大阪博館、京小径、鹿野断層、日御碕、弥生遺跡、井倉洞

『大阪の博物館巡り』
                 投稿日:2015/01/24、No.135
 よその都市や町へ旅行した際、主たる目的(用件)の前後に時間の余裕ができた場合、まずは景勝地、公園、庭園、史跡などの見物を考える。しかし、時間が限られていたり、天気が屋外散策向きではないときは、しばしば博物館を訪れる。

 別に博物マニアとか、研究への参考にというわけではないが、地方の博物館では多くの場合、その地域独特の人文と自然の歴史が概観できるので、面白いと思うか、あるいは何か新しいことを知る喜びがある。

 去る1月11日は大阪万博公園内にある国立民族学博物館を、12日は大阪城近くの大阪市立歴史博物館を見学した。

 博物館は一般に、学芸員等が研究活動をも行うが、民族学博物館は文化人類学・民族学の研究と教育が主で、その成果を展示公開している特異な博物館である。同館の地域展示では、オセアニアを出発して、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、東南アジア、中国、朝鮮、日本と、東回りに世界を一周する構成になっている。
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 各地域では、人びとの暮らし、具体的には衣食住などの生活用品と祭、音楽、宗教に関わる展示となっている(写真)。時間軸に沿った民族の盛衰や特徴の解説はないが、世界各地の「小物」を見て回ることは楽しい。

 一方、大阪歴史博物館では、(10階)「古代(難波宮)」、(9階)「中世・近世」、(7階)「近代・現代」の流れで「都市大阪のあゆみ」が展示されている。じっくり観賞するためには最低2時間は必要である。今回は下見の駆け足とし、いずれゆっくり訪れようと思う。

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『京都小径散歩』
                投稿日:2015/02/01、No.137

 加賀の南極OB会に出席する前日(25日)、京都を半日観光することにした。

 札幌在住時の1980-90年頃は、パタゴニア氷河の研究リーダーが京大にいたので、平均すると1年に1回は出張で京都に来ていた。それ以降は、通過はしばしばあるが、市内に数時間以上滞在することは2、3年に1回程度であった。

 このような機会に、時間があれば努めて社寺や諸施設を見物、見学したので、京都市内の著名な観光スポットは大体(半分以下かも知れないが)行ったことがあるように思った。

 そこで今回は、銀閣寺から南禅寺まで「哲学の道」を、さらに南へ「ねねの道」を通って清水寺まで約4 km強を散歩した。

 もともとは「思索の小径」と呼ばれていたという「哲学の道」は水路(疏水)に沿った石畳または未舗装の遊歩道であり、北政所に由来する「ねねの道」は郷土雑貨店や食べ物屋がびっしり並んだ観光歩道であった。
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 南禅寺の境内で、ヨーロッパ中世の古城の門か橋の一部のようなレンガ造りの構造物があった(写真)。

 私は初めて見て、知ったのだが、これは水路閣と呼ばれるもので、琵琶湖の水を京都市内の生活、灌漑、防火、水力等に利用するための疏水(運河)の一部である。1890年(明治23)完成したこの水路橋は、南禅寺境内を通過するため景観に配慮して、アーチ型橋脚の風格ある建造物を設計したそうである。

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『鹿野断層』
                  投稿日:2015/02/05、No.138

 1943年9月10日の鳥取大地震(震源:鳥取市西部、M7.2、死者1,083人)の際に発生した地表面の断層の一つが、鳥取市鹿野町で見られる。
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 写真は、末用(すえもち)地区の民家の前の小道に沿う用水路である(2015.2.2)。地震前は、写真の矢印が1本の線となるよう手前から奥へ真っ直ぐ流れていたが、地震により奥(北)側が右(東)へ1.2 mずれ、水路は写真に示すように鉤型に曲がったのである。

 同時に断層を境に北側が約0.75 m低下し、水路に段差が生じた。水路の左側の民家の直下に断層が走ったが、家屋は倒壊しなかったそうである。この断層は、ほぼ東西方向に約8 kmにわたって出現した(西田良平、2010)。

 この写真の地点が、「鹿野地震断層の痕跡」として鳥取県の天然記念物に指定されている。また、昨年9月、山陰海岸ジオパークが再認定されたとき、青谷町と鹿野町など西部へのエリア拡大も認められた。その理由の一つに鹿野断層も含まれている。

 ジオパークの一部という位置づけなら、「ずれた水路」の1か所ではなく、数km離れた場所で、断層を示唆する小地形か地層の断面を観察、見学できるスポットがあると良い。

 実際は私有地であったり、田甫だったりのため保存や公開は難しいのかもしれないが、断層は一点のみを見るのではなく、空間的な広がりを認識することが重要である。

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『島根半島の日御碕』
              投稿日:2015/02/14、No.140

 島根県東部の島根半島は、本土から海に突き出た一般的な「半島」ではなく、出雲から美保関にかけて、宍道湖と中海を包むような陸地の一部である。半島とは、「三方を海に囲まれて海に突き出した陸地」(地学辞典)だとすると、島根半島は半島とは言えない。

 しかし、大きな湖の中で「半島」と称している場所も国内外にたくさんあるので、上記の定義の「海」は「水域(海、湖沼、河川など)」と読み替えるべきなのだろう。そうすれば、島根半島は斐伊川-宍道湖-大橋川-中海-境水道を経て美保湾につながるので、れっきとした「半島」となる。
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 さて、その島根半島の付け根の西端が日御碕(ひのみさき)で、「出雲おすすめ観光スポット」には必ず載っている名所である。[写真:出雲大社付近から日御碕方向をみた海岸(2015.2.11)]

 この地域の見どころはいくつかあり、一つは、江戸時代初期に建てられた社殿14棟が国の重要文化財に指定されている日御碕神社。さらに、岬には明治期建設で灯塔が日本一高い(43.6 m)日御碕灯台、また日本で最も初め(大正期)に「ウミネコ繁殖地」として国の天然記念物に指定されたウミネコの越冬地がある。

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『弥生時代の銅剣遺跡』
                 投稿日:2015/02/20、No.141

 宍道湖周辺の観光マップに荒神谷(こうじんだに)遺跡というマークを見つけた。土器や石斧が出土しただけの遺跡なら、日本中いたるところにたくさんある。しかし、荒神谷には博物館が併設してあった。それならば、私が知らなかっただけで、歴史的に意味のある、重要な遺跡なのだろうと、敢えて予備知識を仕入れずに立ち寄ってみることにした。

 出雲市斐川町の荒神谷遺跡公園へ入るとすぐ、国指定史跡の遺跡があった(標高22 m付近)。そこは、1984年に358本の銅剣が発見された谷あいの南向き斜面であり、出土した状況を再現するため、銅剣358本のレプリカが4列に並べられ、その右に銅鐸5個、銅鉾16本のレプリカが展示されている(写真:2015.2.12)。
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 剣だが、戦に使ったものではない。4列に整然と並べて置かれていたことから、何らかの「儀式」のために埋設されたと考えられている。「これらの銅剣は、出雲で製作された可能性が高く、製作年代は紀元前2世紀末から紀元前1世紀、埋納された時期は紀元前後から紀元後の1世紀と推定されます」(足立克己、2012)。

 埋納時期が紀元0~100年ということは、同じ弥生時代の妻木晩田(むきばんだ)遺跡(鳥取県大山町)や青谷上寺地遺跡(あおやかみじち)遺跡(鳥取市)よりやや古い。

 弥生時代の自然環境を大ざっぱに言うと、縄文時代に陸地の奥深く入り込んだ海岸線が後退し、出現した湿地や沖積平野で水田稲作が行われた。標高数メートル前後の斐川町平野部も稲作に適していたのだろう。

 しかし、荒神谷博物館のスタッフに尋ねたところ、この地域周辺では大部族の集落を示唆する物や、住居跡や人骨などは全く見つかっていないとのことである。このような多数の青銅器を、どこから、どういう人たちが、何のためにここに埋納したのかは、ほとんど解明されていないそうである。

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『井倉洞(鍾乳洞)』
           投稿日:2015/02/24、No.142

 岡山県北部の新見市、高梁川上流の石灰岩カルスト台地に井倉洞(いくらどう)がある。その鍾乳洞の出入り口は、高さ240 mの岩壁の途中にあり(写真:2月22日)、入口が下、出口が上なので、洞内で登ることになる。
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 鍾乳洞内の観察路は全長1200 mと、かなり長い。例えば、様々な点から日本のトップクラスの秋芳洞(山口県)は、総延長は約10 kmと言われているが、一般観光ルートは1kmである。ただし、井倉洞1200 mの約1/3は、歩行者用に掘られたただの通路(トンネル)である。

 井倉洞の特色は、洞内に落差50 mの滝があることである。冬のこの時期は水量が少なかったが、多いときなら迫力があるに違いない。観察路は、その滝の下部から上部へ、高低差およそ90 mを階段とスロープで登る。

 鍾乳洞内の主要なスポットに、**池とか##滝とか++千畳敷とか名付けるのはまあ良いが、ここ井倉洞には、銀すだれ、化粧褌、くらげ岩、だるま大師、月ロケット、地獄の釜、スフィンクス、等々の標識が多く目障りだった。こういう名札はもっと控えめにして、観察者のイマジネーションに任せれば良いのに、と思う。




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