ブナ林;水草;紅葉氷ノ山;那岐山;ナラ枯;らっき;ブナシンポ;梅

大山ブナ林の自然歩道ハイク    成瀬廉二、2009/07/14、No.1812
 昨(13)日、伯耆大山の北側中腹、川床(標高700m)から大休峠(1100m)まで往復8 kmを散策(hike)した。全行程、ブナ、ナラ等の原生林である。

 この登山道は、中国5県を通してつながる総延長2000 km超の中国自然歩道の一部である。鳥取県内では、西の皆生温泉から、大山、倉吉周辺、三徳山、鳥取砂丘、久松山、扇ノ山、南東端の芦津渓谷周辺へと伸びており、このうち登山道・歩道として整備されている区間は計約130 kmである。
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 標高1000 m付近では、ブナ林の中に石畳の道があった(写真)。石が磨かれ、角がとれ、苔むして、周囲の土としっかりなじんでいる。この道は、慶長年間(1600年頃)に大山参詣のために造られた石畳道であることを知った。その一部を現在の自然歩道に利用しているである。人里から遠く離れた山の中にも、こんな立派な石畳の道を造成した宗教の力に感心する。

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氷ノ山ブナ林の自然遊歩道. 

                       市谷年弘、2009/07/15、No.1816

 実は、わたしも氷ノ山のブナ林帯の遊歩道を、響きの森主催の植物観察会に参加したところでした。

 ブナ林には、共通して低木のクロモジというクスノキ科の植物が林床植生として生育します。このクロモジは、高級な爪楊枝として使用されたりします。
 
 氷ノ山には、写真のハナイカダという若芽を天ぷらして食べると美味しい葉っぱもあります。
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湖山池の水草

                   成瀬廉二、2009/07/05、No.1806

 昨日、鳥取市内の湖山池の湖畔を通りかかったとき、岸から湖の中央にかけて一面水草に被われた異様な光景にびっくりした(写真)。
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 湖山池は周囲16 km、面積7平方kmで、池と呼ばれる湖では日本最大である。鳥取大学と鳥取空港を隔てて日本海に隣接し、湖面標高0 m、海水が多少混入する汽水湖である。

 湖山池の水草はヒシという一年草で、菱形の葉が水面に広がる。その繁茂域が拡大すると、湖水の循環が妨げられて水質が悪化し、さらに腐敗により悪臭という新たな問題も生じている。

 鳥取県は今年度、湖山池ヒシ除去事業として1500万円の予算措置を行った。近年、湖山池はヒシ問題のみではなく、湖水の富栄養化や様々な水質悪化、およびゴミ散乱が大きな問題となり、行政やNPO、ボランティア団体が改善に取り組んでいる。しかし、根本的な解決には遠い様である。

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秋のブナ林探策会          

                      成瀬廉二、2010/10/10、No.2094

 昨日(10月9日)、鳥取市東南東の扇ノ山中腹において、『河合谷高原で秋の森を見よう、樹を植えよう』という探索会が催され、一般市民、大学生、スタッフの計45名が雨の降りしきる中、秋のブナ林を散策し、解説を聴き、ブナ苗木の植樹を行った。これは、春のイベント(6月26日)の続きであり、主催は「河合谷高原の森林復元を考える会」というボランティア団体で、NPO氷河も協力している。
 森林の探策・学習会や植樹行事はいろいろな地域で多く行われているが、探策と植樹を組み合わせたことがこのイベントの特色である。また、鳥取県内で行われる植樹ではクヌギ、コナラ、クリ、ヤマザクラ、クロマツなどが一般的であり、ブナを植樹、植林することは、特別な目的がある場合を除いて多くはない。それは、生育条件が厳しいことと、成長するのに長い年月を要するからである。
 河合谷高原にて、ナラ枯れ(カシノナガキクイムシによるコナラ、ミズナラ等の被害)を観察し、ブナ林内を探索した後、裸地にてブナ苗を移植した。また、6月に移植したブナの苗、稚樹の大半は活着(しっかりと根付くこと:園芸用語)したことが分かった。

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          [写真:扇ノ山、標高1150m付近のブナ林.解説は、佐野淳之教授(鳥取大学農学部)]

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紅葉と新雪の氷ノ山登山   

                     成瀬廉二、2010/10/31、No.2098

 山の紅葉を探策しようと考えていたが、天候と当方の都合が折り合うときを待つ間に、10月26-27日、鳥取の大山や氷ノ山(ひょうのせん)は初雪かつ頂上付近は冠雪となった。天気予報によると雨模様がしばらく続くので、その合間の曇天の29日、氷ノ山(1,510 m)に登った。

 氷ノ山は、中国地方で第2の高峰、かつ兵庫県では最高峰である。氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。氷ノ山(旧名:須賀ノ山)は鳥取県と兵庫県の県境にあり、稜線の西側は八頭郡若桜町の、北東側は養父市のスキー場、諸施設、キャンプ場、夏山登山道が設けられている。若桜町側の標高800 mから1,300 m付近まではブナの自然林が広がり、天然記念物のイヌワシやツキノワグマが生息している。

 地層の最上部は、第三紀鮮新世末期に活動した氷ノ山火山による溶岩が山頂まで覆っている(星見清晴、2008)。つまり、200万年前頃に噴火したので、非常に古い火山と言える。

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 写真は、紅葉が盛りの氷ノ山中腹の上部(1,100-1300 m)付近である。頂上付近の尾根はパッチ状に薄い新雪、山頂からの眺望は霧のため無しであった。

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紅葉と黄砂の那岐山   

                      成瀬廉二、2010/11/15、No.2101

 山の紅葉を観賞しようと、14日、鳥取と岡山の県境にある那岐山(なぎさん、1,255 m)へ岡山県奈義(なぎ)町側から登った。この山は、氷ノ山後山那岐山国定公園という3つの山名をならべた国定公園を構成しており、2週間前に氷ノ山へ行ったので、今度は那岐山というわけだ。
 「国立公園に準じる景勝地」として国が定め、都道府県が管理しいている自然公園とは言え、那岐山には特に優れた稀少な自然の景観があるわけでも、珍しいとか多様な動植物が残されているわけでもない。むしろ、地形が穏やかな山で、誰でも比較的容易に歩ける「自然」のため、人々の健康増進と自然探勝に利用されている。登山口から山頂までは標高差700mあるので、ゆっくり歩けば上りだけで2時間以上かかるが、難しいとか危険な箇所はないので、幼児から高齢者までその気になれば誰でも登ることができる。

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 さて、同山中腹の標高600 m~1000 m付近は紅葉が盛りだったが(写真)、あいにく12日から続いていた、秋としては数年ぶりのかなり濃い黄砂のため、中腹から見上げる山頂や稜線は霞んでいた。紅葉や緑に霧(登山用語ではガス)の組み合わせは風情があるが、紅葉に黄砂はやや興ざめであった。

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ナラ枯れ    

                       成瀬廉二、2010/12/13、No.2108

 里山、奥山の紅葉が終わり、木々は葉を落とし、雪の季節を迎える今は気づくことはないが、盛夏の頃、落葉樹の葉が一斉に赤く変色する現象(写真)が、本州日本海側の広い範囲で見られるようになった。これは、狂い咲きならぬ「狂い紅葉」ではなく、コナラ、ミズナラ、クヌギ、クリ、カシ等のナラ類に発生する集団枯損であり、一般に「ナラ枯れ」と言う。
 先週末(10日)、鳥取県林業試験場にてナラ枯れに関する講義を聴いた。ナラ類集団枯損の原因は、カシノナガキクイムシが樹木に進入、材内に穿孔し、孔道壁にラファエレラ菌という酵母類の菌を繁殖させ、その菌の作用により樹木内の通水阻害が起こり、結果としてその木は枯死し、翌年復活することはない。
 林試の調査結果の一例では、胸高直径70 cmの枯れたスダジイには、推定4,500本以上穿孔されており、それらの孔道は決して交わることなく、1本の孔道は1対のキクイムシが作るので、計9,000匹の虫が活動していたと考えられた。
 このナラ枯れは、特に有効な防止対策がないそうで、このままの勢いで被害地域が拡大して行くと、森林の生態系や景観におよぼす甚大な影響が心配される。しかし、唯一の救いは、カシノナガキクイムシが集団でアタックする樹は、老齢の大径木のみで、若い細い木は被害を受けていない、と言うことである。その理由としては、老齢木が虫に弱いというわけではなく、1本の木に多数の虫が孔道内で産卵し幼虫を育てるのも、"住まい"が大きい方が都合が良い、と考えられている(西垣室長)。

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[写真:扇ノ山中腹(標高500m付近)。奥のナラ類の樹が赤く枯れている。2010.10.9]

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らっきょう花畑   

                       成瀬廉二、2010/11/22、No.2103

 写真は、鳥取市福部町の砂丘に広がるらっきょう花畑である(11月11日)。7月から8月にかけて、らっきょうの植え付けが行われ、10月下旬~11月初旬に赤紫色の花が咲く。一斉に満開となると、遠くから見るとラベンダー畑にも似ている。
 畑で手入れをしていた婦人に尋ねたところ、「今年の夏は暑かったばかりではなく飛砂の吹き溜まりの影響で、盆前に植えたらっきょうの花は咲きが悪く、盆後のらっきょうは育ちが良く、今が満開だ(写真)」とのことだった。
 ラッキョウはユリ科の植物で、タマネギやニンニクと同様、鱗茎を食す。毎年、5月下旬から6月下旬にかけて収穫される。きめ細かい砂地で栽培される「砂丘らっきょう」は、色の白さとシャキシャキとした歯ごたえが自慢のトップブランドで、大玉で細長い形状の「らくだ系」が中心品種である(「鳥取県観光情報」より)。

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ブナ林シンポジウム(前) 

                成瀬廉二、2011/03/07、No.2135

 「ブナ林シンポジウム-いま、"森"に何が起きているのか?-」が、3月5日(土)、鳥取市内にて開催された。主催は市民団体「河合谷高原の森林復元を考える会」、NPO氷河も共催として参画した。

 コーディネーターとして、本シンポジウムの目的には以下の3点があった。
日本列島山地の代表的、象徴的な森林であるブナ林の特徴と生態、および近年の変化を知ること、
2)奥山で暮らすツキノワグマ等の動物が、餌を求めて里山や集落に下りてきて、捕獲され、1回目は「おしおき」を受けて放縦され、2回目は殺処分されている。この現状を知り、動物と共生する策を考えること、
3)20世紀後半、高度経済成長にともなう各地の開発により、ブナ等の原生林が大規模に伐採されたが、これらのうち可能なところから、水源涵養と生物多様性に優れている落葉広葉樹林に復元したい。そのためにはどういう問題があり、どう解決しなければならないか、を考えること。

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 3人の専門家による講演の後、参加者を含めて討論を行った(写真)。課題が多岐にわたったため、やや論点がぼやけてしまったことは否めない。しかし、参加者は95名、民間団体主催で組織的な動員がないシンポジウムとしては破格の盛会であり、各人がそれぞれ何かを得ることができたに違いない、と思っている。


ブナ林シンポの感想 

                     市谷年弘、2011/03/17、No.2139

 みなさんこんにちは。今回の東北太平洋沖地震において、被災された方々におきましてはお見舞い申し上げます。
 さて、先日にあった、ブナ林のシンポの感想ですが、ブナ林とクマの関係の講演がありましたので、そのときの感想を話したいと思います。
 ブナの実やドングリが豊作のときは、クマの大好物の餌となるが、ブナの実は、豊作と凶作が交互ににくる特徴のある樹木です。ですから、ブナの実が凶作の時に山里に降りてきて、柿や梨やリンゴなどの果樹園に出没するので、このときに人と出会い、ひとに被害を与えることが問題になっているんだなあ??とこの講演をお聴きして、感想として思いました。
 また、狩猟をするひとも高齢化と減少傾向にあり、このことで、クマ以外の特にシカやイノシシが増えており、クマがこれらの動物を捕獲してしたと思うと、クマを保護して生態系のバランスを保つこともタイセツのような気がした。

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 写真は、約650万年前のムカシブナの葉化石です。


ブナ林シンポジウム(後) 

                    成瀬廉二、2011/03/18、No.2140

 3つの講演の骨子を、講演要旨から抜粋・圧縮して以下に示す。

『ブナ林の多様性と保全』 
 ブナは、北海道の黒松低地周辺から鹿児島県の高隈山までに広く分布する落葉広葉樹である。雪の多い日本海側では特に美しい純林状の林をつくる。ブナ林は四季折々の豊かな表情を見せるために、人々を魅了してやまない。また、他の植物や動物、微生物などの多様な生物の生息場所となっている。このようなブナには、様々な形質(特徴)が地域によって異なるという地理的変異がある。たとえば、葉のサイズは、九州から北海道に向かって大きくなる傾向がある。さらに、ブナの葉緑体や核の中にあるDNAそのものを調べると、日本海側の集団と太平洋側の集団の間に明瞭な遺伝的分岐がみられる。さらに後者は、複数の系統に分かれる。このような種内の遺伝的分化には、少なくとも第四紀(約258万年前~現在)の気候変動にともなう分布の移動が深く関わっていると考えられる。このように、ブナという同じ種であっても地域によって遺伝的に異なるので、ブナ林の回復・復元を行う場合は、この変異を考慮すべきである。 (名古屋大学大学院生命農学研究科 戸丸信弘)

『鳥取県のツキノワグマとブナ林』
 ツキノワグマは、日本のブナ林を代表する大型哺乳類として認識されている。鳥取県では2002年以降、罠で錯誤捕獲等されたクマに電波発信器を装着して放獣し、その生態を追跡調査した。冬眠明けの4~5月には、比較的標高の高いブナ帯に位置することが多く、滞在地にあるチシマザサのタケノコはクマの重要な餌資源であり、これを求めて高標高地に移動したと思われる。その後6月には標高の低い地域に移動し、8月末まで滞在することが多かった。6~8月は、鳥取県でクマの目撃情報や、農作物被害発生、有害捕獲申請件数の多い時期であり、低標高地に移動したクマが、人間の生活圏に出没したためである。9~11月は、年により高標高のブナ帯を行動する場合と、低標高の人里に近い場所を行動する場合に分けられた。高地に滞在する年はブナ、ミズナラの堅果が豊作であり、低地に滞在する年は同堅果が凶作であった。ツキノワグマにとって、ブナ、ミズナラの堅果は秋の重要な餌で、その豊凶が行動に強く影響している。 (鳥取県生活環境部公園自然課 西信介)

『奥山と里山の森林の現状』
 奥山と里山という概念は日本だけでなく、人間と森林が共存する世界各地に見られる。ここ百年の間に、機械化の進展とともに、日本の奥山を代表するブナ林などの原生林が伐採され、スギやヒノキなどの常緑針葉樹林への人工林化が進んだ。里山では人間の介入が逆に少なくなったため、半自然草原などに生息する生物の生息地が失われて生物多様性が減少しつつある。奥山には手入れをされずに放置された人工林に広葉樹類が侵入した不成績造林地と呼ばれる森林もあり、一方、里山では竹林の分布拡大や二次林への遷移の進行によって、奥山と里山の境界が不明瞭になりつつある。国連が主導する生物多様性条約や気候変動枠組み条約などの世界的規模での取り組みに加え、地域における奥山と里山の保全、鎮守の森と呼ばれる社寺林などの常緑広葉樹林の保護と管理が重要である。同時に、人間を含めた生態系という認識、生態系における生物間相互作用等を理解することによって、身近な自然をグローバルな視点でとらえ直すことができる。 (鳥取大学農学部森林生態系管理学 佐野淳之)

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[写真] 河合谷高原の標高900m付近の林道に現れたツキノワグマの子供(2008年5月9日、成瀬撮影).数台の車と大勢の人に驚いて側溝に逃げ、こちらを向いてうずくまっている.目をつぶっているのか、顔の表情は良く分からない.ツキノワグマは冬籠り中に出産するそうなので、1、2月頃誕生とすると生後3か月の赤ちゃんで、穴から出てきたばかり、ということになる.付近に母クマがいたはずで、子を取り返すため必死の行動をとるかもしれなかったが、結局は何事もなかった.この子グマが順調に成長したかどうかはわからない.

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梅だより(鳥取) 

                成瀬廉二、2011/03/26、No.2141

 未曾有の大震災をうけた東北関東太平洋側地域では花見どころではないでしょうが、西日本でも今年はまだサクラ情報はほとんど報じられていない。鳥取の3月の平均気温(25日まで)は平年より1.1度C低く、サクラ開花の気配すらない。

 鳥取市のサクラ開花/満開の予想日は、ウェザーニューズ社3月30日/4月6日、日本気象協会4月1日/10日、ウェザーマップ社4月3日/10日と、多少の相違がある(いずれも、3月23-25日現在の予想)。昨(2010)年は3月25日/4月4日、平年は4月2日/8日なので今年はやや遅い。

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 一方、例年は2月~3月上旬が満開となるウメは、鳥取では今が見頃である。[写真:樗谿公園(おおちだに)公園、2011年3月26日]


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