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zoom RSS 情報”シイ:銀杏;梅雨;豪雨;水不足;集中雨;猛暑;3競技;扇山;雨滝;人口雨;大雨;今年暑さ”

<<   作成日時 : 2013/06/23 10:00   >>

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『シイの巨木』  [投稿:2013年 6月23日] #2430

 鳥取県中部の琴浦町に「シイの巨木」があることを聞き、先週末琴浦方面へ行ったついでに、琴浦町南部の春日神社の神木シイを見てきた。

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 写真のスダジイは全貌が写っていないが、樹高15 m、胸高太さ(周囲)11.4 m、さらに枝張りが東西30 m、南北22 m(琴浦町教育委員会)と驚くほど横に大きい巨木である。樹齢は推定千年を越すと言われている。

 シイ(椎)は、ブナ科クリ亜科シイ属の常緑の高木であり、日本には2種が自生し、その一つがスダジイである。

 この春日神社のスダシイは、1937年に国の天然記念物に指定され「伯耆の大シイ」と命名された。1989年には環境庁の調査により、島根県八雲村のスダジイとともに日本一のシイと認定され、1990年には「新日本銘木百選」に指定されている(琴浦町)。とっとり文化財ナビによると、「老木が多いが、この大シイは樹勢もよい」とのことである。


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『琴浦町の大イチョウ』

 [投稿:2013年 7月 1日] #2434

 琴浦町の「シイの巨木」(本欄No.2430)から2、3 km離れた琴浦町別宮に「転法輪寺(てんぽうりんじ)の大イチョウ」がある。シイ巨木は国指定に対し、大イチョウは鳥取県指定の天然記念物で、格は落ちるがついでに見に行ってきた(6月21日)。

 寺の境内に自生する樹高29.19 mのイチョウである(琴浦町HP)。目通り幹囲(周囲)5.8 m、枝張りは東西19 m、南北17.5 m(「案内板」鳥取県教育委員会)で、大シイよりひと回り細いが背が高い(写真)。
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 鳥取県の天然記念物は、最上格の特別天然記念物が2件(オオサンショウウオ、大山のダイセンキャラボク純林)、国指定天然記念物は17件、県指定天然記念物は53件(内、植物45件)で、この大イチョウは45件の1つである。

 地元では、秋このイチョウの落葉が終ると初雪が降るので、季節を知らせる木として親しまれている(とっとり文化財ナビ)、とのことである。イチョウに限らず季節の変化を知る景観はたくさんあるが、なによりも、巨樹全体が黄色で包まれる11月は、遠望しても見上げてもさぞや圧巻だろうと思う。


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『梅雨期の降水量』

 [投稿:2013年 7月10日] #2438

 西日本では今年、梅雨の入りも明けも例年より10日以上早かった。
 鳥取では、雨の少ない「空つゆ」だった印象だが、西日本全体の傾向はどうだったのか、気象台のデータを調べてみた。

 今年の梅雨期間5月28日〜7月7日の各地の降水量と、その地点の同期間の降水量との比を算出する。

 鳥取県は、鳥取70%、倉吉80%、米子85%、境91%と日本海側は軒並み少ない。一方、瀬戸内海側は、大阪119%、神戸113%、姫路129%、福山165%、広島148%と平年よりかなり多いという結果だった。つまり、中国地方どこでも「空つゆ」というのは正しくないことが分かった。

 気象庁発表の『6月の天候』には、「月前半は、梅雨前線や台風第3号の影響が大きかった関東や九州の一部以外では、ほぼ全国的に降水量が平年を下回った。月後半は、梅雨前線が日本付近で活発で、東日本以西で降水量が平年を上回った」とまとめられている。

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 [写真]奥大山・鏡ヶ成湿原(2013.7.6)


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『鳥取・島根県境地域の集中豪雨』

 [投稿:2013年 7月16日] #2440


 7月15日の昼前、鳥取と島根の県境地域にて激しい集中豪雨があった。日最大1時間降水量は、鳥取県米子で66.5ミリ、江尾で87.0ミリで、いずれも同地点の観測史上最大であった。

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 15日11:00〜12:00の1時間降水量の分布を図に示す(気象庁「毎時の降水量」より)。赤数字が50ミリ以上の地点を示す(島根半島鹿島89.0ミリ、松江67.5ミリ、島根県伯太74.5ミリ、米子55.5ミリ、江尾70.0ミリ)。

 この豪雨は、鳥取県の中部、東部ではゼロ、島根県の中部、西部ではゼロと、雨域は北西から南東に幅2km以内の非常に狭い範囲に集中して起こった。しかも、激しい雨の期間は1ないし2時間以内と、時間的にも集中した豪雨だった。


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『鳥取・島根県境地域の集中豪雨(続)』

 [投稿:2013年 7月17日] #2442

 7月15日の24時間の降水量を気象台およびアメダスのデータで調べてみた(単位:ミリメーター)。

 [島根県]     [鳥取県]
 出雲市    3.0  境港市   19.5
 斐川町    51.5
 松江市鹿島 108.5
 松江市    75.0  米子市  172.0
 安来市伯太 120.0  大山町塩津 65.5
 雲南市大東  5.0  大山町大山 222.5
 (以下、鳥取県)
 日南町茶屋 26.0、江府町江尾 219.5、倉吉市関金 113.0、倉吉市 43.5、鳥取市青谷 8.0、鳥取市 24.5、鳥取市佐治 22.5、智頭町 23.0.             
 
 これらの内、江尾は観測史上第1位、米子は第5位、大山は第7位だった。
 以上のデータを眺めると、松江-米子の南西方向の出雲、大東、茶屋、および北部の境港と東部の鳥取市は非常に少ないことが良く分かる。

 この豪雨の前日(14日)、米子市と南部町とっとり花回廊へ行ってきた。写真は、花回廊の(ラベンダーではなく)ブルーサルビア苑、遠景は雲の中だが大山の西壁。
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『首都圏、水不足の懸念』

 [投稿:2013年 7月28日]  #2445

 7月27日(土)、東北・関東の一部地域で激しい集中豪雨に見舞われた。
1時間降水量が多かった主な地点は、栃木県大田原87ミリ、新潟県室谷77ミリ、福島県石川73ミリ、栃木県足利61ミリ、秋田県東成瀬49ミリで、いずれも各地点における観測史上最大となった。

 ところどころで大雨が降る一方、「首都圏の水がめ」とも言われる利根川上流ダム群は、現在水不足の傾向が続いており、渇水の危機が迫っている。利根川上流8ダム(群馬県)の総貯水量は、7月27日0時現在、17,818万立方メートル、貯水率52%となっており、8ダムとして管理開始した1992年以降、この時期では最も少ない貯水量となっている(国土交通省関東地方整備局)。その原因は、本年3月、5月、7月に同ダム流域内の降水量が平年の30〜45%と著しく少なかったためである。

 一方、ダムの規模は桁違いに小さいが、鳥取市国府町の殿(との)ダムでは、28日9時現在、貯水量292万立方メートル、貯水率54.2%となっている(国交省)。こちらも、渇水の懸念が消えない。

 写真は27日午後の殿ダム湖(因幡万葉湖と命名されている)である。通常は水面下となる植生のない裸地が多く露出している。
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『今朝、鳥取に集中豪雨』

 [投稿:2013年 8月 1日] #2446

 今夏、梅雨が明けてから全国各地で次々に集中豪雨(俗に、ゲリラ豪雨)が起こっている。しかし、それらはかなり局地的なため、日本列島全体としての総降雨量は例年に比べて決して多いわけではない。そのため、前回、「水不足の懸念」の一例として首都圏をとり上げた。

 同様に、雨が非常に少なかった鳥取県東部にて、今日(8月1日)早朝、激しい集中豪雨があった。鳥取市湖山アメダス(鳥取空港)では07:26〜08:26の1時間に67ミリの降水量を記録し(観測史上最大)、鳥取地方気象台では03時〜09時の6時間で100ミリを超える(107ミリ)豪雨となった。

 この大雨の結果、本日15時現在、殿ダムの貯水量は461万立方メートル、貯水率は86%となり(国交省)、まずは水不足が解消した。

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 写真は、本日昼前(11:20)、半分程度冠水した鳥取市浜坂の遊水池(ゆうすいち)の状況である。同地の8.8haにて、鳥取市が公園整備(重箱緑地公園)を、国交省が遊水池・治水事業を行い、昨年4月に完成した。平常時は自然・多目的公園として開放され、大雨時には市内を流れる狐川の水を誘導し、川沿い地域の洪水を防ぐ目的である。


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『因幡万葉湖の貯水率ほぼ100%』

 [投稿:2013年 8月 9日] #2449

 鳥取市では7月31日から8月5日までに計186ミリの雨が降り、殿ダムの因幡万葉湖の貯水率(利水容量)が、28日54.2%、1日86%を経て、7日17時に97.6%になった(国交省)。

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 7日15時頃、万葉湖畔を通りがかったときの湖上流部分の状況を写真に示す。植生のない裸地斜面は水面下にほぼ隠れているが、ダム湖はもっと多量の水を貯められそうであり、満水には程遠く思われる。実は、ここで言う貯水率とは、平常時の最高水位における貯水量(570万立方メートル)に対する割合であり、実際にはこれに加えて極端な大雨時に下流の河川の洪水を防ぐために貯められる容量が、平常時貯水容量と同程度550万立方メートルある。すなわち、7日17時の貯水率(有効容量)は48.4%だった。

 もし仮に、当分の間雨が降らなくても、現在蓄えた水から最大1日に5万立方メートル放水し、鳥取市の工業用水および水道用水に利用される。


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『7月、高温だった西日本』

 [投稿:2013年 8月 4日] #2447

 本年7月の天候の特徴のうち気温に関しては、「7月前半は全国的に高温、月を通して西日本ではかなりの高温」だった(8.1、気象庁発表)。西日本でも、とくに中国地方、さらに山陰地方は非常に高かった印象である。

 そこで、鳥取県の東端から西へ、島根県、山口県の日本海側を通って福岡県まで、アメダス観測点等による本年7月の月平均気温を以下に示す。[ ]内の数字は、同地点における観測史上の順位である。

 岩井 26.5℃[1位]、鳥取 27.8℃[3位]、湖山 27.1℃[1位]
 倉吉 27.0℃[2位]、塩津 27.1℃[1位]、米子 28.3℃[1位]
 境港 27.7℃[3位]、松江 27.5℃[2位]、出雲 27.1℃[2位]
 浜田 27.5℃[1位]、益田 28.4℃[1位]、萩  28.0℃[1位]
 下関 28.3℃[2位]、八幡 28.7℃[2位]、福岡 30.0℃[1位]

 確かに軒並み観測史上最高または歴代2位か3位の高温であったことが分かる。

 3年前の2010年夏は、日本列島は全般的に猛暑であり、6-8月の日本の平均気温は過去最高、鳥取も過去1位タイ記録だった。今年はこれを更新するかどうか、望まぬことだが注目される。

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 [写真:蒜山ハーブガーデンハービルから望む(右から)下、中、上蒜山、皆ケ山など(2013.7.24)]


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『酷暑のトライアスロン観戦』

 [投稿:2013年 7月21日] #2444

 以前からトライアスロンのレースを一度なまで観たいと思っていた。しかし普通のスポーツ競技に比べ、選手のいる場所が、空間的にも時間的にも圧倒的に広い(長い)ので、いつ、どこへ行けばレースの醍醐味を感じることができるのか、なかなか予想をつけ難いものである。集中豪雨の前日の7月14日、米子市皆生(かいけ)周辺でトライアスロン大会が行われていたので、とっとり花回廊の帰途、何かは見られるだろうと立ち寄ってみることにした。

 トライアスロン(triathlon)とは、水泳・自転車ロードレース・長距離走の3種目を、同一人がこの順番で連続して行う競技である。競技の距離は、大きく分けると、水泳1.5 km・自転車40 km・マラソン10 km、合計51.5 kmの「ショート・ディスタンス(短距離)」と、水泳4.0 km・自転車120 km・マラソン30 km、合計154 kmの「ロング・ディスタンス(長距離)」の2種類がある。2000年からオリンピック正式種目となったトライアスロンは、競技の運営が比較的容易なショート・ディスタンスである。

 日本では、1981年、鳥取県の皆生温泉で最初のトライアスロン大会が開かれた。皆生トライアスロンは水泳3.0 km・自転車145 km・マラソン42.195 km、合計190 kmの長い部類のロング・ディスタンスである。さらに、水泳は海、自転車はアップダウンの多い大山山麓の道路、マラソンも周回コースではなく米子―境港を往復する。

 一般にマラソン競技は12月〜3月の寒い時期に行われるが、トライアスロンは海の水泳があるためか、暑い季節に開催されることも多い。今年の皆生トライアスロンでは、07時に水泳スタートの後、08:15〜18:45は気温30℃以上、最高気温は33.3℃であった(米子特別地域気象観測所)。まさに、酷暑の中のレースである。制限時間は、07:00〜21:30の14時間30分である。

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 写真は、皆生温泉海岸付近にて、自転車からマラソンへ変わった直後の頃である(14:40)。(全選手のラップと最終記録は大会公式HPに公開されており)ゼッケン番号62番は、大阪府の女性(45歳)、記録は13時間38分14秒、全完走者786人の内の688位(女性の部では54位)であった。


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『扇ノ山登山』

 [投稿:2013年 8月 15日] #2450

 小学生の孫たちと、8月14日、鳥取市の東南東端にある扇ノ山(1310 m)を登った。ルートは、5つある登山コースのうち最も長いけど、最も易しく、ポピュラーな河合谷高原コースである。

 登山口(標高1050 m)からは尾根沿いのルートを3.2 km歩いて、高度差260 mを上ると頂上に達する。実際は尾根の上の小ピーク(大ズッコ)から60 m下るので、高度差は計320 mとなる。

 尾根上のブナ純林(二次林)内に、2 km以上にわたって真っ直ぐ登山道が伸びているところは(写真)、鳥取県では他にはない。扇ノ山は、花と新緑の春-初夏、紅葉とキノコの秋のみではなく、真夏でも涼しさを満喫でき、趣きがある。
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『雨滝』

 [投稿:2013年 8月 19日] #2451

 鳥取市国府町、扇ノ山の麓に「日本の滝百選」に選ばれている雨滝(あめだき)がある(写真:2013.8.7)。高さ40 m、幅約4 mである。
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 「滝百選」は、1990年、環境庁と林野庁の後援のもと、3つの団体(財団法人など)が、日本全国から応募のあった滝から100滝を選定したものである。それには、北海道から6つ、各県から1〜4つの滝が選ばれている。ゼロの県もあるので、全県平等というわけではないようだ。鳥取県からは、この他に大山滝(東伯郡)が選定されている。

 日本で最も落差が大きい滝は、称名滝(しょうみょうのたき、富山県立山町)の約350 m(段瀑)、直瀑では那智の滝(和歌山県那智勝浦町)の133 mである。これらと、日本三名瀑と言われている華厳の滝(栃木県、97 m)、袋田の滝(茨城県、73〜121 m)、那智の滝に比べると、雨滝は規模も小さく、自然景観としては迫力に欠ける。

 滝百選は、自然要素のみではなく、人文学的要素をも含んで選考されているそうである。雨滝は、「古来より有数の霊場として善男善女の修行の場、お遍路さんの信仰の場として活用され、今なお、神秘的な霊場としての雰囲気を残している(鳥取県とりネット)」ことが評価されたのであろう。

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『人工降雨は効果が期待できるか?』

 [投稿:2013年 8月23日] #2452

 一昨日(21日)夕方のTVで「東京都は21日、多摩川水系の小河内ダム周辺にて人工降雨装置を12年ぶりに稼働させた。その結果、一時わずかな雨が降り、成功か?」との主旨のニュースが報じられ、ひどくびっくりした。何故なら、人工降雨や人工降雪の試みや実験は、半世紀ほど前からアメリカや日本などで行われてきたが、現在では、(中国を除いて?)実用化には至っていないと思っていたからである。

 新聞各紙の東京版などでも報じられたようだが、事実の経過は概ね以下の通りである。

 首都圏の水源となる多摩川、利根川両水系のダム貯水量が平年を大きく下回っており(利根川8ダム合計貯水率47%)、渇水対策の一環として、都水道局はダム周辺の人工降雨装置2基を午後2時から1時間にわたって稼働(試運転)させた。この装置は、ヨウ化銀を地上から煙状に噴射させるものであり、1966年に約1800万円で4基設置し、2001年を最後に使用されていなかった。21日は稼動約1時間後に少量の降水があったが、都水道局は「試運転との因果関係は分からない」としているそうである。

 人工降雪・降雨は、大きく分けると2種類ある。一つは、ヨウ化銀の小さな結晶が雪結晶の核になりやすい性質があるため、水蒸気が豊富な雲の中にヨウ化銀が混入されると、それを核として氷晶ができ、その周りに水蒸気が昇華凝結して雪結晶が成長し、それが雪粒として地上に向かって降り、途中で0℃以上の環境になると融けて雨となる(日本に降る標準的な雨「冷たい雨」の場合)。

 もう一つは、ドライアイスまたは液体炭酸を雲の中に投入すると、0℃以下でも液体で存在している過冷却水滴が氷晶に変化し、上と同様に、雪→雨となる。ヨウ化銀や炭酸のいずれの方法も、航空機にて雲の中から、あるいは上から散布することが一般的であり、中国では地上からロケット砲で発射している。これに比べ、東京都の装置は、地上から噴射された煙が、上昇気流に乗って、あるいは拡散などにて雲に到達しなければならないので、雲中に効果的に浸透させるのは難しそうである。

 いずれにしても、人工降雨は、雨を降らせるだけの十分な水分をもった雲の存在が必要不可欠であり、ヨウ化銀やドライアイス等によるシーディング(種付け)は、雪・雨の生成を促すことに過ぎない。だから、雨が降りそうで降らない雨雲が風下に去ってしまう前に、刺激を与えて水が欲しいところに降らせるとか、ある地域には雨が降って欲しくないとき、風上で雨を降らせてしまう、というような場合には、効果的だと思われる。

 しかし、「促し」てもすぐ確実に雪や雨ができるわけではないし、大雨が降りそうな雲があれば放っておいても雨降りになるだろう。したがって、人工降雨は、きわめて限定的な目的の場合を除いて、実用化にはほど遠いのではないか、と私は思っている。

 人工降雨機を作動させたとき、その後雨が1滴も降らなければ、空振り、つまり失敗は明白である。一方、直後から数時間後に多少でも雨が降れば、実施者は「効果があったと思われる」と言うかも知れない。何もしなくても降ったのか、しなければ降らなかったのかは検証のしようがないのである。

 2008年の北京オリンピックの開会式では、前日までに人工降雨ロケットを多数発射させて、雨雲が北京市内に流れて来る前に人工的に雨を降らせ、当日の会場は晴れとなった、と中国では大きく報道され、そういうことになっている。

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 [写真:イメージ画像.2013.8.1、08:00、鳥取市内住宅]


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『鳥取に大雨』

 [投稿:2013年 9月 6日]  #2455

 8月末から9月初旬にかけて鳥取市および周辺にて大雨が続いた。31日〜4日の5日間の総降水量は、岩美町岩井307ミリ、鳥取市街297ミリ、鳥取市佐治249ミリ、八頭郡智頭268.5ミリ、八頭郡若桜303.5ミリであった(気象庁)。鳥取の年降水量の平年値は1914ミリなので、平均的な2か月分に近い雨が5日間に降ったことになる。

 NHK鳥取や日本海新聞によると、鳥取市では、市街地の南部を流れる大路川(おおろがわ)が「避難判断水位」を超えたため、4日午後1時40分に、美保地区・美保南地区の計5100世帯、約14,600人に対して避難勧告が発令され、午後4時までに解除された。都市の中心部に近いところでこれだけ多数の住民に避難を勧告することは、甚大な災害が予想されたかのようである。

 しかしながら、たまたま筆者の知人3世帯が該当地域に住んでいるため、事情を聞いたところ、いずれも避難行動をとらなかったとのことである。実際に対象住民の何パーセントが避難したかは分からない。避難勧告は避難指示よりは弱く、「自主的な避難を勧めること」なのだが、避難勧告のタイミングや対象地域など、もう少しきめ細かい検討が必要である、と思う。

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 写真は、鳥取市を南北に流れる千代川(せんだいがわ)の河口に近い、千代橋から下流方向を見た4日17:00の状況である。右岸側の河川敷は、野球・ソフトボール場2面やサイクリング道路がある市民スポーツ広場だが、完全に冠水している。

 千代川行徳の水位流量観測所によると、最大水位は4日15時の4.86m、写真の17時は4.60mであった(国交省)。なお、同地点の「氾濫注意水位」4.70mを一時的に超えたが、「避難判断水位」6.20mには達することがなく、増水は収まった。


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『鳥取に大雨(続)』

 [投稿:2013年 9月 9日]  #2456

 9月4日の大路川周辺地区への避難勧告・行動の実情がどうだったのかと、いろいろインターネットで調べていたら、昨(2012)年9月18日にも1日に約100ミリの大雨があり、大路川では「避難判断水位」まで水位が上昇したが、鳥取市では避難勧告を発しなかったことを知った。

 これに関し市の防災調整監は「18時に避難判断水位に到達したが、消防団による現地巡回の結果や今後の雨量は小康状態になるという鳥取地方気象台からの情報提供を受け、避難を要する状況ではないと判断した」と語っている。

 基準の水位に達したら自動的に避難勧告を出すのではなく、様々な情報を勘案して判断することが望ましい。とくに、暗くなる夜間の避難行動は、2009年8 月9 日兵庫県佐用町の洪水(避難行動中に18名犠牲)の事例が示すように、かえって危険が大きいことを忘れてはいけない。

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 写真は、一昨日(7日)13時、前記事とほぼ同一地点から見た千代川右岸側の河川敷である。川の水位は平常に戻っているが、野球場の施設は破壊され、グラウンドには土砂や小石が被っていた。

 この市民スポーツ広場は、一昨(2011)年9月3日にも100ミリ超の大雨により冠水し(行徳の最大水位5.0 m)、翌年6月上旬まで丸9か月間、河川敷を立ち入り禁止にし、グラウンドを掘り返して整地する本格的な災害復旧工事を行った。ここはそもそも河川敷なので、草野球、ソフトボールの練習やトレーニング、家族向けの運動場と位置づけ、数日程度の短期間に、石を除去して整地する程度の簡易な修復工事にとどめた方が、経費の無駄が省け、市民の利便にも沿うものと思う。


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『今年の夏の暑さ』

 [投稿:2013年 9月16日]  #2457


 気象庁の「異常気象分析検討会」は9月2日『2013 年夏の日本の極端な天候について』を報道発表した。それによると、日本列島各地における今夏の地域平均気温の平年差は、北日本は+1.0℃で10 位タイ、東日本は+1.1℃で3 位タイ、西日本(近畿、中国、四国、九州{諸島、沖縄を除く})は+1.2℃で統計史上の第1位だった。

 日本の気温の経年変化を示すとき、気象庁は、都市化の影響が比較的少ないとみられる17 観測地点での平年値からの偏差の平均値を使っているが、ここでは東日本、西日本等の“地域平均”気温としているので、いくつかの観測点の単純平均ではなく、何らかの統計的解析により求めた“地域”を代表する値と考えられる。

 8月上旬に本欄(No.2447)で述べたように、中国地方日本海側各点の本年7月の月平均気温は、軒並み観測史上最高〜第3位の高温であった。しかし、続く8月の鳥取市の月平均気温28.1℃は史上第7位だった。鳥取市の今夏の猛暑日数は17日、熱帯夜数は15日で、いずれも2010年夏の各30日に比べて約半分だった。というわけで、鳥取を見る限り、今夏は統計史上で最も暑かった、とは言えない。

 ところで、日本近海の海域別旬平均海面水温は、2013 年8月中旬、日本海北部は平年差+2.7℃、日本海南部は平年差+2.5℃でいずれも1985年以来最高だった(「異常気象分析検討会」報告)。一方、太平洋側は平年差+0.7〜+1.6℃でやはり高いが、日本海ほどではない。この状況は大変興味深いことだが、大気温度と海水温度との間にはさまざまな気象現象が介在しており、単純に一方向の因果関係で論ずることはできない。

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 [写真:山陰海岸、2011.8.29]


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『今年の夏の暑さ(続)』

 [投稿:2013年9月20日] #2458

 前記事で「鳥取を見る限り、今夏は統計史上で最も暑かった、とは言えない」と述べたが、気象庁地球環境・海洋部(ご意見メール担当)あて“地域平均”の算出法を問い合わせた回答に付して、「鳥取地方気象台のこの夏(6-8月)の3か月平均気温は26.3℃で、2010年の26.2℃を超えて観測開始以来最も高い記録」だったことを教示された。

 今夏の鳥取は、8月下旬からやや涼しくなったが、6月および7月の平均気温は2010年より1℃ほど高く、夏を6〜8月の3か月とすると、確かに過去最高の暑い夏だったと言える。鳥取県の米子、境とも、今夏(6-8月)の平均気温は2010年より僅かに高かった。

 なお、日本の気温の経年変化を求めるとき気象庁は17 観測地点のデータをもとにしており、その17地点のうち西日本に含まれる地点は境,浜田,彦根,宮崎,多度津の5地点のみであるが、西日本の地域平均気温を算出するときは気象台・測候所・アメダスの計約57地点(鳥取県は鳥取、米子、境)の観測値を使っていることが分かった。

 
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 [写真:奥大山、鏡が成(標高900 m)、2013.7.6]




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