西表島;08新年、海岸ゴミ、USA院、雪氷災害調査、桜 

No.1618 石垣島から西表島へ     成瀬廉二、2007/12/01(Sat)
 11月18日、和歌山県の山間の温泉で第10次南極観測隊(1968-1970)のOB会があり、続いて23日、沖縄にて第34次南極観測隊(1992-1994)のOB会が開かれ、出席した。
 せっかくのチャンスなので、その間の4日間、那覇から脚を伸ばし、石垣島-竹富島-西表島へ行ってきた。

 西表島の道路のあちこちに、「注意!イリオモテヤマネコが飛び出す!」の看板を見てなるほどと驚き、夜はペンション街にて環境省の宣伝カーが「ヤマネコは夜行性です。夜は徐行してください。怪我をしたヤマネコを見かけたら直ちに野生生物保護センターに連絡して下さい」と、通報して廻っていた。

 イリオモテヤマネコの生息数は約100匹と推定されているそうである。まさに、絶滅の危険領域に入っているようだ。

 話は地球の裏側へ飛ぶが、アルゼンチン・パタゴニアの氷河国立公園では、20-30年前、開拓牧場主が牧場を放棄して引き揚げるとき牛をそこに放置したため、野生化した牛が増え続け、現在では約5,000頭と推定される、と聞いた。

 同じ国立公園ながら、一方は絶滅の危機、一方は増えすぎた野生化家畜による自然破壊が深刻、と皮肉な現象が起こっている。

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  写真:西表島、浦内川のカンピレーの滝

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新年を迎えて (2008年1月1日) 

     成瀬廉二、2008/01/01(Tue)、 No.1621

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 明けましておめでとうございます。

 NPO法人 氷河・雪氷圏環境研究舎は、設立から2年、活動開始から1年半を経過し、多くの方々のご支援、ご協力により徐々に所期の目的に適う活動を推進、展開できるようになりました。

 これからも、氷河および雪氷圏から見た地球環境の諸問題を冷静に捉え、ともに考え、正しい、的確な情報を広くお伝えするよう努力する所存です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 なお、「情報の広場」は、2008年は週1回(水曜を基準日)、レギュラー投稿者による連載を予定しています。連載と言っても続き物というわけではなく、その時々の単発の話題が中心です。

 一般の投稿は、従来どおり自由です。会員、非会員を問わず、いつでも、何でもご寄稿下さい。とくに、「連載」に感想、コメント、質問等を歓迎いたします。

[レギュラー投稿者]
松岡健一(ワシントン大学 地球宇宙科学科)
金森晶作(北海道大学 低温科学研究所)
澤柿教伸(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)
山口 悟(防災科学技術研究所 雪氷防災研究センター)
青木賢人(金沢大学 文学部史学科)
矢吹裕伯(海洋研究開発機構 地球環境観測研究センター)
白岩孝行(人間文化研究機構 総合地球環境学研究所)
田中卓実(鳥取県生活環境部 水・大気環境課)
内藤 望(広島工業大学 環境学部)

 [写真]鳥取城跡(2008.1.1、09:30).今も深深と降っています.

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山陰海岸の漂着ゴミ 

                 成瀬廉二、2008/01/28(Mon)、 No.1630

  昨年秋、鳥取の環境NPO主催で行われた海岸漂着ゴミのクリーンアップ活動、および先週末の報告展示会とフォーラムの実施に携わった。

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 この事業は、単に海岸の清掃ということではなく、収集したゴミの種類を仕分け、数をかぞえ、ゴミの発生起源、原因、影響を探ろうというものであった。

 回収されたゴミは、プラスチックや発泡材の破片、木片、ペットボトル、びん、缶、漁具、魚網、ロープ、靴、サンダル、電球、等々、実に多種、雑多であった(写真)。

 町内や公園でよく行われる一斉清掃で収集されるゴミのほとんどは、そこを通過または滞在した人が投げ捨て、または放置していったものである。

 それに比べ海岸ゴミは、大半が遠くから流れてきた物品である。漁業関係の用具が多いことから、日本または外国の漁船から捨てられたことが窺われる。

 また、ハングル、中国、ロシア文字のラベルがついたものも多く見られ、外国の海岸、あるいは沖合で投棄されたゴミも含まれているのであろう。これらの廃棄物の内、密度が低く、水に溶けない物が対馬海流により流され、北西の季節風により山陰海岸に吹き寄せられている。

 定期的な海岸清掃は必要だが、この漂着ゴミ問題の根本的な解決は、各国の国民や海洋関係事業者が「海洋汚染の防止に関する条約」(1996年)を如何にきちっと遵守するかどうかにかかっている。

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アメリカの大学院 

               松岡健一 、2008/03/17(Mon)、No.1655

雪氷と直接関係ない話題で恐縮ですが、今度の9月の新学期に入学となる大学院生の選考で忙しくしておりましたので、それに関連してアメリカの大学院事情を少しご紹介したいと思います。アメリカのと書きましたが、私が知っている範囲の、私の勤務先での経験に偏った記述になることは、お含み置き下さい。

アメリカの大学院入試は、日本の大学院入試よりも、むしろ企業の新入社員選考に似ています。実際、Teaching assistant/ research assistant (TA/RA)という名のStudent employeeを雇い、給与を払います(大学院生=TA/RAではナイですが、よくなの知れた大学院で基礎科学の大学院だと、大学院生=TA/RAが普通です)。そのため、願書の締め切りもあってないようなもの。12月に締め切りがあり2月には大体の採用を終えていますが、夏ぐらいにいきなりコンタクトしてきた人を採用することも可能です。すなわち、こちらが採りたい人材が採れるよう、制度として柔軟に設計されています。

筆記試験はありません。大学の成績(GPA)、統一試験(GRE)の成績、推薦書、ご本人のエッセーで選抜します。選抜の過程で必要があれば電話でインタビューをすることも自由。実際に会って面接することも自由です。

実際に試験に赴く訳ではありませんし、出願料もうろ覚えですが70ドルぐらいですから、皆さん当たり前のように併願します。そして、優秀な、こっちが欲しくてたまらない学生さんには多数の学校から入学許可(Admission offer)がいくことになります。

こうなると、立場は逆転。こちらは学生さんに選ばれる側に回ります。そのため、有名どころの大学院は旅費丸抱えで入学許可を出した人をキャンパスに招待することになります。1日半、多くの教官に会っていただき、施設のツアーをして、関連する学科等の紹介も織り交ぜ、と言う具合にオープンハウスが始まります。学生さんは複数のオファーを保持できますが、全米の協定で4月上旬までにはただ1つの行き先を選ばなくてはいけなくなっています。大雑把に、倍率は10倍を超えますが、歩留まりも50%ほどというのが、所謂有名校の相場でしょう。

私の知っている5年ほど前までの日本とはだいぶ事情が違うようですが、なぜでしょうか?一番の理由は、アメリカは学位社会だということです(**大学卒ということではなく、理学士か、理学修士か、理学博士かということが効いてきます)。日本だと博士は「足の裏についた米粒」とまで揶揄されますが、アメリカでは、大学院教育に費やした金銭的な投資が、将来の高級という形で投資として報われる制度になっています。そもそも、投資と言ってもTA/RAとして大学に雇われると、学費は免除(我々の研究費で肩代わりします)のうえ給与(ピンキリですが私の学科では月1600ドル)が出ますから、4年制大学を出てすぐの5、6年で稼ぐであろう給与と、大学院生の給与の差額だけが投資という訳ですから、投資額は高々しれています。

アメリカの給与の相場はこんな感じです(平均であって最頻値でないことに注意)。学生係から回ってきたメールの引用ですので、統計の中身に立ち入った検証はしておりません、あしからず。


Re: アメリカの大学院

                  松岡健一、2008/03/17(Mon)、 No.1657

給与の相場は、記事の一番上の名前やタイトルの横にある家のマークをクリックしていただくと、リンク先でみていただくことが可能です。一応、主立った数字をコピペしておきます。

数字が順に、大学卒業、修士修了、博士終了です。

経験年数0-2年
$ 76,500 $ 83,300 $ 90,000

経験年数6-9年
90,000 99,700 98,500

経験年数25+年
145,300 148,200 168,000

注意:これはgeologistの平均ですが、アメリカの地質関係の学生の大きな就職先は石油会社です。彼らは僻地勤務などがある代わりに、驚くぐらい高給です。そういう僻地勤務にいくのは学部卒の方が多い(もっとseniorな仕事になると国内勤務になる)ですから、実際よりも学位による給与差が小さく見える、そういう高給取りに引っ張られ、メディアンよりも随分と平均値は高くなっている、という印象が強いです。なお、羨ましがられる前に書いておきますが、大学教員の給与はこの相場からみればMiserableです(とりわけ、私の勤務する某大学は低いことで有名)。

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雪氷災害調査チーム研修会 

               澤柿、2008/04/14、No.1663

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週末の12-13日に,雪氷学会北海道支部が主催している雪氷災害調査チームの研修会が開催されました.この調査チームは昨年11月に雪氷研究者と山岳ガイドの混成チームというユニークな構成で発足しました.

チーム発足直後の昨年11月に十勝連峰で雪崩事故が続発したため,体制も整わないうちから本格的な活動を強いられてきたわけですが,メンバーのスキルの高さに支えられて一定の評価を得られるような活動を行うことができました.

しかし,現場に赴く専門家とそれをサポートする登山ガイドとの連携のあり方については解決すべき課題も多く,チームとしてより実のある活動を展開していくために,雪山の現場で研究者とガイドとの合同の研修会を開催する運びとなったわけです.

この氷河・雪氷圏環境研究舎のように「雪氷圏」や環境の諸問題を広く一般市民等に伝えることを目的とするNPOはいくつかありますが,一線の研究者の啓蒙意識はそれほど高くはありません.このような活動が研究業績として評価されることがあまり期待できないのがその一因ではないかと思います.北大低温研にはかつて雪害部門というのがありましたけれども,世界的な一級の研究を目指すという大義名分の中で,研究はよりアカデミアと先端プロジェクトに傾倒し,社会貢献面が手薄になってきているように思います.調査チームのような活動に参加してもらえるような若手の教育の場も失われつつあるのも,この分野の抱える問題点のようにも思います.

調査チームの活動はそのような部分を補う意味で期待される面も大きくなっています.多くの専門家・防災関係者のご理解とご協力をお願いするとともに,あらたな担い手の参画を期待したいと思います.

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さくら満開 

               成瀬廉二、2008/04/09(Wed)、No.1661

 私の観察による鳥取城址周辺の桜満開は、先週末の4月5日だった(写真)。

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 気象庁(報道発表資料、20.4.2)によると、開花とは「(桜の)花が5~6輪開いた状態」、満開とは「花芽の約80%以上が開花した状態」で、ソメイヨシノでは開花から満開までは5~7日程度だそうである。

 鳥取地方気象台のソメイヨシノの標本木は、この城跡のまわりの堀端にある。気象台観測の開花日は3月29日、満開日は4月4日だった。

 なお、東京(靖国神社境内)では、3月27日に満開が観測され、これは平年(1971-2000年の平均)より9日早く、過去10年間では最も早かった。

 

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