。気象庁のこの基準は、昔に決めたことなので簡単には変更できないだろうが、庶民感覚からややずれていると言わざるを得ない。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

氷河の溶け水(その1).

                      三上真穂、2009/06/20、 No.1800

 こんにちは。2年前に氷河の自由研究で成瀬先生にいろいろ教えていただきました。私は、もうすぐスイスのインターナショナルスクールでグレード6が終わります。

 このあいだグリンデルワルトに行きました。そこを流れるリュチューネ川の水をお父さんが汲んでくれました。この写真は、家に持ち帰って何日か静かに置いておいたものです。ペットボトルの底には細かな石のかけらや、粉のようなものがたまっています。上の方の水はきれいに透き通って見えます。
画像

<つづきます>


氷河の溶け水(その2).

                     三上真穂、2009/06/20、No.1801

 この写真はペットボトルを振った後の写真です。底にたまっていた粉が水と一緒に混ざってミルクのように白く濁りました。これは水をすくった時の様子に似ています。
画像

 グリンデルワルトの周りには高い山が一杯あるので、そこの山から氷河の溶け水が流れてきているのだと思います。ペットボトルの中の粉は山の上の方の岩が削られたものだと思います。

 今年の夏の自由研究はまた氷河を調べようと思います。


Re: 氷河の溶け水(その2). 

                  成瀬廉二、2009/06/22、No.1804

三上真穂さん

 投稿ありがとうございます。

 この2枚の写真は、氷河から流れてきた川の水の濁りの原因をとても良く示していますね。白濁していた水が、1日か数日静かに置いておくと透明になる。氷河が削った細かい岩の屑(粉)は、水に溶けていたのではなく懸濁(けんだく、浮遊)していた(suspended)ということが良く分ります。

 また、自由研究で氷河を調べてください。そして、トピックとかニュースとか感想を、また投稿してください。







月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
情報“南極展;氷河辞典;砂像;大根畑とブナ林;花粉;弘前雪形;西南極氷崩壊;鳥取気象台;氷河溶水” (NPO)氷河・雪氷圏環境研究舎/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる