(NPO)氷河・雪氷圏環境研究舎

アクセスカウンタ

zoom RSS "田art;雪氷会;御嶽;茸;Gパ;木地師;若杉山;天然林;黄葉;初冬;氷河会;ベタ坂;鎌倉;銀山"

<<   作成日時 : 2014/09/18 16:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

『田んぼアート』
                          投稿日:2014/09/18、No.108
 
 岡山県美作市勝田エリアで創作された「田んぼアート」を見てきた。稲刈り前の9月6日、久賀ダムの下流側の谷あいの田んぼに絵がきれいに描かれていた(写真:久賀ダム堰堤より)。
画像

 地域の活性化をめざして活動している勝田SP(サンフラワープロジェクト)会の制作で、約14aの広さに、4種の古代米とうるち米などで色の濃淡を出しているそうである。左のYGはよみうりジャイアンツ、右は美作市のマスコットキャラクター「みまちゃん」とサッカーボールである(勝田SP会による)。

 絵画は一般に面に正対して観る。しかし、田んぼなどの「地上絵」は、上空から眺めることは稀であり、それを想定はしていないだろう。ふつうは、田の周りの少し小高い場所から俯瞰することが多いはずである。

 そうならば、そのような観覧者にとって美しく見えるように絵を画くのではないだろうか。そう思ってあらためて写真を眺めると、YGのマークは平坦に見えるが、キャラクターとボールはこちらに向いているように感ずる。遠近法をとり入れているのだろうか。田んぼアートは、デザインや配色のみではなく、絵の技法にも深みがあるようである。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『雪氷研究大会・八戸(上)』
                        投稿日:2014/09/23、No.109

 9月19日から22日にかけて、青森県八戸市の八戸工業大学(写真)にて雪氷研究の発表大会が開催された。例年と同じく、雪氷学会と雪工学会との共催である。
画像

 一年ぶりに会う多くの友人や後輩から「どうやって来たのですか?」と訊かれた。たしかに、西日本の日本海側から東北日本の太平洋側まで、経路や手段はいろいろありそうなので尋ねてみた、ということだろう。今回のルートは、鳥取-<空路>-羽田−東京-<新幹線>-八戸-<在来線>-本八戸-<バス>-工大、とずいぶん長い旅だった。

 これがもっとも単純、便利、リーズナブル価格だと、あまり深く調べずに決めたのだが、乗換えが多いこと、東京-八戸は全車指定席のため希望の列車に乗れなかったこと、等のため、本当にこの経路がベストだったかいささか疑問である。現地に着いてから思ったのだが、羽田−三沢または大阪−三沢(空路)の選択肢も検討すべきであった。

 さて、年1回の雪氷研究大会は、北海道、東北、北信越、関東以西の4つの支部を持ち回りで開催してきた。その目的は、雪氷研究と地域とのかかわりを深めること、各大学や研究機関が交代で運営に携わること、会員がいろいろな所へ行けること、等である。

 4支部が全て設立した1990年以降の大会開催地を、各支部に分けて以下にまとめてみる。
[北海道]92札幌、96北見、01帯広、05旭川、09札幌、13北見
[東北]93新庄、97鶴岡、02山形、06秋田、10仙台、14八戸
[北信越]90十日町、94金沢、98塩沢、00加賀、03上越、07富山、11長岡
[関東以西]91筑波、95名古屋、99米子、04彦根、08東京、12福山

 中谷宇吉郎生誕100周年記念の2000年加賀のみ特例とし、それを除くと4支部が順番に廻っている。

 参考のため、これ以前で、筆者が「講演予稿集」を所持している1971年以降の開催地を列挙する。
71札幌、72福島、73長岡、74国分寺、75旭川、76仙台、77東京、78福井、79名古屋、80札幌、81新潟、82盛岡、83東京、84京都、85富山、86秋田、87釧路、88東京、89弘前.

 全体を通して、会員数が多い東京と札幌は開催回数が多くなっているが、その他は1ないし2回で、日本の積雪寒冷地に広く満遍なくおよんでいる。

『雪氷研究大会・2014八戸(中)』
                         投稿日:2014/09/26、No.110

 今年の大会では、参加者総数は把握していないが、148件の口頭発表と141件のポスター発表が行われた。発表件数は、昨年(北見)とほぼ同数である。口頭発表(写真)は、3会場が併行して開かれるので、全期間すべて出席したとしても、聴くことができるのは最大1/3の50件である。
画像

 氷河や極地氷床を専門としてきたが、今年の甲信越大雪とか、雪崩や生活に関わるテーマに興味深い発表も多々あった。プログラムから選びぬき、3会場を出たり入ったりできれば良いのだが、大学の講義室ではそれがやり難い。

 口頭、ポスターとも、じっくり聴けたのは限られた数しかないので、講演予稿集から、氷河と氷床の調査・研究対象地域を集計してみた。氷試料の採集地点を含めると以下のようになった。

 グリーンランド氷床(氷帽、氷河を含む):20件、南極氷床:15、
 パタゴニア:7、ヒマラヤ:4、天山:3、シベリア:2、モンゴル:2、
 アラスカ:2、熱帯アンデス:1、熱帯アフリカ:1、立山:1.

 現地へ行かなくても、衛星データの解析で研究を行えるので、対象地域は一昔前よりやや多様になった。ただし、上記の数字は過去2、3年〜今年の研究の主体を反映していると思われるので、必ずしも近年の傾向を示しているというわけではないだろう。

『雪氷研究大会・八戸(下)』
                           投稿日:2014/09/29、No.111

 グリーンランドの氷床、およびそこから海に流れ出る氷河や独立した氷帽などの発表件数が最も多かったが、グリーンランドを含む北極では近年気象異変や氷河学的に興味深い現象が頻発しているので、ある意味それはタイムリーなことと言える。

 一昨年の夏(2012年7月12日)、グリーンランド氷床の全域にて雪が融けたことが人工衛星によって検知され、氷床内陸の気象観測でも同時期に気温が0℃に達したことが示された。これとどういう関係があるのかは明確には言えないが、北極海の海氷域の面積が、2012年9月に史上最小となった。その後、2013年9月、2014年9月の海氷域面積は、過去の平均よりは小さいが、2012年の最小値よりは復活した(NSIDC)。

 本年4月、グリーンランド氷床の北西部で掘削された雪氷試料に2012年夏の融解層が厚い氷板として認められた(本山・他)。当然そうなるとは予想されたが、実際に確認されると、なるほどそうか、と思う。

 グリーンランド北西部カナック周辺の氷帽では、衛星ALOS-PRISMの解析により、2006-2010年の平均で、年に1.8 mの割合で表面が低下している結果が得られた(斉藤・他)。この低下速度は異常に大きい。一方、同地域のカナック氷帽におけるGPSの現地測量によると2012-13年に0.2 mの表面低下が測定された(丸山・他)。両者の大きな差は、地域、時期、観測手法の相異によるものか、今後十分なる検討が必要である。

 また、グリーンランド北西部で氷床から流出する氷河にて、現地調査と衛星データ解析が行われたが、隣り合う2つの氷河で表面低下の速度が著しく異なることが明らかになった(津滝・他)。この相違は、氷河末端が陸上にあるか、海水に流れ落ちているかに起因すると考えられているが、さらなる観測と解析、考察が期待される。
画像

[写真:ポスター発表(八戸工大)]

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『御嶽山噴火』
                        投稿日:2014/10/02、No.112

 木曽の御嶽山が噴火した翌日(9月28日)、空路にて鳥取から東京へ向かった。予約していた座席は左窓側だったので、中部山岳域はところどころ雲があったが、遠くまで比較的よく見えた。火山の大噴火なら、噴煙は一般に数千mの高さに達するので、必ず視界に入るはずだと窓から凝視していた。

 だが、それらしい噴火中の山が見えない。すると愛知県付近にて、遠くの山の頂上から厚い雲が風下側に流れているのに気がついた。しかし、雲の背が低いので山に掛かる笠雲の一種だろうと見過ごし、うかつにも写真を撮らなかった。後で読んだ新聞各紙によると、噴火翌日の噴煙の高さは山頂から300 m程度だったので、機中から見えた山はほぼ御嶽山に間違いない。

 というわけで御嶽山の写真がないので、その代役として、復路(29日)に見た山梨県側の富士山を示す。右隅に見えるのは富士五湖最西端の本栖湖。
画像

 御嶽山(標高3067 m:御岳山とも表記)は、この富士山に次ぐ2番目に高い火山である。深田久弥の「日本百名山」に含まれており、山小屋も多くあり、ロープウェイや車で7合目(2150 m)付近まで上がることができるので、登山者は多い。

 ところで、地震の予知は現状ではほとんど不可能だが、火山の噴火はある程度は予測ができるようになったと思っていた。住民や観光客の避難が完璧に行われ犠牲者ゼロだった、1986年伊豆大島噴火や2000年有珠山噴火の例があったからである。

 しかし今年の御嶽山では、9月10日〜11日に火山性地震が一時的に増加し、14日以降は低周波地震が時おり発生したが、次第に減少し静穏に戻った。その後、火山性微動が発生したのは噴火の11分前、傾斜計により山側の隆起を観測したのは噴火の7分前、というまさに”直前”であった。(気象庁火山噴火予知連絡会見解より)

 特に今回の噴火は、紅葉のはしりの頃の晴天の土曜日の正午前に起こり、登山者が多く山頂付近で休憩、展望したり、弁当を食べていた時間帯であった。そのため、死者48人(2日現在)の(ほぼ)全員が登山者という過去に例がない大きな火山災害、山岳事故となってしまった。

 気象庁の「噴火警戒レベル」の発表基準を改定し、このたびのケースは、レベル1(平常)ではなく、レベル2(火口周辺規制)またはレベル3(入山規制)に上げるべきだとは思わないが、多くの人の目に触れる場所に「火山活動情報」を公表することが望ましい。それを見た人は、どうしたら良いか悩むことになるが、山に登ろうとする者は自分の責任において判断しなければならない。

『御嶽山噴火(続)』
                           投稿日:2014/10/14、No.114

 一時はスーパー台風とも言われた19号が日本へ向かっている頃(10月11日)、鳥取-東京便から、噴煙を上げている御嶽山をしっかり見ることができた。京都・滋賀あたりまでは雲の上、岐阜・愛知付近からは雲がなくなり北アルプスの山々も見えたのだが、全面にもや(靄)がかかり、コントラストが鮮やかではなかった(写真)。
画像

 この日も山頂付近で犠牲者1名が発見され、死者は計56人になった。この戦後最大の火山災害を受けて政府は、火山各所に噴石シェルター(退避壕)を整備する検討を始めたようだ。噴火は予測できないので、それならば防護施設を、ということだろう。

 火山噴火予知連絡会が、近い将来噴火の可能性があり、観測体制の充実の必要があるとして選定した47火山(下欄参照)のうち、阿蘇山、浅間山、草津白根山など約10火山にシェルターが設置されている。しかし、頑丈なシェルターは、一時的に噴石から身を守るためには有効かもしれないが、火砕流、溶岩流、有毒ガスにはまったく役立たない。

 登山者のための避難小屋(refuge)に比べ、多人数収容の立派なシェルターは桁違いに建設費用がかかる。また、暴風雨雪からの避難の場合は3、4日も待てば止むか晴れるが、火山の場合、何日、何か月続くか、今後さらに激しくなるのか分からないため、シェルターに一時避難してもその後の行動判断が非常に難しい。

 このようなハード対策ではなく、適切な「火山活動情報」をさまざまなメディアや場所に公表することは今すぐにでもできることである。活動的な火山(47火山など)を登ろうとする人たちは、天気予報を見るのと同様に、火山情報にも注視するようにすべきである。そして、多少でも危険を感じたら別の山に変更すればよいし、予定通りその火山に登りたい場合は、火口には近づかない、頂上付近には長居しない、速やかに下山できるルートを常に頭に入れておく、など種々の被害軽減策を講ずることができる。

 =======
参考]47火山の内わけ(気象庁による).

@近年、噴火活動を繰り返している:
 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、秋田駒ヶ岳、吾妻山、那須岳、草津白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、伊豆大島、三宅島、硫黄島、阿蘇山、霧島山、桜島、薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島 (23火山)

A過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められている:
 アトサヌプリ、大雪山、恵山、岩手山、栗駒山、蔵王山、安達太良山、磐梯山、日光白根山、乗鞍岳、白山、箱根山、伊豆東部火山群、新島、神津島、八丈島、鶴見岳・伽藍岳、九重山 (18火山)

B現在異常はみられないが、噴火の可能性が考えられる:
 岩木山、鳥海山、富士山、雲仙岳 (4火山)

C突発的な小噴火により火口付近で被害が生じる可能性が考えられる:
 倶多楽、青ヶ島 (2火山)

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『野生きのこ展覧』
                        投稿日:2014/10/08、No.113

 大きなテーブルの上に、色とりどり、多種類のきのこがトレーにのって展示されていた(写真)。鳥取市内にある一般財団法人日本きのこセンター菌蕈(きんじん)研究所の「きのこ祭り」一般公開(10月4日)の一会場である。
画像

 きのこを専門とする研究所なので、数多くの標本を所有していることは当然だ、と思って見ていた。しかし、これらのきのこは、乾燥ではなく、薬品に浸っているのでもなく、すべて生(なま)であった。ふつう、生のシイタケなどは、数日間も放置すると、変色したり、ブヨブヨになってしまう。

 研究所のスタッフに尋ねたところ、2日前に所員ほか大勢が、恩原高原(岡山県)、氷ノ山、八頭ふるさとの森の三か所に分かれて、展示用のきのこ採集に行ってきたそうである。山に行けばいたるところできのこを目にするが、これだけ多種類を集めることは相当の苦労があったことだろう。

 テーブル上のきのこは、腐生性と共生性の2つに大きく分けられていた。前者は樹木の倒木や落ち葉などを栄養源とするものでシイタケ、ナメコ、エノキタケ、ブナシメジなど、後者は生きた樹木の根と共生関係を保ちながら生育する菌根性(きんこんせい)でマツタケ、ホンシメジなどである(参考:林野庁林政部)。

 なお、この「きのこ祭り」には、半日で約3,000人の市民が訪れたそうである(日本海新聞)。鳥取県立博物館の常設展の年間入館者数は約35,000人で、単純に平均すると1日に100人程度である。これに比べると、菌蕈研究所の一般公開はものすごく来場者が多い。これは、ほだ木のシイタケ採り、原木販売、きのこ汁など、各種サービスが多くの人を惹きつけたに違いない。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『山陰海岸ジオパーク再認定』
                          投稿日:2014/10/20、No.115

 去る9月22日、カナダで開催された世界ジオパーク国際ユネスコ会議にて、山陰海岸ジオパークの再認定が発表された。これは、4年ごとに行われる世界ジオパークの再認定審査に合格したことを示す。

 日本ジオパークには、アポイ岳、立山黒部など29地域が認定されているが、日本の世界ジオパークは意外に少なく、洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇の7地域のみが2009年から2014年にかけて認定されている。

 ジオパークは、ジオ(地球、地質)遺産を保護・保全しつつ、それらの教育や普及、および観光事業に活用することを目指している。したがって、日本または世界のジオパークに名乗りを上げるためには、地学的価値のみではなく、地方自治体や地元社会の盛り上がりが必要である。

 今回の再認定にあわせて、山陰海岸ジオパークが鳥取砂丘の西部、青谷町と鹿野町などへのエリア拡大も認められた。その選定理由は、変化に富む海岸線(写真)、内陸部の断層、温泉、池、滝 など、および海産物・農産物の地場産品の付加価値とのことである(鳥取市経済観光部資料)。
画像

 [写真]青谷町夏泊海岸から長尾鼻(2014.9.24)

       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『木地師の道ハイク』
                           投稿日:2014/10/25、No.116

 2週間ほど前の地元紙で「木地師の作業道 トレッキングコースで復活」という記事を見た。整備されたコースは、若桜町の弁天山(標高1017 m)から三倉富士(949 m)をたどる総延長約8.5 kmとのことである。どういうルートか一度行って見ようと思った。

 木地師(きじし)とは木地屋ともいわれ、江戸時代から明治時代初年まで「手挽ろくろ」という道具を使って、お椀などの木地を作った木工職人である(木地師学会会長 楯)。木地師は良質の木材を求めて山深く分け入り、その材で、飯杓子、汁杓子、飯椀、汁椀、餅つき臼、つぼなど椀類の食器や盆類を作っていた(香美町)。材は、地域や目的により、とち、ぶな、けやき、ひのき等さまざまなようである。

 3日間続いた雨模様が止んだ一昨日(23日)、トレッキングコースの一部、弁天山までハイキングした。出発地点は若桜弁財天(標高450 m付近)、そこから江嶋神社を通り、しばらく沢沿いに歩き、途中から谷の右岸を上り、その後は尾根上の中程度の斜面を直登すると弁天山頂上に達する(写真)。上り1時間30分だった。
画像

 弁天山頂上には看板やルート標識などは何もない。三角点の小さな石柱が埋まっているだけである。山頂から若桜町側(写真の右側)は戦後の拡大造林政策により植林されたスギの人工林、南側(左側)はブナ等の広葉樹の自然林であり、その境界が非常に明瞭である。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『若杉山歩き』
                           投稿日:2014/11/01、No.117

 鳥取市の西隣り、三朝町の若杉山(1021 m)は、ガイド書に「のどかな草付き斜面の里山を登る」(『鳥取県の山』<山渓>)とか「多くの花々と大展望の山:レベル“楽勝”」(『わくわく山歩き(鳥取・岡山・兵庫)』)と紹介されており、いつか行こうとマークしていた山であった。

 紅葉にはまだ早いが、天気と都合の両者とも良い日をうっかりのがすと、寒くなりすぎたり新雪が降ってしまうので、降水確率0%予報の10月29日、若杉山の山歩きに出かけることにした。三朝町の市街から国道、県道、町道をたどり、町道終点の最奥民家が登山口である。ここが標高670 m程度なので、山は350 m登ればよい。

 途中までは、コナラ、クヌギ、アカマツなどの雑木林の中のなだらかな林道を行く。確かに、秋なのに花が多い。ところが、中腹から頂上までは、樹木は全くなく、背の低いササ(チュウゴクザサ)、ススキ、草の斜面に変わる(写真)。かつて1975年頃まで、農耕用の役牛が大規模に放牧されていたそうである。その牧場を作るために、全面的に伐採されたのだろう。
画像

 若杉山には連なる山がないこと、山頂に樹木がないことのため、頂上からの眺望は360度申し分ない。東は岡山県との県境に千軒平(1090 m)など、南はすぐ眼前に真庭市の津黒山(1118 m)、西には伯耆大山(1729 m)とその手前に烏ヶ山(1448 m)、北は日本海の海岸線と湯梨浜町など。 

 なお、「レッドデータブックとっとり」で絶滅危惧種一類に指定されている”オキナグサ”を保護するために、ロープの囲いが中腹に数箇所にあった。

 山歩きには暑くも寒くもなく、上り70分、下り45分で快適だった。

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『紅葉の天然林ハイキング』
                           投稿日:2014/11/07、No.118

 山は紅葉の盛りの11月4日、岡山県北東端の西粟倉村にある「若杉天然林」内の中国自然歩道と自然研究路(遊歩道)を、計3.5 kmほどハイキングしてきた(写真)。
画像

 ここは、「若杉原生林」とも呼ばれ、氷ノ山後山那岐山国定公園の特別保護地区であり、環境省・岡山県により良く整備・管理されている森林浴や自然探策の森となっている。

 歩道を行くとはいえ、コース上の最高点は標高1190 mなので、ちょっとした山歩きである(ただし、出発点の標高910 m)。その最高点は、山頂ではなく稜線上の肩なので、山名がなく「第3分岐点」と表示されている。もっと親しまれる名前をつければ良いのにと思う。

 若杉天然林は、少なくとも現在は「若いスギの天然林」ではない。名前の由来は調べられなかったが、その地域の名でもなさそうである。

 コース沿いで見た感じでは、多種類の樹の中でブナとスギが圧倒的に多かった。次いで、ミズナラ、カエデ、トチノキなど。ところどころの樹には名札がついていたが、それをノートにメモした数では、樹木は計33種となった。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『奈義の大イチョウ黄葉』
                          投稿日:2014/11/25、No.122

 岡山県奈義町の那岐山の裾にある菩提寺の境内には、樹高40 m、樹齢推定900年(寺の看板)の大イチョウがあり、国の天然記念物にも指定されている。葉が緑の時期には、那岐山歩きの帰途立ち寄ったことがあるが、一度、黄葉の大イチョウを見たいと思っていた。

 気象庁は、いちょうの黄葉日も観測しており、1981-2010年の平年値では、中国地方は11月10日〜20日となっている。しかし、奈義町の観光案内サイトでは、11月11日に「菩提寺のイチョウの一部が、黄葉が濃くなってきた」とあった。

 これらの情報を参考に、黄葉の盛りと予想し、昨(24)日、見に行ってきた。緑葉が少し残っているが、たしかに高さ、枝の広がりとも見事な黄葉であった(写真)。
画像

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『初冬の札幌』
                          投稿日:2014/11/21、No.121

 北大低温科学研究所にて開催された氷河に関する研究集会参加と、そのついでに札幌の小学校で南極の講演、および北大教養部の同期会出席のため、17日〜20日、札幌へ行ってきた。

 この時期は、西日本では紅葉から晩秋の頃だが、札幌は雪がまだらに積もっており、まさに初冬の光景だった。写真は、18日朝の北大キャンパス。

 札幌管区気象台によると、今年の札幌の初雪は平年並みの10月28日、積雪が始まったのは11月13日で平年より5日遅い。写真の18日は、札幌気象台の最大積雪深は5 cmであった。なお、昨日(20日)には積雪は−(なし)となった。
画像

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『氷河の共同研究集会』
                         投稿日:2014/11/28、No.123

 11月18、19日、北大低温科学研究所にて共同研究集会「氷河の流動および変動に関する研究」が開催された。今年は、日本によるパタゴニア氷河研究プロジェクト(GRPP)の初年度(1983-84)から30周年を迎えたので、それにあわせた特別セッションが組まれた。

 チリから2名の若手氷河研究者が招聘され、第1日目は、発表も質疑討論も英語のみで行われた。18日午前はパタゴニア氷河のセッションで(写真)、昔と現在の調査経過とその成果が発表された。
画像

 成瀬が、GRPP以前1967-69年の4つの隊の探検調査の概要と、それを踏まえたGRPP1983-84の立案を、安仁屋は、GRPP1983-2012の経過と主要な成果を発表した。次いで、Gonzalo Sepulveda(チリ水資源局)が、チリにおける氷河モニタリング・ネットワークについて、Marius Schaefer(チリ南部大学)が数値モデルと衛星データ解析によるパタゴニア氷河の質量収支について講演した。

 GRPPの30周年記念行事として企画されたのではなく、例年どおりの氷河共同研究集会の半日だけの特別セッションだったため、当時の関係者が多く集まったわけではない。こじんまりとしたセッションだったが、約50年間のパタゴニア(氷河、道路、観光など)の変貌と、観測技術や研究手法の進展を明らかにしたという意義はあった。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ベタ踏み坂』
                          投稿日:2014/11/13、No.119

 俗に「ベタ踏み坂」とも呼ばれ、ちょっとした観光名所になっている橋が、鳥取と島根の県境にある(写真)。これは、境港市から松江市の江島まで汽水湖の中海(なかうみ)をまたぐ全長1446 mの江島大橋である。船舶の航行のため、橋中央部の最高点は海面高45 mある。

 この橋は10年前に完成しているが、有名になったのは、昨年暮れから放映されたテレビCMがきっかけである。非常に急な坂に見えるので、アクセルをベタ踏みしないと登れないと思われたが、ダイハツの軽自動車はふつうにスイスイと走って行った、という小話である。

 坂の勾配は、江島側(写真)が6.1%であり、ランニングや自転車にとっては結構な坂だが、車にとってはどうということはない。
画像

 ついでがあったら見に行きたいと前から思っており、11月2日午後、安来からの帰途ここへ寄り道した。境港側から江島にわたり、車を空き地に停めて歩き始めたら夕立になり、写真はやや不鮮明となってしまった。天気の良い時に、もう少し遠くから、高性能の望遠で撮れば、もっと迫力のある写真が得られるのだろう。

       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『鎌倉散策』
                        投稿日:2014/12/03、No.124

 湘南にて私的な祝い事の後、11月30日、まる1日鎌倉を観光した。

 鎌倉は、南方を海(由比ヶ浜)に面し、三方は標高100 m前後の低い山で囲まれ、この地形が敵の攻撃を防御するために優れており、12世紀末、源頼朝がこの地に幕府を開いた理由の一つと言われている。

 鎌倉へは、少年期に3、4回(?)、最近は10年前に一度訪れたことがあるが、あまりにも寺社の数が多く、どこを見物したのかは大仏を除くと記憶にない。そこで今回は、古都の周囲の丘陵の一部をたどるハイキングを含めることにした。
画像

 江ノ電長谷駅から出発し、高徳院の大仏の奥から裏山(写真)を上り、標高100 m以下の山をアップダウンし、銭洗弁財天から街に下り、鎌倉駅に達する約3 kmのコース、所用1時間半だった。紅葉の時期の好天の日曜日、急な坂道では行列ができるほど、多くのハイカーや観光客と行き交った。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『石見銀山』
                          投稿日:2014/12/18、No.127   

 山口県萩からの帰途、島根県の石見銀山を見学した(12月8日)。ここへは、世界文化遺産に登録される5か月前の2007年3月と、登録後の2011年に来たことがある。世界遺産の観光地として施設やシステムがどう変化したのかと思っていたが、外見的には3年前と変わりはないようだった。

 石見銀山には、通気、排水用、試掘を含めて大小600箇所の坑道(間歩、まぶ)があったそうだが、現在一般に公開されているのは龍源寺間歩の長さ157 mだけである(写真)。
画像

 銀山地域は観光用自動車の乗り入れが禁止となっているので、間歩内部を見学するためには、公共駐車場から片道2.3 km、往復約1時間半歩くことになる。遊歩道沿いの自然や史跡も世界遺産の一部なので、このアプローチは意味がある。

 世界遺産になると、観光客が増えすぎるとか、維持管理が大変になるとかよく聞くので、石見銀山はどうなのだろうと思っていたら、「日本の世界遺産一覧」というサイトに「世界遺産観光客数ランキング」という記事を見つけた。観光客数の集計(推定)方法はそれぞれ異なるだろうから、厳密には比較ができないが、それをふまえた上でランキング(2006〜2009年度データが混在)を見てみよう。

 1位京都(年間約4690万人)、2位奈良、3位日光(約643万人)までは当然か。次いで、白神、厳島、琉球、白川、原爆、知床、10位に姫路城、法隆寺、12位が石見(約56万人)となっている。その後、屋久島、紀伊が続く(平泉、富士山、富岡、小笠原は含まれていない)。

 かなりの注目を集めた屋久島が下位なのが意外だったが、離島なのでこんなものかもしれない。厳島へ行くためには広島市を経由するので、原爆ドームはもっと上位に来てもよいのではないかと思う。石見銀山と紀伊熊野古道は、やや華やかさに欠けるので順当な結果かも知れない。世界遺産は、一時的なブームで沸くより、地道に永く多くの人に関心を持たれつつ、保全されることが重要である。




月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
"田art;雪氷会;御嶽;茸;Gパ;木地師;若杉山;天然林;黄葉;初冬;氷河会;ベタ坂;鎌倉;銀山" (NPO)氷河・雪氷圏環境研究舎/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる