日アルプ;黄砂;雪藻;赤雪;野外実習;環境大;Prof;氷河グル;天廃油

No.1585
 日本のアルプス            成瀬廉二、2007/06/23(Sat)
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 日本にも、北、中央、南の接頭語がついた3つのアルプスがあることは小学生の頃から知っていた。その内登ったことがあるのは、北アルプスの数個の山だけである。

 中央アルプス、南アルプスの山々は、車窓からとか、どこかの山の頂上から部分的には見たことがあるに違いない。

 ところが1週間前、これらの山の全貌を、飛行機からではなく地上から、一度に見ることができる機会があったのである。場所は松本の南東、諏訪湖の北東にある霧ケ峰である。長野県で開かれた会合に出席するついでに霧ケ峰高原をハイキングしたときのことである。

 16日、快晴、南方の富士山から時計回りに、南アルプス(北岳、赤石岳)、中央アルプス(御嶽山)、北アルプス(乗鞍岳、穂高岳、槍ヶ岳)、そして名前の分からない遠くの山々の後、南東すぐ近くに八ヶ岳と、ぐるりと見ることができた。興味がない人にとってはどうってことないであろうが、予期していなかった私はいたく感激したのであった。

 あとでヒュッテの主人(日本山岳会員)に聞いたところ、アルプスなど本州中央山地の全部が見えるのは、たぶん美ヶ原とここ(霧ケ峰)ではないだろうか、とのことであった。

写真:北アルプスの連山。標高約2,500m以上の斜面は多くの残雪におおわれている(2007.6.16、霧ケ峰ゼブラ山より)。

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No.1553 黄砂 

                          成瀬廉二、2007/04/02(Mon)

 雨が上がった昨日の午前、鳥取市街から見る久松山が霞み、千代川の対岸がぼんやりとしていた。霧かな、と思ったが湿気がない。これは黄砂である。

 今日も晴れている筈だが、空は灰白色で、遠景は煙っている。城跡の桜は5分から7分咲き程度だが、黄砂のためか色が鮮やかに見えない。

 黄砂の発生源は東アジア内陸のゴビ砂漠、タクラマカン砂漠などである。大きい粒子は砂漠から舞い上がってもやがて落下し、偏西風に乗って日本まで達するのは数ミクロン以下の微粒子である。

 先ほど、知人からのメールに「黄砂で曇ってる仙台より」とあった。黄砂に見舞われているのは、西日本や日本海側だと思っていた。さっそく、気象庁のホームページを開いてみたら「黄砂情報」があり、本日(2日)15:30現在、黄砂が観測されている地点は、北は青森から南は九州南部の諸島まで、北海道を除く日本の全域となっていた。

 局地的な大気の汚れなら、一雨降れば空気が洗われてきれいになるが、黄砂は広域に漂っているので、「黄砂情報」によると明日も視程5km程度が続くらしい。

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No.1557
“伊吹山山頂で赤い雪氷藻類を確認” 

                     角川咲江、2007/05/02(Wed)

 西堀榮三郎記念探検の殿堂が主催するキッズ探検倶楽部・フィールド隊の第1回活動「伊吹山で赤雪をさがそう!」が、大型連休初日(2007年4月28日)に行われ、伊吹山山頂の残雪に、赤雪(http://www-es.s.chiba-u.ac.jp/~takeuchi/snowalgae.html)を探しに行きました。

 4月10日の下見の際に確認した山頂の残雪ポイントは7ヶ所。竹内望氏(千葉大学大学院准教授)に採取した雪の調査を依頼したところ、この時点ではまだ藻類の確認には至りませんでした。

 今回、雪が残っていたのは山頂に2ヶ所(測候所付近の、いずれも雪の吹き溜まりとなる窪地)と、8合目駐車場より少し上(中央遊歩道/姫ホタルの生息地)の1ヶ所で、いずれの残雪からも雪氷藻類の繁殖が確認されました。

 更に今回は、2005年5月8日の調査結果と同様の雪氷藻類(http://www.tanken-n.com/act01_r.php?no=3)以外に、ひとつだけ赤い藻類が含まれていることを確認(測候所の北西)。この藻類が大繁殖すると、赤雪になる可能性が高いとのことでした。

 以上のことから、「これらの藻類は伊吹山の雪の上で繁殖している雪氷藻類であり、雪が着色するほどは大量に繁殖していないが、毎年4月の下旬から5月の上旬(雪が融ける)までの短い期間に確かに繁殖している。今回は、一般の赤雪にみられる種類の赤い雪氷藻類も繁殖していることが確認されたので、条件さえ許せば伊吹山でも赤雪現象がおこることもありうる」ことが推測されます(竹内氏)。

 今後の課題として、以下のことも考慮しながら、毎年の継続調査にしていきたいと思っています。
1)雪の多い年はどうなるのか? 
2)伊吹山の周辺の山でも発見できるか? 
3)これから温暖化して雪の状態が変わると、彼らはどうなるのか? 
4)雪サンプルの取り方も、雪渓の真ん中あたり・端・雪の表面・汚れている雪の下の方など、採取する場所で入っている藻の種類や量が変わるのだろうか?

写真★ 赤い雪氷藻類  
 (採取者:高橋未佳子・蔦野美咲、いずれも聖徳中1年)

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No.1559
Re: 伊吹山山頂で赤い雪氷藻類を確認

                  竹内望、2007/05/02(Wed)

千葉大学の竹内です.下記,赤雪探検のサンプルの分析をやらせていただきました.

2年前,下記同様の探検の殿堂博物館の企画で子供たちと伊吹山に登りました.かろうじて残っていた小さな残雪に赤い雪は見えませんでしたが,持ち帰った雪を顕微鏡で見ると意外にも見たことない雪氷藻類が入っていることがわかって興奮したことをよく覚えています.日本各地の雪渓には,まだまだ知られていない雪氷藻類がたくさんいるのでしょう,これから夏までが赤雪の季節です.赤雪はまだまだ多くの謎が残る興味深い研究対象です.

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No.1566
“ピンク色に染まった守門岳”  

                   山口悟@長岡、2007/05/06(Sun)

赤雪に関して、4/9に以下のような記事が読売新聞に載りました。

以下 読売新聞より転載

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新潟に黄砂のいたずら、残雪の峰が桜色に

新潟県で、真っ白なはずの雪山がうっすらと桜色に染まっている。中国大陸から飛来した黄砂が原因とみられている。
この山は、魚沼市と三条市にまたがる守門岳(すもんだけ)(1537メートル)。気象庁によると、今月1、2日、新潟市や上越市などで黄砂が観測された。特に2日は大規模な飛来があり、全国98か所の観測地点の75地点で黄砂を確認、各地で視界が悪くなった。
同庁によると、黄砂は必ずしも黄色とは限らず、赤みがかったものもある。江戸時代の文献には「紅雪」という記述もあるという。

*********ここまで

私が、ふもとから見た時には、少し薄汚れているなと思っただけで、こんなにピンク色には見えませんでした。

私自身は、北海道の大雪山のヒサゴ雪渓の調査の際に赤雪を見たことがあります。光の加減で確かに赤く見えました。スイカのようなにおいがかすかにしたのを覚えています。

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No.1567
Re: 伊吹山山頂で赤い雪氷藻類を確認

                    成瀬廉二、2007/05/08(Tue)

 竹内望さんのホームページには、「赤雪(あかゆき)は,雪氷藻類という低温環境で繁殖する特別な微生物が大発生することによっておこります」と解説されている。海洋や内湾でプランクトンが大量に発生し赤っぽい色となる赤潮(あかしお)との類推から、こう呼ばれるようになったのだろう。

 一方、山口悟さんが紹介してくれた新聞記事(No.1566)は、黄砂が由来の赤みがかった雪である。「(最新)気象の事典」(東京堂)には、赤雪について「色のついた雪。黄砂が原因」と説明されている。また、「雪氷辞典」(古今書院、1990)では、黄砂と藻類の2種類の原因が挙げられている(遠藤八十一)。

 私も、北海道の山の残雪や雪渓をたくさん見てきたが、微生物由来の赤い雪には気づいたことがなかった。もっとも、雪氷藻類なんて知らなかったので、見過ごしていただけかも知れない。一方、積雪に穴を掘り、内部の雪の層を観察すると、薄い黄(茶)色の黄砂の層が認められることが時にはある。

 なお、山口さんは「スイカのようなにおいがかすかにした」と述べているが、これはお腹がすいて喉が渇いていたため、赤い雪からスイカを連想し、そのため大脳が反応し、においがした気になった、のではなかろうか(!?)。

 
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No.1569
“大学院野外行動技術実習の紹介” 

                     杉山 慎、2007/05/22(Tue)

今年度から開講した、大学院生むけの野外行動技術実習を紹介させて頂きます。

北海道大学では、雪や氷、極地、山岳などの研究者を目指す大学院生むけに、野外での行動技術を学ぶ実習を開講しました。札幌在住の山岳ガイド樋口和生さんを講師に招いて、室内講義と野外実習を半期にわたって実施するものです。雪崩や低体温症、高山病の知識、雪氷上の行動技術やロープワークなど、野外での観測に必要な知識や技術を学ぶプログラムになっています。先日札幌の手稲山で実施した野外宿泊実習の模様をこちらで御覧になれます。

今期は北大の各大学院に加えて、総研大からも学生が参加しています。今後は北大南極学カリキュラムのプログラムとして、国内外からの学生を受け入れていく予定です。実習のシラバスや南極学カリキュラムに関してはこちらを御覧ください。


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  No.1576    鳥取環境大学  

                         成瀬廉二、2007/06/07(Thu)

 5月末から週1回90分、鳥取環境大学で講義を行っている。「南極からみた地球環境保全」という今年新設された科目の内の6回を「南極の雪と氷」として私が担当することになった。100余名の受講者の過半はどちらかと言えば文系だそうだが、極地の自然科学を、本質は外すことなく理解し身につくようにと考えながら授業をすすめている。

 鳥取環境大学は、「鳥取県と鳥取市が折半で土地・建物などの創設経費を負担するとともに、県・市が中心となって新しく学校法人を設立し、その学校法人が私立大学として運営を行っている公設民営方式である」(同大学ホームページより)。ああよくある第3セクター方式か、と思ったが、大学としては国内に数少ないユニークな運営形態だそうである。

 同大学には、環境政策、環境デザイン、情報システムの3学科がある。「人文科学系と自然科学系の双方から学び、・・・・・地球環境の改善・改革を進める重要な役割を担っていく若者を育てる・・・」(Campus Guideより)という方針をすえている。

 いろいろ活発に大学と社会との協同イベント等を行っているが、全国の多くの私立大学と同様、入学者数の確保が大きな問題となっているようである。大学志願者総数が、全大学の総定員を下まわる状況になりつつあるので、ある程度の規模縮小はやむを得ないが、地方の特色をもった大学は建学の理念を失うことなく発展して欲しいと願っている。

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No. 1572  プロフェッサー・ビジット 

                       成瀬廉二、2007/05/24(Thu)

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 昨(23)日の鳥取の朝日新聞朝刊(大阪)に、北海道大学プロフェッサー・ビジットという全面広告があり、びっくりした。ビジットって一瞬vividと読み間違いそうになったが、visit(訪問)だった。広告には、私が知っている教授等の顔写真とともに、「......全国各地のあなたの学校のクラス、部活動、サークルなどを訪問し、.......出張講義を行います」とある。

 「ほー、国立大学もNPOみたいなことを始めたんですね」というのが私の第一印象。そう、我がNPO氷河研究舎は、これより遥かに規模は小さく内容も限られているが、スタンスとしては、要望あれば全国どこへでも出かけて行くということにしている。

 このビジット、良いことだとは思うけど、出前をする先生も大変だし、どうやって訪問先を決めるのでしょうね。国立大学にはほとんど行かない、まして北大志望は過去も現在もゼロというような、山陰の田舎の学校のサッカー部とかから申し込みがあったらどうするのだろうか。進学校を優先したら、趣旨がゆがんでしまうでしょう。1年経ったら、応募と実施の状況を知りたいものである。

 なお、これとは趣が逆に見えるやり方が北大院の野外行動技術実習のようである。フィールドワークにはぜひ必要な知識と技術ではあるが、ふつう大学ではカリキュラムに組み込まれることはなく、さらに全般にわたり教えることができる教員が大学にはいないので、民間から指導者を呼ぶ、という新しい授業形態であろう。

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No.1575 氷河・氷床グループ
 


                            成瀬廉二、2007/05/31(Thu)

 一研究所の一研究室の名称という、大変ローカルかつかなり私的な話題で申しわけない。

 1995年北大低温科学研究所の改組にともない、研究室の最小単位(一般の大学の講座に相当)を研究グループ制とした。教員は1人でも数人でも、誰とでもグループを組むことができ、その名前も自由に決めてよいこととなった。

 私は、後輩の氷河研究者と2人で、氷河・氷床グループを立ち上げた。他のグループは雪氷循環とか雪氷変動とか気候変動のように現象を表す名前が多かったが、氷河・氷床は研究対象そのものを指すものであった。すなわち、氷河または氷床(南極やグリーンランドの大規模な氷河)に関することであれば、物理学的でも気象学的でも地理学的でも、何でも扱う、という店構えであった。

 爾来10年の間に、多くの多様多彩な大学院生が入ってきて、修士または博士号をとって社会に出て行った。その後相棒が他へ異動し、昨年私の退職により氷河・氷床グループは消滅した。

 ところが10日前、東京のシンポジウムにて低温研ドクターコースの院生と会ったとき、「うちのグループは、こんど、氷河・氷床グループと名前を変えたのですよ」と聞いて大変驚いた。あとでホームページを見たらちゃんと載っていた。氷河・氷床という屋号は特に綾や彩があるわけではないが、復活したという報を聞くと、元祖としては嬉しいものである。
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No.1577    Re: 氷河・氷床グループ  

                         白岩孝行、2007/06/12(Tue)

 ご無沙汰しております。
 本来でしたらこちらから「氷河・氷床グループ」への名称変更にあたり、一言ご挨拶すべきでしたが、順番が逆になってしまい恐縮しております。

 名称については、さまざまな議論がありましたが、やはり研究内容を表す名称が最もふさわしいということになり、いろいろ検討を重ねた結果、「氷河・氷床グループ」を採用することになりました。期せずして成瀬先生の指導したグループと同じ名称になったわけですが、成瀬先生のご指導の下、旧氷河・氷床グループを育てるお手伝いをした私としてもこの名称が採用されたことには感慨深いものがあります。

 地球温暖化論議がやかましい昨今ゆえ、研究者の側は情報に踊らされることなく、どっしりと腰を落ち着けて氷河と氷床の研究を進めていく所存ですので、先達として、また氷河・氷床を愛する先輩として、今後とも氷河・氷床グループの行く末を暖かく見守っていただけますようよろしくお願いします。

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No.1607      天ぷら廃食油カー

                           成瀬廉二、2007/10/19(Fri)

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 天ぷら廃食油カーとは、使用済みの天ぷら油を精製したバイオディーゼル燃料で動く自動車のことである。全国各地の自治体や民間で試験的に、あるいは部分的に実用化されている。

 鳥取環境大学(吉村元男教授ら)ではこれを熱心に推進しており、スクールバス等に利用している。18日、同大学で廃食油利用に関するミニシンポジウムと見学会があったので覗いてきた。

 廃食油利用の目的は、もちろん二酸化炭素(CO2)排出の削減である。これにより、地球温暖化防止にどれだけ貢献しているかの議論は別の機会にゆずるとするが、ふつうは可燃ゴミに混ぜたり、下水や地中に流している廃食油をリサイクルするという点では、文句のない優れた施策である。

 同大学の廃食油の製油プラント(写真)を見学した。廃油に触媒とメタノールを混ぜて、ろ過し、攪拌し、グリセリンを除去してバイオ燃料が出来あがる。バスの場合は、軽油に20%程度混ぜる。

 現在最も大きな問題は、いかにエネルギーとお金をかけないで、廃食油を集めるか、ということだそうである。一緒に製油装置を見にきていたある男性の言が面白かった。「安い食堂から出る油は真黒なので使いものにならない。高級料理屋やレストランが良い」。


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