今冬雪;雪害;象山;雪大山

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 [写真:大山.2014.3.12、鳥取県南部町から]
 『今冬期の日本の積雪』  (前)        投稿日:2014/04/24、No.73
 2013-14年冬期は、豪雪だったのか、並み以下だったのか、日本列島への雪の降り方にどんな特徴があったのか振り返ってみたい。

 まず、今冬の降雪現象で特異な点は、2月上旬から中旬にかけて低気圧が日本の南を周期的に通過した結果、2月7~8日と14~16日に、平常年は雪が少ない関東甲信地方を中心とした広い範囲で大雪となったことである。

 以下のように2月15日の積雪深は、各地(気象台)で観測史上最大値を記録した(カッコ内は従来の最大積雪深)。
 甲府(山梨県)114 cm(49 cm)、河口湖143 cm(89 cm)、
 軽井沢(長野県)99 cm(72 cm)、飯田81 cm(56 cm)、
 前橋(群馬県)73 cm(37 cm)、那須(栃木県)88 cm(57 cm)、
 秩父(埼玉県)98 cm(58 cm)、熊谷62 cm(45 cm).

 いわゆる豪雪地に比べれば積雪の量は多くはないが、雪対策が十分ではなかったため各地で雪による災害が多発した。政府は2月18日、「平成26年(2014年)豪雪非常災害対策本部」を設置した。また、(公益社団)日本雪氷学会と日本雪工学会の雪害関連研究者のチームが特別研究促進費(突発災害)により課題「2014年2月14-16 日の関東甲信地方を中心とした広域雪氷災害に関する調査研究」を開始した。
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          [写真:岐阜県農村地域。2014.2.8、新幹線車窓より]

(中) 
                                     投稿日:2014/04/27、No.74

 ある地点のある年の最大積雪深は、その年の雪の多さを反映した良い指標となり得る。しかし、関東以西の温暖地では、降雪後2、3日で融けてなくなることもあり、最大積雪深は一回の降雪により達成されることも多い。そのため、日々の降雪の深さを冬期間にわたり合計した累積降雪量の方が指標として優れていることもある。

 累積降雪量1730 cm(青森県酸ケ湯、2013-14年)と言っても実際の積雪深とは対応がつかないのでピンとこない。そのため、気象庁が公表している累積降雪量の平年値との比を調べることにする。すなわち、平年比が100%より十分大きければ多雪、100%より十分小さければ少雪と判定することにする。

 その結果、各都道府県はおおむね以下のようになる。ただし、降雪深は降雪板または積雪計(主に超音波式)による積雪深の増加分から求めているので、北海道や多雪地を除く地域では累積降雪量のデータがそろっているところは各県内1、2箇所に限られる。

[多雪]:北海道南部(胆振・日高・根室)、岩手、宮城、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、広島.
[並み]:北海道北部(網走・北見・紋別)、青森、秋田、山形、福島、群馬、島根.
[少雪]:北海道中央部、新潟、富山、石川、福井、岐阜、滋賀、京都、兵庫、鳥取.

 以上のように、今冬の雪は日本列島の太平洋側で多く、日本海側で少ない、という明瞭な傾向が認められた。
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      {写真:雪の木曽山脈と遠景は飛騨山脈。2012.4.9、鳥取行きのANA機より}

(後) 
                              投稿日:2014/04/30、No.75

 今冬(正しくは2013-14年の寒候期:10月~3月)の山陰地方の雪の状況をもう少し詳しく見てみよう。指標としては、前と同様、累積降雪量の平年値との比を使う。長年間、降雪深の観測データが揃っている気象観測所における今冬の平年比を、山陰地方の東から西へ以下に示す。

[兵庫県]豊岡48%、香住58%
[鳥取県]鳥取47%、智頭80%、倉吉28%
・・・・・大山82%、米子65%、境36%
[島根県]松江96%、横田121%、
・・・・・瑞穂114%、弥栄156%
[山口県]山口52%

 以上のうち智頭は内陸の谷あい(標高182 m)、大山は山の中腹(875 m)、横田、瑞穂、弥栄とも標高300 m台の山間地である。これらを除くと山陰地方の平野部では、松江のみ例外として、平年の1/2から1/3程度だったことが分かった。

 鳥取市の今冬の累積降雪量は101 cmで、過去50年間で少ない方から13番目、最深積雪は30 cmで、50年間で少ない方から14番目であった。

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 写真は、鳥取市内の空山(340 m)の頂上付近の尾根の状況であり(2014年3月11日)、樹木のないところは積雪でおおわれている。鳥取市の1月~3月上旬の日最低気温は0℃前後であり、ここは低い山だが平地より気温は約2℃低く、平地が雨でも山では雪に、平地が消雪しても山はあまり融けないため、このようにたくさんの雪が残っているのである。

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『雪による災害』
                             投稿日:2014/05/24、No.80

 総務省消防庁は、最近数年、「今冬の雪による被害状況等」をとりまとめて発表している。内容は、都道府県毎の、雪による死者、負傷者数、死亡の原因、倒壊家屋数などである。

 この統計では、死亡要因を、雪崩、屋根雪・除雪作業中、落雪、倒壊家屋、その他、の5種類に分類している。ただし、交通事故によるものは除外されている。交通事故死者は年間4411人に達するので(2012年、全日本交通安全協会)、このうち雪や氷が遠因となった事例を抽出することは困難だからであろう。

 過去4冬期における、雪による死者数、およびその要因として圧倒的に多い「屋根雪下ろし・除雪作業中」の数を以下に示す。

 2010-11年:131人、100人(=76%)
 2011-12年:133人、95人 (=71%)
 2012-13年:104人、83人 (=80%)
 2013-14年: 95人、66人 (=69%)

 今冬の雪は、例年に比べ日本列島の太平洋側で著しく多かったので、それを反映して、福島・群馬・埼玉・千葉・山梨・長野・静岡・岐阜の8県で雪による死者数が計32人、全国の1/3に達した。

 なお、雪崩による死者数は、各年、9人、4人、0人、1人となっている。2010年大晦日の奥大山スキー場雪崩による4名死亡は9人に含まれていると思われるが、2013年11月23日の富山県真砂岳雪崩の7名死亡が集計されていない。この統計は、消防庁が出動したか、何らかの関わりがあったものに限るのかも知れない。

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『奥大山・象山』
                           投稿日:2014/05/05、No.76

 奥大山の鏡ヶ成(標高900 m)の行楽園地を囲むように烏ヶ山(からすがせん、1448 m)、象山(ぞうやま、1085 m)、擬宝珠山(ぎぼしやま、1110 m)がある。登山というほどのことではないが、一昨日(3日)象山を登ってきた。

 れっきとした1000 m級の山ではあるが、鏡ヶ成が900 mなので、高さ185 mの里山の感じで、上り40分、下り20分の軽いハイキングであった。とはいえ、昨年夏に登った擬宝珠山と同様に、登山道の一部は残雪のブナ林の中を進むので(写真)、十分高山の感覚を味わうことができる。
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『残雪の大山』
                           投稿日:2014/05/09、No.77

 中国地方の最高峰、伯耆大山(ほうきだいせん:1,729 m)は、秋には紅葉と新雪の色のおり合い、冬には山の上部をすっぽり被う冠雪、春には縦方向の沢筋に幾本かの残雪と、四季により様相を大きく変える。

 好天に恵まれた5月3日、大山環状道路を関金-鏡ヶ成-鍵掛峠-桝水高原-大山寺-赤碕と、大山山塊をぐるりと3/4周し、"いろいろな"大山を観賞した。

 同日午前は煙霧か黄砂かPM2.5のせいかは分からないながら、遠くの山はぼんやり霞んでいたが、午後には晴れ、視程も20 kmに上昇し(米子特別地域気象観測所)、山や遠景の撮影には申し分なくなった。

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 写真は、大山町大山寺の博労座駐車場(標高730 m)から南南東方向を見た大山である(2014.5.3, 16:00)。中央から右上に向かう尾根が夏山登山道、その頂部のやや左が登山の頂上・弥山(みせん、1,709 m)、その左の中央が大山の最高点・剣ケ峰(1,729 m)、さらに左が天狗ヶ峰(1,710 m)、稜線の手前が北壁である。写真左端の建物は大山自然歴史館。

 大山寺に近い大山アメダス(875 m)では、平年より8日早く、4月17日に積雪がゼロとなった。そう思って見ると、5月初旬の大山の残雪は平年よりやや少ない感がする。

  





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