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zoom RSS 情報”冬雪;雪害;象山;大山;カキツ;ハマナ;砂動物;三徳;仮屋;千軒;甌穴;海洞;野幌;三滝”

<<   作成日時 : 2014/04/24 12:00   >>

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      [写真:大山.2014.3.12、鳥取県南部町から]

           
  『今冬期の日本の積雪』
 (前)
                            投稿日:2014/04/24、No.73

 2013-14年冬期は、豪雪だったのか、並み以下だったのか、日本列島への雪の降り方にどんな特徴があったのか振り返ってみたい。

 まず、今冬の降雪現象で特異な点は、2月上旬から中旬にかけて低気圧が日本の南を周期的に通過した結果、2月7〜8日と14〜16日に、平常年は雪が少ない関東甲信地方を中心とした広い範囲で大雪となったことである。

 以下のように2月15日の積雪深は、各地(気象台)で観測史上最大値を記録した(カッコ内は従来の最大積雪深)。
 甲府(山梨県)114 cm(49 cm)、河口湖143 cm(89 cm)、
 軽井沢(長野県)99 cm(72 cm)、飯田81 cm(56 cm)、
 前橋(群馬県)73 cm(37 cm)、那須(栃木県)88 cm(57 cm)、
 秩父(埼玉県)98 cm(58 cm)、熊谷62 cm(45 cm).

 いわゆる豪雪地に比べれば積雪の量は多くはないが、雪対策が十分ではなかったため各地で雪による災害が多発した。政府は2月18日、「平成26年(2014年)豪雪非常災害対策本部」を設置した。また、(公益社団)日本雪氷学会と日本雪工学会の雪害関連研究者のチームが特別研究促進費(突発災害)により課題「2014年2月14-16 日の関東甲信地方を中心とした広域雪氷災害に関する調査研究」を開始した。
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          [写真:岐阜県農村地域。2014.2.8、新幹線車窓より]

(中) 
                                     投稿日:2014/04/27、No.74

 ある地点のある年の最大積雪深は、その年の雪の多さを反映した良い指標となり得る。しかし、関東以西の温暖地では、降雪後2、3日で融けてなくなることもあり、最大積雪深は一回の降雪により達成されることも多い。そのため、日々の降雪の深さを冬期間にわたり合計した累積降雪量の方が指標として優れていることもある。

 累積降雪量1730 cm(青森県酸ケ湯、2013-14年)と言っても実際の積雪深とは対応がつかないのでピンとこない。そのため、気象庁が公表している累積降雪量の平年値との比を調べることにする。すなわち、平年比が100%より十分大きければ多雪、100%より十分小さければ少雪と判定することにする。

 その結果、各都道府県はおおむね以下のようになる。ただし、降雪深は降雪板または積雪計(主に超音波式)による積雪深の増加分から求めているので、北海道や多雪地を除く地域では累積降雪量のデータがそろっているところは各県内1、2箇所に限られる。

[多雪]:北海道南部(胆振・日高・根室)、岩手、宮城、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、広島.
[並み]:北海道北部(網走・北見・紋別)、青森、秋田、山形、福島、群馬、島根.
[少雪]:北海道中央部、新潟、富山、石川、福井、岐阜、滋賀、京都、兵庫、鳥取.

 以上のように、今冬の雪は日本列島の太平洋側で多く、日本海側で少ない、という明瞭な傾向が認められた。
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      {写真:雪の木曽山脈と遠景は飛騨山脈。2012.4.9、鳥取行きのANA機より}

(後) 
                              投稿日:2014/04/30、No.75

 今冬(正しくは2013-14年の寒候期:10月〜3月)の山陰地方の雪の状況をもう少し詳しく見てみよう。指標としては、前と同様、累積降雪量の平年値との比を使う。長年間、降雪深の観測データが揃っている気象観測所における今冬の平年比を、山陰地方の東から西へ以下に示す。

[兵庫県]豊岡48%、香住58%
[鳥取県]鳥取47%、智頭80%、倉吉28%
・・・・・大山82%、米子65%、境36%
[島根県]松江96%、横田121%、
・・・・・瑞穂114%、弥栄156%
[山口県]山口52%

 以上のうち智頭は内陸の谷あい(標高182 m)、大山は山の中腹(875 m)、横田、瑞穂、弥栄とも標高300 m台の山間地である。これらを除くと山陰地方の平野部では、松江のみ例外として、平年の1/2から1/3程度だったことが分かった。

 鳥取市の今冬の累積降雪量は101 cmで、過去50年間で少ない方から13番目、最深積雪は30 cmで、50年間で少ない方から14番目であった。

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 写真は、鳥取市内の空山(340 m)の頂上付近の尾根の状況であり(2014年3月11日)、樹木のないところは積雪でおおわれている。鳥取市の1月〜3月上旬の日最低気温は0℃前後であり、ここは低い山だが平地より気温は約2℃低く、平地が雨でも山では雪に、平地が消雪しても山はあまり融けないため、このようにたくさんの雪が残っているのである。

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『雪による災害』
                             投稿日:2014/05/24、No.80

 総務省消防庁は、最近数年、「今冬の雪による被害状況等」をとりまとめて発表している。内容は、都道府県毎の、雪による死者、負傷者数、死亡の原因、倒壊家屋数などである。

 この統計では、死亡要因を、雪崩、屋根雪・除雪作業中、落雪、倒壊家屋、その他、の5種類に分類している。ただし、交通事故によるものは除外されている。交通事故死者は年間4411人に達するので(2012年、全日本交通安全協会)、このうち雪や氷が遠因となった事例を抽出することは困難だからであろう。

 過去4冬期における、雪による死者数、およびその要因として圧倒的に多い「屋根雪下ろし・除雪作業中」の数を以下に示す。

 2010-11年:131人、100人(=76%)
 2011-12年:133人、95人 (=71%)
 2012-13年:104人、83人 (=80%)
 2013-14年: 95人、66人 (=69%)

 今冬の雪は、例年に比べ日本列島の太平洋側で著しく多かったので、それを反映して、福島・群馬・埼玉・千葉・山梨・長野・静岡・岐阜の8県で雪による死者数が計32人、全国の1/3に達した。

 なお、雪崩による死者数は、各年、9人、4人、0人、1人となっている。2010年大晦日の奥大山スキー場雪崩による4名死亡は9人に含まれていると思われるが、2013年11月23日の富山県真砂岳雪崩の7名死亡が集計されていない。この統計は、消防庁が出動したか、何らかの関わりがあったものに限るのかも知れない。

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『奥大山・象山』
                           投稿日:2014/05/05、No.76

 奥大山の鏡ヶ成(標高900 m)の行楽園地を囲むように烏ヶ山(からすがせん、1448 m)、象山(ぞうやま、1085 m)、擬宝珠山(ぎぼしやま、1110 m)がある。登山というほどのことではないが、一昨日(3日)象山を登ってきた。

 れっきとした1000 m級の山ではあるが、鏡ヶ成が900 mなので、高さ185 mの里山の感じで、上り40分、下り20分の軽いハイキングであった。とはいえ、昨年夏に登った擬宝珠山と同様に、登山道の一部は残雪のブナ林の中を進むので(写真)、十分高山の感覚を味わうことができる。
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『残雪の大山』
                           投稿日:2014/05/09、No.77

 中国地方の最高峰、伯耆大山(ほうきだいせん:1,729 m)は、秋には紅葉と新雪の色のおり合い、冬には山の上部をすっぽり被う冠雪、春には縦方向の沢筋に幾本かの残雪と、四季により様相を大きく変える。

 好天に恵まれた5月3日、大山環状道路を関金−鏡ヶ成−鍵掛峠−桝水高原−大山寺−赤碕と、大山山塊をぐるりと3/4周し、"いろいろな"大山を観賞した。

 同日午前は煙霧か黄砂かPM2.5のせいかは分からないながら、遠くの山はぼんやり霞んでいたが、午後には晴れ、視程も20 kmに上昇し(米子特別地域気象観測所)、山や遠景の撮影には申し分なくなった。

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 写真は、大山町大山寺の博労座駐車場(標高730 m)から南南東方向を見た大山である(2014.5.3, 16:00)。中央から右上に向かう尾根が夏山登山道、その頂部のやや左が登山の頂上・弥山(みせん、1,709 m)、その左の中央が大山の最高点・剣ケ峰(1,729 m)、さらに左が天狗ヶ峰(1,710 m)、稜線の手前が北壁である。写真左端の建物は大山自然歴史館。

 大山寺に近い大山アメダス(875 m)では、平年より8日早く、4月17日に積雪がゼロとなった。そう思って見ると、5月初旬の大山の残雪は平年よりやや少ない感がする。

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『カキツバタ見ごろ』
                            投稿日:2014/05/14、No.78

 幼児期に3年ほど暮らした我がふるさと岩美町の花はカキツバタである。岩美町には、唐川(からかわ、標高約400 m)と牧谷(まきたに、標高5 m)にカキツバタ群落(国の天然記念物と鳥取県自然環境保全区域)があるため、2004年に町の花として制定された。
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 牧谷のカキツバタは、5月中旬から下旬にかけて咲きほこる。写真(5月11日)は、濃い紫色の花の見ごろが始まった牧谷又助池(またすけいけ)のカキツバタ群落である。

 「いずれあやめかかきつばた」(優劣のつけ難い美女が多く並ぶことのたとえ<岩波国語辞典>。どちらもすぐれていて、選択に迷うことのたとえ<故事ことわざ辞典>)ということわざがあるが、アヤメ(菖蒲)もカキツバタ(杜若)もアヤメ科アヤメ属の多年草だそうなので、素人には見分けがつかないのも当然かもしれない。しかし、アヤメは排水の良い草原に、カキツバタは湿原に生育するので(加茂花菖蒲園のサイト)、これならば間違えることはない。

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『ハマナス自生の最南地』
                            投稿日:2014/05/19、No.79

 アリューシャン列島から北海道にかけて寒冷地の海岸砂地に生育する、バラ科の落葉低木の植物、ハマナス自生の南限地が鳥取県にある。一つは大山町松河原の海岸、もう一つは鳥取砂丘の西の端の白兎(はくと)海岸である。

 北海道では’県’花となっているハマナスは、オホーツク海岸から石狩にかけてどこでも見かけるありふれた花だが、鳥取県の群落はハマナス自生の最南地であり、学術上も貴重なため1922年に国の天然記念物に指定された。

 写真は、ハマナスの花が見ごろとなった鳥取市白兎の自生地(2014年5月18日)、その向こうが国道9号線を隔てて白兎海岸。
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『砂丘に暮らす哺乳類』
                      投稿日:2014/05/30、No.81

 鳥取大学乾燥地研究センターではサイエンスカフェと称するセミナーが不定期に開催されているが、一昨日(28日)は、京都大学情報学研究科の小山里奈氏による『鳥取砂丘の動物行動学―砂丘に暮らす哺乳類―』という話題提供があった。「砂丘」と「動物行動学」のキーワードに強く反応し、久しぶりに参加させていただいた(写真)。
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 小山氏および大学院生のチームは、鳥取砂丘内で、糞や足跡などの痕跡調査に加え、一昨年夏からはカメラ10余台を設置し、昼夜を問わずセンサーが動物を感知すると数秒間にわたり動画を自動撮影する観測を行った。その映像を解析することにより、砂丘に出没する動物の種、季節、時間帯、および挙動などが明らかになってきた。

 調査区域は、多くの観光客が訪れる一面砂のみの丘ではなく、その西の浜坂地区であり、そこは50年以上前の防砂林・防風林造成の影響で、現在はクロマツ等の林や草本が茂る砂の原野となっている(写真)。

 映像解析の結果、最も検知回数の多かった動物はキツネの567回で、次いで多い順にイノシシ、ネコ(飼い猫?ノネコ?)、シカ、ノウサギ、テン、アナグマ、タヌキ、イヌ(飼い犬?)だった。

 去る4月26日開催の鳥取ユネスコ協会「環境」談話会『鳥取市街地に出没する野生動物』(コーディネーター:成瀬)にて、鳥取県生活環境部西信介氏の報告では、鳥取市内にて、イノシシ、ニホンジカ、タヌキ、アナグマ、テン、ヌートリア、アライグマなどの出没が近年増加している。砂丘もこれと似たような種の分布である。

 畑や住宅地に動物が現れるのは、そこに美味しいものがあるからに違いない。しかし、砂丘には食糧が豊富にあるとは思えないので、砂丘に出没する理由は、フロンティアの開拓者か単なる迷い込みか、などと想像しながら話を聞いていた。しかしながら小山氏によると、ある種の動物はすでに砂丘に定着していると考えられるし、砂丘内にも昆虫や小動物など必ずしも餌が貧弱ではないらしい。

 これらの動物たちは何のために砂丘に来るのか、単に通過型か、砂丘をどのように利用しているのか等は、今後さらなるデータを積み重ねて明らかにしたいとのことであった。

 なお、鳥取県砂丘事務所のウェブサイトには「砂丘に暮らす動物達」としてイソコモリグモ(*)、カワラハンミョウ(*)、キンモウアナバチ、オオハサミムシ、ハマスズの5種の昆虫が紹介されている[(*):絶滅危惧II類]。これらは砂の上や中に生息するので狭義の砂丘に暮らす動物である。砂丘をもう少し広い領域にとれば、何種類かの哺乳類が砂丘に定住または頻繁に出入りしていることが明らかになったのだから、そのうち「砂丘に暮らす動物達」を改訂しなければならなくなるだろう。

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『三徳山、国立公園に編入』
                           投稿日:2014/06/05、No.82 

 いささか古いニュースになったが、去る3月19日、三朝東郷湖県立自然公園の第1種・第2種特別地域に指定されていた三徳山(みとくさん、標高899.7 m)一帯の300ヘクタールが、大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)に編入された。その理由は、カシ・シイ等の照葉樹林から、ブナ・ミズナラ等の冷温帯落葉広葉樹まで、自然林が連続して垂直的に分布し希少性が高いこと、および修験道や山岳仏教の聖地として歴史的、文化的な価値が高いこと、であった。

 これを記念して5月31日鳥取市内において、三徳山三佛寺の米田良中住職による『国名勝・国史跡・国立公園 三徳山あれこれ』という講演が行われた。講演後の質疑応答のときに、私は次の意見を述べて質問した。

 「国立公園に編入が認められたのは喜ばしいことだが、従来よりいっそう自然や史跡の保全に努めなければならない。以前から投入堂に至る行者道(登山道)の荒廃が著しく、国・県などの予算により毎年300万円をかけて行者道の修復を行っている。国立公園などの遊歩道の保全に詳しい専門家(注:渡邊悌二氏)は、この規模の予算でできることは登山道に土嚢を積む程度のことで、応急対策に過ぎず、毎年これを繰り返してもまったく意味がない、と批判している。もっと予算を単年度に集中して本格的な補修工事をするか、それができないのであれば登山者の入山規制をするべきではないかと思うが、いかがか?」

 これに対する住職の回答。「ご意見ごもっとも。しかし国からの補助金による修復事業費は、県や町のみではなく地元の寺も一定割合を負担しなければならない(注:10%前後と思われる)。三徳山の4つの寺はみな檀家が非常に少なく、毎年の負担金はこれが限度である。また、山を休ませるために入山規制も必要かもしれないが、入山参拝料(注:600円)は寺の重要な収入源になっている」。 本来は、文化、歴史、自然について語るはずだったが、つい切実なお金の話になってしまった。

 三徳山は世界文化遺産への登録も目指している。その予備軍として日本の暫定リストに「古都・鎌倉」など12件が挙げられており、さらに暫定リストに入る候補グループの内の下位のカテゴリー(II)に三徳山が位置づけられている。世界遺産の登録は、実質的には至難のことだと思われるが、それとは別に、国・県・三朝町・地元(寺など)は三徳山の保全、保護について早急に、本腰を入れて検討すべきである。

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[写真:国宝投入堂(なげいれどう、標高520 m)と、その直下まで見学に訪れる登山者(2008.10.11)]
 
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『仮屋という庇』
                             投稿日:2014/06/11、No.83

 仮屋(かりや)と呼ばれる大型の庇を最近知った。鳥取県若桜町の旧若桜宿の通りに数軒だけ残っている。普通の日本家屋の窓や掃きだしは、雨よけと真夏の日射を遮るために、奥行き45 cmから90 cm程度の庇をつけることが多い。

 ところが若桜町の仮屋は、それが1.2 mある(写真)。新潟県などの多雪地帯に見られる雁木(がんぎ)の小型版のような感じである。
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 「わかさ観光ガイド」によると、明治18年の大火の後、家の道路側には1.2 mの庇(仮屋)をつけ、そこと道路との間に幅60 cmの用水路を設けることが、若桜宿会議で決められたそうである。

 仮屋の下は私有地だが、雨や雪の日も傘がなくても歩くことができる。雨や雪は用水路に落ちる。水路はいろいろな用途があったことであろう。かつては800 mほど仮屋が連なっていたそうだが、現在は一部で保存されているに過ぎない。

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『岡山、千軒平登山』
                             投稿日:2014/06/17、No.84

 岡山県立森林公園(鏡野町)内の千軒平(せんげんだいら)に14日登ってきた。平とは言っても標高1090 mの立派な山だが(写真)、公園管理センター前の駐車場が標高840 mなので、高度差250 mの軽い登山である。トレール周辺の森林はブナ、ミズナラ、ネマガリダケ、天然スギ等が主体であった。
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 森林公園と称する施設は、国や地方自治体や民間の管理するものなど、日本全国に数多くある。それらは、野外レクリエーション、自然体験学習、生物観察、森林浴、ハイキング等の場として利用されている。

 面積で最大級の公園は、おそらく道立自然公園野幌森林公園の2053ヘクタールであろう。国営武蔵丘陵森林公園は304 ha、鳥取県立森林公園とっとり出会いの森は70 ha、鳥取市安蔵森林公園は5 haである。

 これらと比較すると、岡山県立森林公園は334 haで大きい部類の公園である。ここは遊具やレクリエーション施設があるわけではなく、自然散策やハイキングに重点が置かれている。同森林公園の北および西端、鳥取県との境界には、標高1100 m前後の山が4つ並んでおり、公園ガイド書のコースタイムを合計すると5時間半ですべて縦走できる。

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『美作の甌穴』
                               投稿日:2014/06/23、No.85

 岡山県美作(みまさか)市の山村部の地方道(余野付近)を車で走っていたとき、「小渕の甌穴群」という看板が目にとまった(写真:6月21日)。すぐに停車し、道路沿いの梶並川へ下り、あたりをじっくり観察した。看板はこれ一つだけで、ほかには何も表示がなかった。
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 甌穴(おうけつ、ポットホール)とは、「河底や河岸の硬い岩面にできる大きな円形の深い穴。(岩盤)のくぼみに小石などが入り込むと、渦流のため小石がくぼみの中を転がって、円形の穴に拡大する。大きなものは直径・深さとも数mに及ぶ。(新版 地学辞典)」

 岡山県鏡野町奥津渓や、鳥取市用瀬町赤波川(あがなみがわ)渓谷などの甌穴群はよく知られ、観光案内書やウェブサイトに紹介されている。しかし、美作の甌穴群は初めて聞いたし、案内パンフレットや諸サイトにも記述が見当たらない。

 淵(渕)とは、河川の流れが緩やかとなった深みのことを指す。たしかに写真中央に見える川は小さな淵である。しかし、側岸の岩には大小のくぼみはあるが、きれいな円形の大きな穴は見当たらない。したがって、甌穴群は水中の河床にあるのかもしれない。それは、上から見ただけではよく分からない。

 この場所は専門家の調査研究により甌穴群と認定、あるいは考えられるとされたものか、単に誰かが「甌穴だ」と言っているに過ぎないかは不明である。ただし、道路沿いに案内や広告などの看板を設置するためには道路管理者(町か村)に申請し、許可が必要であるので、個人が勝手に看板を立てたということはないだろう。すなわち誰か(何らかの団体等)が正式に許可を得たものと思われるが、それならば市・町・村とか教育委員会とか***会とか設置者の名を看板に記すべきである。

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『用瀬の甌穴』 
                                投稿日:2014/06/29、No.86 

 鳥取市用瀬(もちがせ)町鷹狩で千代川に合流する小河川、赤波(あがなみ)川中流部の渓谷に多種類、多数の甌穴がある。智頭町板井原集落に達する地方道の1キロメートルあまりの区間にて、赤波川渓谷の甌穴群を上から見ることができる。

 顕著な甌穴のビューポイントでは、簡単な解説に写真入りの看板(鳥取市)が立っている。素人には、この表示がないと、どれが甌穴なのか、どれは単なる窪みなのかの区別がつき難い。写真(2014.6.25)は、「滝壺型おう穴」と表示された縦に長い(穴の深さ、3.46 m)甌穴である。
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 いろいろな穴をじっくり観察しているうちに、少しずつ分かってきた。甌穴は必ずしも円形とは限らず、細長い形、あるいはその一部もあり得る。しかし、岩塊の一部が欠け落ちた窪みではなく、また水流や風の侵食だけではできそうもない丸みを帯びた小さな凹地形である。

 ここの甌穴群を調査した西尾・小玉(2005)によると、甌穴群が形成される要因としては、割れ目の少ない岩盤(花崗岩など)が河床に露出していること、および穴の研磨材となる握り拳大の礫が上流から供給されることが重要である。赤波川渓谷はその条件をよく満たしているそうである。

 なお、「赤波川おう穴群」は、2012年8月、鳥取市により文化財(天然記念物)に指定され、翌2013年9月、鳥取県指定天然記念物(分類:地質鉱物)となった。

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『諸寄の海食洞』
                          投稿日:2014/07/05、No.87

 世界ジオパークネットワーク加盟のジオパークは日本に6か所あり、そのひとつが山陰海岸ジオパークで、京都府、兵庫県、鳥取県の3府県にまたがる。同ジオパークは12のエリアに分割され、それぞれのエリアには見学や観光の重要地点となるジオサイトがいくつかあり、さらにサイト内の見どころがジオスポットと呼ばれることもある。

 山陰海岸ジオパークの海岸沿いのジオサイトは、鳥取砂丘を除くとほとんどすべてが岩場の海岸である。したがって、迫力ある岩壁や崖、および海水の浸食による自然の造形が多く見られる。

 サイトやスポットの名前に洞や洞門がついている場所が多くある。これらは、現在の海水面付近の岩壁に波の侵食により形成された洞窟やトンネル、あるいはそれらの天井がなくなった細い水路であり、総じて海食洞と呼ばれる。

 海食洞は、遊覧船から遠望できるところもあるが、至近距離から観察し、洞穴の中まで覗くためには、小舟で行くか、陸上のトレールをたどる以外にない。7月3日、兵庫県新温泉町からの帰途、但馬御火浦(たじまみほのうら)・浜坂エリア内の諸寄(もろよせ)漁村から海岸沿いを歩いて塩谷(しおだに)の海食洞を見てきた。

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 塩谷海食洞は、入り口は狭いが(高さ1 mあまり)、内部は6畳間程度の広さがあるように見えた。これは、「板状節理が発達した火山岩が波の力でえぐられ、洞窟になった」(山陰海岸ジオパーク推進協議会)ものである。

 なお、洞穴の内外に多数のプラスチックゴミが散見された。何でこんなところに捨てていくのか、と一瞬思ったが、この洞は大潮や高波のときには波が入り込む位置にある。だから、この場所への投棄ゴミではなく、海岸漂着ゴミと思われる。

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『北海道のエルフィンロード』
                        投稿日:2014/07/23、No.91

 札幌市内の地下鉄東札幌駅付近からJR北広島駅まで、全長18.6 kmのサイクリングロードがある。この半分の札幌市側(白石サイクリングロード)は市街地や住宅地内を通り、残りの半分はエルフィン(小妖精=エルフ)ロードと呼ばれ野幌原始林などの森林内やその近傍を走る(写真)。
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 このサイクリングロードは、旧国鉄千歳線の跡地だったが、1974年に自転車・歩行者専用道路として生まれ変わったものである。最大の特徴は、自転車道の周囲に緑が非常に多いこと、一般道路とはアンダーパスまたは橋で交差するため18.6 km区間で信号待ちの停止は1、2か所しかないことである。

 そのため、四季を通して、サイクリング(積雪時を除く)、ジョギング、ウォーキング、買い物、通勤通学、犬の散歩などに広く愛され、利用されている。札幌市内では私の好きだった場所の一つである。

 この連休に私用で札幌へ行った折、白石・エルフィンロードの10 kmほどをジョギングした(写真)。21日12:00〜13:00、気温26.1〜26.5℃、湿度46〜47%(札幌管区気象台)で、夏とはいえ汗は直ちに乾き、森の木陰に入ると爽やかな暑さであった。

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『湯梨浜の滝二景』
                        投稿日:2014/07/26、No.92

 鳥取県中部の湯梨浜町を通ったついでに、旧東郷町にある今滝(いまだき)と不動滝を見てきた(2014.7.24)。両者とも、東郷湖に流入する舎人(とねり)川の上流、標高110〜150 m付近にある。写真左が高さ44 mの今滝、右が32 mの二段滝・不動滝である。

 「日本の滝百選」に選ばれている鳥取市雨滝は高さ40 mなので、今滝はそれよりは背が高い。しかし、今滝、不動滝とも、滝は細く、滝壺が形成されていない。今滝は、鉢伏山(514 m)の北の323 m〜368 m峰を源頭とする小さな集水域で涵養されているので、年間を通してそもそも水量が少ない。とくに今年前半の鳥取市の降水量は例年より15%くらい少ないので、さらに滝は薄く、細く、先端部分はじょうろからの散水のようである。

 したがって、やや迫力に欠ける滝だが、岩壁に着生するコケや繁茂する植生は、渓谷の奥の鬱蒼とした秘境を思わせる。しかしここは、最奥の集落から裏山を車で5分、駐車スペースから遊歩道を5分でくることができる。酷暑のさなか、ひと時の清涼感を与えてくれるスポットである。
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