甌穴、海食洞、砂丘動物、三徳山、仮屋、滝、砂美術、教師日、茸、山陰GP、電柵、3走

美作の甌穴                     投稿日:2014/06/23、No.85
 岡山県美作(みまさか)市の山村部の地方道(余野付近)を車で走っていたとき、「小渕の甌穴群」という看板が目にとまった(写真:6月21日)。すぐに停車し、道路沿いの梶並川へ下り、あたりをじっくり観察した。看板はこれ一つだけで、ほかには何も表示がなかった。
画像


 甌穴(おうけつ、ポットホール)とは、「河底や河岸の硬い岩面にできる大きな円形の深い穴。(岩盤)のくぼみに小石などが入り込むと、渦流のため小石がくぼみの中を転がって、円形の穴に拡大する。大きなものは直径・深さとも数mに及ぶ。(新版 地学辞典)」

 岡山県鏡野町奥津渓や、鳥取市用瀬町赤波川(あがなみがわ)渓谷などの甌穴群はよく知られ、観光案内書やウェブサイトに紹介されている。しかし、美作の甌穴群は初めて聞いたし、案内パンフレットや諸サイトにも記述が見当たらない。

 淵(渕)とは、河川の流れが緩やかとなった深みのことを指す。たしかに写真中央に見える川は小さな淵である。しかし、側岸の岩には大小のくぼみはあるが、きれいな円形の大きな穴は見当たらない。したがって、甌穴群は水中の河床にあるのかもしれない。それは、上から見ただけではよく分からない。

 この場所は専門家の調査研究により甌穴群と認定、あるいは考えられるとされたものか、単に誰かが「甌穴だ」と言っているに過ぎないかは不明である。ただし、道路沿いに案内や広告などの看板を設置するためには道路管理者(町か村)に申請し、許可が必要であるので、個人が勝手に看板を立てたということはないだろう。すなわち誰か(何らかの団体等)が正式に許可を得たものと思われるが、それならば市・町・村とか教育委員会とか***会とか設置者の名を看板に記すべきである。

   ~~~~~~~~~~~~

『用瀬の甌穴』 
                                投稿日:2014/06/29、No.86 

 鳥取市用瀬(もちがせ)町鷹狩で千代川に合流する小河川、赤波(あがなみ)川中流部の渓谷に多種類、多数の甌穴がある。智頭町板井原集落に達する地方道の1キロメートルあまりの区間にて、赤波川渓谷の甌穴群を上から見ることができる。

 顕著な甌穴のビューポイントでは、簡単な解説に写真入りの看板(鳥取市)が立っている。素人には、この表示がないと、どれが甌穴なのか、どれは単なる窪みなのかの区別がつき難い。写真(2014.6.25)は、「滝壺型おう穴」と表示された縦に長い(穴の深さ、3.46 m)甌穴である。
画像


 いろいろな穴をじっくり観察しているうちに、少しずつ分かってきた。甌穴は必ずしも円形とは限らず、細長い形、あるいはその一部もあり得る。しかし、岩塊の一部が欠け落ちた窪みではなく、また水流や風の侵食だけではできそうもない丸みを帯びた小さな凹地形である。

 ここの甌穴群を調査した西尾・小玉(2005)によると、甌穴群が形成される要因としては、割れ目の少ない岩盤(花崗岩など)が河床に露出していること、および穴の研磨材となる握り拳大の礫が上流から供給されることが重要である。赤波川渓谷はその条件をよく満たしているそうである。

 なお、「赤波川おう穴群」は、2012年8月、鳥取市により文化財(天然記念物)に指定され、翌2013年9月、鳥取県指定天然記念物(分類:地質鉱物)となった。

  ~~~~~~~~~~

『諸寄の海食洞』
                          投稿日:2014/07/05、No.87

 世界ジオパークネットワーク加盟のジオパークは日本に6か所あり、そのひとつが山陰海岸ジオパークで、京都府、兵庫県、鳥取県の3府県にまたがる。同ジオパークは12のエリアに分割され、それぞれのエリアには見学や観光の重要地点となるジオサイトがいくつかあり、さらにサイト内の見どころがジオスポットと呼ばれることもある。

 山陰海岸ジオパークの海岸沿いのジオサイトは、鳥取砂丘を除くとほとんどすべてが岩場の海岸である。したがって、迫力ある岩壁や崖、および海水の浸食による自然の造形が多く見られる。

 サイトやスポットの名前に洞や洞門がついている場所が多くある。これらは、現在の海水面付近の岩壁に波の侵食により形成された洞窟やトンネル、あるいはそれらの天井がなくなった細い水路であり、総じて海食洞と呼ばれる。

 海食洞は、遊覧船から遠望できるところもあるが、至近距離から観察し、洞穴の中まで覗くためには、小舟で行くか、陸上のトレールをたどる以外にない。7月3日、兵庫県新温泉町からの帰途、但馬御火浦(たじまみほのうら)・浜坂エリア内の諸寄(もろよせ)漁村から海岸沿いを歩いて塩谷(しおだに)の海食洞を見てきた。

画像

 塩谷海食洞は、入り口は狭いが(高さ1 mあまり)、内部は6畳間程度の広さがあるように見えた。これは、「板状節理が発達した火山岩が波の力でえぐられ、洞窟になった」(山陰海岸ジオパーク推進協議会)ものである。

 なお、洞穴の内外に多数のプラスチックゴミが散見された。何でこんなところに捨てていくのか、と一瞬思ったが、この洞は大潮や高波のときには波が入り込む位置にある。だから、この場所への投棄ゴミではなく、海岸漂着ゴミと思われる。

 ~~~~~~~~~~

砂丘に暮らす哺乳類
                      投稿日:2014/05/30、No.81

 鳥取大学乾燥地研究センターではサイエンスカフェと称するセミナーが不定期に開催されているが、一昨日(28日)は、京都大学情報学研究科の小山里奈氏による『鳥取砂丘の動物行動学―砂丘に暮らす哺乳類―』という話題提供があった。「砂丘」と「動物行動学」のキーワードに強く反応し、久しぶりに参加させていただいた(写真)。
画像


 小山氏および大学院生のチームは、鳥取砂丘内で、糞や足跡などの痕跡調査に加え、一昨年夏からはカメラ10余台を設置し、昼夜を問わずセンサーが動物を感知すると数秒間にわたり動画を自動撮影する観測を行った。その映像を解析することにより、砂丘に出没する動物の種、季節、時間帯、および挙動などが明らかになってきた。

 調査区域は、多くの観光客が訪れる一面砂のみの丘ではなく、その西の浜坂地区であり、そこは50年以上前の防砂林・防風林造成の影響で、現在はクロマツ等の林や草本が茂る砂の原野となっている(写真)。

 映像解析の結果、最も検知回数の多かった動物はキツネの567回で、次いで多い順にイノシシ、ネコ(飼い猫?ノネコ?)、シカ、ノウサギ、テン、アナグマ、タヌキ、イヌ(飼い犬?)だった。

 去る4月26日開催の鳥取ユネスコ協会「環境」談話会『鳥取市街地に出没する野生動物』(コーディネーター:成瀬)にて、鳥取県生活環境部西信介氏の報告では、鳥取市内にて、イノシシ、ニホンジカ、タヌキ、アナグマ、テン、ヌートリア、アライグマなどの出没が近年増加している。砂丘もこれと似たような種の分布である。

 畑や住宅地に動物が現れるのは、そこに美味しいものがあるからに違いない。しかし、砂丘には食糧が豊富にあるとは思えないので、砂丘に出没する理由は、フロンティアの開拓者か単なる迷い込みか、などと想像しながら話を聞いていた。しかしながら小山氏によると、ある種の動物はすでに砂丘に定着していると考えられるし、砂丘内にも昆虫や小動物など必ずしも餌が貧弱ではないらしい。

 これらの動物たちは何のために砂丘に来るのか、単に通過型か、砂丘をどのように利用しているのか等は、今後さらなるデータを積み重ねて明らかにしたいとのことであった。

 なお、鳥取県砂丘事務所のウェブサイトには「砂丘に暮らす動物達」としてイソコモリグモ(*)、カワラハンミョウ(*)、キンモウアナバチ、オオハサミムシ、ハマスズの5種の昆虫が紹介されている[(*):絶滅危惧II類]。これらは砂の上や中に生息するので狭義の砂丘に暮らす動物である。砂丘をもう少し広い領域にとれば、何種類かの哺乳類が砂丘に定住または頻繁に出入りしていることが明らかになったのだから、そのうち「砂丘に暮らす動物達」を改訂しなければならなくなるだろう。

   ~~~~~~~~~~~

三徳山、国立公園に編入
                           投稿日:2014/06/05、No.82 

 いささか古いニュースになったが、去る3月19日、三朝東郷湖県立自然公園の第1種・第2種特別地域に指定されていた三徳山(みとくさん、標高899.7 m)一帯の300ヘクタールが、大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)に編入された。その理由は、カシ・シイ等の照葉樹林から、ブナ・ミズナラ等の冷温帯落葉広葉樹まで、自然林が連続して垂直的に分布し希少性が高いこと、および修験道や山岳仏教の聖地として歴史的、文化的な価値が高いこと、であった。

 これを記念して5月31日鳥取市内において、三徳山三佛寺の米田良中住職による『国名勝・国史跡・国立公園 三徳山あれこれ』という講演が行われた。講演後の質疑応答のときに、私は次の意見を述べて質問した。

 「国立公園に編入が認められたのは喜ばしいことだが、従来よりいっそう自然や史跡の保全に努めなければならない。以前から投入堂に至る行者道(登山道)の荒廃が著しく、国・県などの予算により毎年300万円をかけて行者道の修復を行っている。国立公園などの遊歩道の保全に詳しい専門家(注:渡邊悌二氏)は、この規模の予算でできることは登山道に土嚢を積む程度のことで、応急対策に過ぎず、毎年これを繰り返してもまったく意味がない、と批判している。もっと予算を単年度に集中して本格的な補修工事をするか、それができないのであれば登山者の入山規制をするべきではないかと思うが、いかがか?」

 これに対する住職の回答。「ご意見ごもっとも。しかし国からの補助金による修復事業費は、県や町のみではなく地元の寺も一定割合を負担しなければならない(注:10%前後と思われる)。三徳山の4つの寺はみな檀家が非常に少なく、毎年の負担金はこれが限度である。また、山を休ませるために入山規制も必要かもしれないが、入山参拝料(注:600円)は寺の重要な収入源になっている」。 本来は、文化、歴史、自然について語るはずだったが、つい切実なお金の話になってしまった。

 三徳山は世界文化遺産への登録も目指している。その予備軍として日本の暫定リストに「古都・鎌倉」など12件が挙げられており、さらに暫定リストに入る候補グループの内の下位のカテゴリー(II)に三徳山が位置づけられている。世界遺産の登録は、実質的には至難のことだと思われるが、それとは別に、国・県・三朝町・地元(寺など)は三徳山の保全、保護について早急に、本腰を入れて検討すべきである。

画像

[写真:国宝投入堂(なげいれどう、標高520 m)と、その直下まで見学に訪れる登山者(2008.10.11)]
 
   ~~~~~~~~

仮屋という庇
                             投稿日:2014/06/11、No.83

 仮屋(かりや)と呼ばれる大型の庇を最近知った。鳥取県若桜町の旧若桜宿の通りに数軒だけ残っている。普通の日本家屋の窓や掃きだしは、雨よけと真夏の日射を遮るために、奥行き45 cmから90 cm程度の庇をつけることが多い。

 ところが若桜町の仮屋は、それが1.2 mある(写真)。新潟県などの多雪地帯に見られる雁木(がんぎ)の小型版のような感じである。
画像


 「わかさ観光ガイド」によると、明治18年の大火の後、家の道路側には1.2 mの庇(仮屋)をつけ、そこと道路との間に幅60 cmの用水路を設けることが、若桜宿会議で決められたそうである。

 仮屋の下は私有地だが、雨や雪の日も傘がなくても歩くことができる。雨や雪は用水路に落ちる。水路はいろいろな用途があったことであろう。かつては800 mほど仮屋が連なっていたそうだが、現在は一部で保存されているに過ぎない。

   ~~~~~~~~~~~~~~

『湯梨浜の滝二景』
                        投稿日:2014/07/26、No.92

 鳥取県中部の湯梨浜町を通ったついでに、旧東郷町にある今滝(いまだき)と不動滝を見てきた(2014.7.24)。両者とも、東郷湖に流入する舎人(とねり)川の上流、標高110~150 m付近にある。写真左が高さ44 mの今滝、右が32 mの二段滝・不動滝である。

 「日本の滝百選」に選ばれている鳥取市雨滝は高さ40 mなので、今滝はそれよりは背が高い。しかし、今滝、不動滝とも、滝は細く、滝壺が形成されていない。今滝は、鉢伏山(514 m)の北の323 m~368 m峰を源頭とする小さな集水域で涵養されているので、年間を通してそもそも水量が少ない。とくに今年前半の鳥取市の降水量は例年より15%くらい少ないので、さらに滝は薄く、細く、先端部分はじょうろからの散水のようである。

 したがって、やや迫力に欠ける滝だが、岩壁に着生するコケや繁茂する植生は、渓谷の奥の鬱蒼とした秘境を思わせる。しかしここは、最奥の集落から裏山を車で5分、駐車スペースから遊歩道を5分でくることができる。酷暑のさなか、ひと時の清涼感を与えてくれるスポットである。
画像



砂の美術館(前)                  投稿日:2014/08/18、No.97 鳥取砂丘の入り口付近に、砂の彫刻「砂像」を展示する美術館があり、お盆前後の夏休み期間中、たいへん賑わっている(写真:8月16日)。
画像

 その「砂の美術館」は、組織としては2006年11月に設立し、1年目は完全な野外、その後2011年1月までは仮設テント内に展示されていた。そして、2012年4月、世界初、かつ唯一の「砂の美術館」が完成、開館した。鉄筋コンクリート造3階建て、延べ面積約3,000平方m、工事費5億7750万円(社団法人公共建築協会による)である。

 この美術館建設計画の具体案を知ったころ、財政が厳しい鳥取市にはこれ以上ハコモノは要らないと思った。鳥取市中心に近いところだけでも、公的な文化施設(館)は、県立博物館、鳥取市歴史博物館、因幡万葉歴史館、山陰海岸学習館、鳥取砂丘こどもの国、わらべ館など、市の規模の割には結構たくさんある。

 それに砂像の展示は、砂丘を背景にした屋外が似合う。ただし、強い雨と風を受けると砂像が崩れるので、砂像だけでもテントで覆う必要があろう。

 ところが2012年の開館以来、予想通りかそれを上回っているのか、第5期展示(2012年4月~1月)「イギリス編」は総入場者53万人、第6期(2013年4月~1月)「東南アジア編」は55万人、第7期(2014年4月~)「ロシア編」は8月13日に20万人を突破したとのことである(鳥取砂丘・ジオパーク推進課発表)。

 年間入場者数が200万人(2012年)を超える国立新美術館(六本木)や国立科学博物館(上野)とは比ぶべくもないが、弱小鳥取市の施設としては大成功と言えよう。県外から訪れた観光客にとって、真夏の砂丘は暑(熱)い、冬は雪や雨でぬかる、強風時は砂が飛ぶなどの理由により、いつでも誰でも砂丘散策をゆっくり楽しめるわけではない。そのため、砂丘見物と対となって「砂の美術館」は大きな役割を果たしているのであろう。

    
『砂の美術館(後)』
                                  投稿日:2014/08/20、No.98

 今期の「砂の美術館」では、ロシア、アメリカ、ヨーロッパなど11か国20人の砂像彫刻家により制作された21の作品が展示されている。写真は奥から手前に、「クレムリンとワシリー大聖堂」「エカテリーナ宮殿」「エカテリーナ2世とロマノフ王朝」の3作品である。

 砂像は砂と水のみで作成される。大きな木枠の箱に粒子の細かい鳥取砂丘の砂と適量の水を入れ、上から繰り返し圧縮し、空気を追い出し、固まった砂の大きな塊を、スコップやナイフ、彫刻道具を使って削りとり、像が制作される。したがって崩れやすいので、石や金属の彫像のように半永久的ではなく、期限が来たら壊されて砂に戻る。

 今年の夏休みは特別イベントとして、3Dプロジェクションマッピング「砂と光の幻想曲“ABPOPA (アブローラ) Episode-1”が上映された。3Dプロジェクションマッピングとは、特殊なメガネで観る3D映像ではなく、上記3作品をスクリーンとして動画を投影するものである。あらかじめ砂像群の形態データを取り込み、それをふまえたコンピュータグラフィックを行うので、砂像の凹凸による不自然さはあまり感じず、一方、作品群に奥行きがあるので、立体感のある映像が観られる。

 ストーリーはともかくとして、この3Dプロジェクションマッピングは迫力があり、技法にも興味があったので、3階の遠方観覧席と2階最前列から、続けて2回観賞した。
画像

   
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『Teachers' Day』
                           投稿日:2014/09/12、No.107

 10年ほど前の数年間、ある氷河プロジェクトに関して、成果解析から論文完成に至るまで、種々アドバイスや議論を通して研究支援した在北京の中国人研究者から、一昨日(10日)、“Happy Teachers' Day!”とのメッセージがメールで届いた。

 さて、「Teachers' Day」とは何か、うかつにも知らなかった。日本語で言えば、「教師の日」または「先生の日」であろう。ネットで調べたところ、Teachers' Dayとして祝日または記念日に定めている国は、中国、インド、韓国などほぼ全世界の85か国におよぶ(Wikipedia)。その日にちは、国によりいろいろであり、中国では9月10日、世話になった先生たちにカードを送ったりギフトを贈ることが多いそうである。

 これとは別に、UNESCOが、教師の地位や質の向上などを目的として1994年に“World Teachers' Day”(世界教師の日)を制定し、毎年10月5日に世界各地でさまざまなイベントが行われている。 

 なお日本では、母の日、防災の日とか、単に月日の語呂合わせの公的、私的の記念日は非常に多くあるが、「教師の日」は聞いたことがない。少なくとも現在の日本では、教師を特別な職業と見なそうという気運はないし、その必要もないだろう。
画像

 [写真:リスボンの博物館(2011年11月).ポルトガルにはTeachers' Dayの定めはないようだ.隣国スペインでは、1月29日]

    ~~~~~~~~~~~~~~~

『野生きのこ展覧』
                        投稿日:2014/10/08、No.113

 大きなテーブルの上に、色とりどり、多種類のきのこがトレーにのって展示されていた(写真)。鳥取市内にある一般財団法人日本きのこセンター菌蕈(きんじん)研究所の「きのこ祭り」一般公開(10月4日)の一会場である。
画像

 きのこを専門とする研究所なので、数多くの標本を所有していることは当然だ、と思って見ていた。しかし、これらのきのこは、乾燥ではなく、薬品に浸っているのでもなく、すべて生(なま)であった。ふつう、生のシイタケなどは、数日間も放置すると、変色したり、ブヨブヨになってしまう。

 研究所のスタッフに尋ねたところ、2日前に所員ほか大勢が、恩原高原(岡山県)、氷ノ山、八頭ふるさとの森の三か所に分かれて、展示用のきのこ採集に行ってきたそうである。山に行けばいたるところできのこを目にするが、これだけ多種類を集めることは相当の苦労があったことだろう。

 テーブル上のきのこは、腐生性と共生性の2つに大きく分けられていた。前者は樹木の倒木や落ち葉などを栄養源とするものでシイタケ、ナメコ、エノキタケ、ブナシメジなど、後者は生きた樹木の根と共生関係を保ちながら生育する菌根性(きんこんせい)でマツタケ、ホンシメジなどである(参考:林野庁林政部)。

 なお、この「きのこ祭り」には、半日で約3,000人の市民が訪れたそうである(日本海新聞)。鳥取県立博物館の常設展の年間入館者数は約35,000人で、単純に平均すると1日に100人程度である。これに比べると、菌蕈研究所の一般公開はものすごく来場者が多い。これは、ほだ木のシイタケ採り、原木販売、きのこ汁など、各種サービスが多くの人を惹きつけたに違いない。

     ~~~~~~~~~~~

『山陰海岸ジオパーク再認定』
                          投稿日:2014/10/20、No.115

 去る9月22日、カナダで開催された世界ジオパーク国際ユネスコ会議にて、山陰海岸ジオパークの再認定が発表された。これは、4年ごとに行われる世界ジオパークの再認定審査に合格したことを示す。

 日本ジオパークには、アポイ岳、立山黒部など29地域が認定されているが、日本の世界ジオパークは意外に少なく、洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇の7地域のみが2009年から2014年にかけて認定されている。

 ジオパークは、ジオ(地球、地質)遺産を保護・保全しつつ、それらの教育や普及、および観光事業に活用することを目指している。したがって、日本または世界のジオパークに名乗りを上げるためには、地学的価値のみではなく、地方自治体や地元社会の盛り上がりが必要である。

 今回の再認定にあわせて、山陰海岸ジオパークが鳥取砂丘の西部、青谷町と鹿野町などへのエリア拡大も認められた。その選定理由は、変化に富む海岸線(写真)、内陸部の断層、温泉、池、滝 など、および海産物・農産物の地場産品の付加価値とのことである(鳥取市経済観光部資料)。
画像

 [写真]青谷町夏泊海岸から長尾鼻(2014.9.24)

       ~~~~~~~~~~~~~~~~~

『防獣用電気柵』
投稿日:2015/08/09、No.185

 静岡県西伊豆町で去る7月19日、川遊びをしていた2組の家族連れ等7人が動物よけの電気柵で感電し、うち大人(男)2人が死亡した。川岸に咲くアジサイを鹿に食べられぬようにと、隣接地に居住する79歳男性が電気柵を自作し、設置していた(報道による)。

 防獣用電気柵は、鳥取県では中山間地の田、畑、果樹園のどこにでも見られる。写真の電気柵(兵庫県香美町)は、電線が4段に張られており、イノシシ、シカ等の大型動物に加え、タヌキ、アナグマ、ヌートリア等の小型動物にも対処しているのだろう。

 メーカーの説明書によると、電気柵は、バッテリーやソーラーパネル、家庭用交流など多種の電源を利用できるが、電圧を5000~9000ボルト程度に高め、1秒に1回、微弱な電流をパルス状に発するものである。その電線に触れた動物は瞬間的にショックを感じ、以後、柵を警戒して近づかなくなるそうである。

 人も電線に触れたり握ったりすればビビッと感ずるが、死傷することはない、とのことである。しかし、電気柵には写真のように「あぶない!」の注意板を表示するよう定められている。
画像


 電気柵一式は約2万円から10万円程度で販売されており、指示通り組み立てれば素人でも設置できる。しかしながら、静岡県の自作電気柵は、単なる軽いミスとか不具合ではなく、装置自体が根本的に不適切かつ非安全だったようである。

 電気に詳しくない者だったら電気柵を作ろうなどと思いもしないが、ある程度知っていたため自己流で自作してしまったのだろう。その設置者は、8月7日、自宅の庭で首をつって自殺した。何とも痛ましい事故である。


『酷暑のトライアスロン観戦』

 [投稿:2013年 7月21日] #2444

 以前からトライアスロンのレースを一度なまで観たいと思っていた。しかし普通のスポーツ競技に比べ、選手のいる場所が、空間的にも時間的にも圧倒的に広い(長い)ので、いつ、どこへ行けばレースの醍醐味を感じることができるのか、なかなか予想をつけ難いものである。集中豪雨の前日の7月14日、米子市皆生(かいけ)周辺でトライアスロン大会が行われていたので、とっとり花回廊の帰途、何かは見られるだろうと立ち寄ってみることにした。

 トライアスロン(triathlon)とは、水泳・自転車ロードレース・長距離走の3種目を、同一人がこの順番で連続して行う競技である。競技の距離は、大きく分けると、水泳1.5 km・自転車40 km・マラソン10 km、合計51.5 kmの「ショート・ディスタンス(短距離)」と、水泳4.0 km・自転車120 km・マラソン30 km、合計154 kmの「ロング・ディスタンス(長距離)」の2種類がある。2000年からオリンピック正式種目となったトライアスロンは、競技の運営が比較的容易なショート・ディスタンスである。

 日本では、1981年、鳥取県の皆生温泉で最初のトライアスロン大会が開かれた。皆生トライアスロンは水泳3.0 km・自転車145 km・マラソン42.195 km、合計190 kmの長い部類のロング・ディスタンスである。さらに、水泳は海、自転車はアップダウンの多い大山山麓の道路、マラソンも周回コースではなく米子―境港を往復する。

 一般にマラソン競技は12月~3月の寒い時期に行われるが、トライアスロンは海の水泳があるためか、暑い季節に開催されることも多い。今年の皆生トライアスロンでは、07時に水泳スタートの後、08:15~18:45は気温30℃以上、最高気温は33.3℃であった(米子特別地域気象観測所)。まさに、酷暑の中のレースである。制限時間は、07:00~21:30の14時間30分である。

画像

 写真は、皆生温泉海岸付近にて、自転車からマラソンへ変わった直後の頃である(14:40)。(全選手のラップと最終記録は大会公式HPに公開されており)ゼッケン番号62番は、大阪府の女性(45歳)、記録は13時間38分14秒、全完走者786人の内の688位(女性の部では54位)であった。

~~~~~~~~~~~~~

$

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0