スイス氷河;エクアドル・ペルー・ボリビアの氷河

スイスの氷河が10年で12%を損失.   杉山 慎、2009/06/24、No.1805
こんにちは、北大低温科学研究所の杉山です。
この夏は氷河の観測でスイスに来ています。
昨日、スイスの共同研究者たちが、
表題のような研究結果をプレスレリースしました。
最近10年(1999-2008年)でスイスの氷河が失った氷は、
全体積の12%にのぼるとのことです。

氷河の体積は、面積や長さよりもずっと調べにくいのですが、
スイス国内にある氷の全体積とその変化を、
正確に見積もった点が注目されています。
ちなみにスイス国内の氷河体積は74立方キロメートル。
琵琶湖3杯分くらいですね。
写真は全体積の20%以上を占めるアレッチ氷河。
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この研究では、普通は簡単に知ることのできない氷河の厚さを、
氷河表面高度の変化、推定される氷の流動量から計算しています。
詳しく知りたい方はこちらの文献をどうぞ。
Farinotti, D., Huss, M., Bauder A., and Funk, M. (2009)
An estimate of the glacier ice volume in the Swiss Alps. Global and Planetary Change.

私たちが研究の対象にしているのは、
末端に湖ができて後退の進むローヌ氷河です。
http://wwwice.lowtem.hokudai.ac.jp/~sugishin/photo_album/rhone2008/rhone2008.html
天気が許せば明日から観測にでかけてきます。


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エクアドルの氷河 (1)  

                 水津重雄、2009/07/24、 No.1840

 新入会員の水津です。JICAのアンデス熱帯氷河の調査で、エクアドル、ペルー、ボリビアの氷河に行ってきました。3国とも赤道に近く、氷河は高標高にあり、末端の高度は5000m前後です。

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 エクアドルの氷河はほとんどが火山にかかる氷河で、氷帽と溢流氷河の組み合わせが一般的です。写真01は、北側から見たCotooaxi山と氷河です。きれいな成層火山に氷帽と溢流氷河がかかっています。新雪のため、氷河以外も白く見えています。(JICA提供、水津撮影) 新入会員の水津です。JICAのアンデス熱帯氷河の調査で、エクアドル、ペルー、ボリビアの氷河に行ってきました。3国とも赤道に近く、氷河は高標高にあり、末端の高度は5000m前後です。

 エクアドルの氷河はほとんどが火山にかかる氷河で、氷帽と溢流氷河の組み合わせが一般的です。写真01は、北側から見たCotooaxi山と氷河です。きれいな成層火山に氷帽と溢流氷河がかかっています。新雪のため、氷河以外も白く見えています。(JICA提供、水津撮影)


エクアドルの氷河 (2) 

                      水津重雄、2009/07/25、 No.1842

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 写真(上)は、Cotopaxi(コトパキシ:No.1840のCotooaxiは誤り)山の一つの氷河の末端で、横から見ることができました。写真右側の氷の屑は側壁が崩壊したものです。Cotopaxi山は、エクアドルの首都キトの南75km、南緯0度40分にあり、標高5,897mです。

 写真(下)は、キトの南南西150km にあるChimborazo(チンボラソ)山の氷河です。Chimborazo山は標高6,268m、世界で一番高い火山です。氷河は断続的です。この写真も新雪が積もっているので、氷河と積雪の区別がつきにくいです。
 (JICA提供、水津撮影)


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ペルーの氷河 (1) 

                 水津重雄、2009/07/27、No.1847

 ペルーではCordillera Blanca(ブランカ山脈)の氷河を視察に行きました。

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 写真01はCordillera Blancaの中心都市であるHuaraz(ワラス)の町から見たHuandoy(ウアンドイ:中央左、標高6395m)とHuascaran(ワスカラン:右、6768m)です。

 写真02はLlanganuco(ヤンガヌコ)谷を下流から見た写真です。1970年に、中央奥の谷の右側にあるHuascaran北峰の氷河が地震で崩れ、雪崩が岩石と一緒に流れ下りました。ここでは、1962年の雪崩で4,000人の死者を出しており、住民は移住していて、被害にあった人は多くはありませんでした。しかしながら、雪崩の一部は奥の谷の前の尾根を越え、写真の左側に位置するYungay(ユンガイ)の町を襲い、町をほぼ全滅させ、18,000人が亡くなりました。

 
ペルーの氷河 (2)

               水津、2009/07/29、No.1854

 写真03はHuascaran(ワスカラン)北峰(6655m)です。1970年の災害は、この氷河が崩れて雪崩が発生したのかもしれません。

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 Llanganuco(ヤンガヌコ)谷の上流にも氷河湖があります。写真04は、上流側から見た写真で、手前がOrconcocha(オルコンコチャ)湖、奥がChinancocha(チナンコチャ)湖、右の山はHuandoy(ウアンドイ)山です。Chinancocha湖の流出口にはフリューム(人工水路)が作られ、流量が観測されています。

 
ペルーの氷河 (3) 

                       投稿者:水津重雄、2009/07/30、No.1856

 写真05はLlanganuco谷の上部を見た氷河です。左からChopicalqui山(写真外、チョピカルキ)、Huascaran南峰、北峰で、それらから流れ下る氷河が見えます。氷河の末端部はモレーンに覆われほとんど流動していないようです。氷河表面はサイド・エンドモレーンよりも低く、氷河は後退中と考えられます。エンドモレーンを超えて水が流れ出ていますが、後退がさらに進むと、氷河湖が形成されるかもしれません。

 写真06(竹中修平氏提供)は、前の写真とほぼ同じ方向から1979年7月に撮影されたLlanganuco谷上部です。現在(2009年)では氷河下流部の表面が低下し、表面モレーンに覆われていることがわかります。

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 写真07は氷河湖の一つParon湖です。Paron湖にはGLOF(氷河湖決壊洪水)を防ぐために、水位を調整する長さ1261mのトンネルが1984年に掘られました。

 写真08(JICA提供、水津撮影)はそのトンネルの排水口で、流量観測のためのフリューム(人工水路)が作られています。また湖のモレーンの自然堤防の上には、余水吐きとして水路が作られています。

 
ペルーの氷河 (4)  

                     水津重雄、2009/07/31、No.1861

 写真09はHuaraz(ワラス)の町のすぐ上流にあるLlaca(リャカ)湖です。湖の奥には氷河が接しています。また、Huarazの町をGLOF(氷河湖決壊洪水)から守るために作られた堤防と排水路が見えます。

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 写真10(竹中修平氏提供)は、ほぼ同じ所から1979年7月に撮影されたLlaca湖です。これと比べると、2009年(写真09)には湖が拡大し、奥の流動していないと思われる氷河の表面が低下していることが確認できます。

 写真11 (JICA提供、水津撮影、2009年3月)ではLlaca湖の奥半分に氷が露出していることが確認できます。氷の高さは低く、間には池がたくさんあり、流動していないと考えられます。


ペルーの氷河 (5) 

                  水津重雄、2009/08/01、No.1863

 写真12(竹中修平氏撮影)は1979年7月のLlaca(リャカ)湖の奥の氷河です。左がOcshapalca山(標高5888m)、右がRanrapalca山(6162m )です。

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 ほぼ同じアングルの2009年3月の光景を写真13(JICA提供、水津撮影)に示します。アイスフォールの右岸側の壁にかかる氷河がなくなっています。また、写真の下部1/3ぐらいの氷河表面が低下しているように見えます。

 写真14 はLlaca湖の高さ10mの人口堤防です。水位を下げるため、1977年にモレーンを開削し、カルバート(排水路、暗渠)を入れ、その上に人工的な堤防が構築されました。
                           
         (おわり)

[エクアドルの氷河(No.1840, 42)、ペルーの氷河とも、水津氏から写真と説明文が送付され、レイアウトと編集を成瀬が行いました]

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ボリビアの氷河 (1) 

                    水津重雄、2009/11/04、No.1949

(写真上)
 ボリビアの実質的な首都ラパスからみた明け方のイルマニ山の氷河です。

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(写真下)
 かっては世界で一番高いスキー場として有名であったボリビアのチャカルタヤ山です。1980年頃には、山頂から写真を撮影した場所まで氷河が広がり、リフトもあり、氷河の上でスキーができました。左上に見えるのはロッジです。2009年に氷河は消滅し、写真で見えているのは氷河ではなく積雪です。もともと小さい氷河ですが、温暖化の象徴としてよく取り上げられます。
(写真と文:水津重雄[JICA基礎情報収集・確認調査])

 
ボリビアの氷河 (2) 

                   水津重雄、2009/11/05、No.1950

(写真上)
 チャカルタヤ山より見た、ボリビアで最も氷河が集中しているリアル山脈の氷河です。左からイランプ、チャチャコマニ、コンドリリ、トゥニ氷河で、この右側に次に示すワイナポトシ山があります。

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(写真下)
 ワイナポトシ山とお墓です。この山の手前側の氷河からの融解水はラパス市の生活用水の水源となっています。

 (写真と文:水津重雄[JICA基礎情報収集・確認調査])

 
ボリビアの氷河 (3) 

                     水津重雄、2009/11/06、No.1953

(写真上)
 ワイナポトシ山にかかるソンゴ氷河です。前の写真の右側面の氷河です。この氷河はボリビアで最も調査が進んでいる氷河です。こちらの氷河からの融解水はアマゾン川に流れ込みますが、下流には10の水力発電所があり、ラパス市に電力を供給しています。写真の右下にCOBEEが見えますが、発電会社の看板です。

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(写真下)
 ラパス市の水源のコンドリリ氷河とカレン・コタ湖です。コンドリリはコンドルが翼を広げた様子に似ているので名付けられたということです。

  (写真と文:水津重雄[JICA基礎情報収集・確認調査])

              {おわり}


 


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