台風上陸;大雨止む;芦津セラピー;昨年の雪氷大会;雪氷大会(2019・山形);知床・日高積雪期単独縦走

台風上陸でも少雨の鳥取 
         投稿日:2019/08/26、No.561

 今年、台風が日本列島に上陸したのは、現在まで以下の3回である(気象庁データ)。

 台風6号:7月27日、紀伊半島~中部地方を縦断
 台風8号:8月5日、九州縦断
 台風10号:8月15日、四国~島根県縦断

 これらの台風の影響圏に入りながら、鳥取市に降った雨は、6号で6ミリ、8号でゼロ、10号で20ミリと、非常に少なかった。

 日本列島の地域によっては大雨もあったので、今年の台風による降雨は、広く一様にではなく、集中豪雨地帯が各地に点在したことが特徴的である。

 鳥取市では、昨冬の少雪と5月以降の少雨で、千代川上流の殿ダム(国府町)の貯水率が6月中旬に50%以下となり、8月19日には30%を切り過去最低となった(国交省鳥取河川国道事務所)。
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[写真:烏ヶ山(奥大山から、8月5日)]


大雨止む(鳥取) 
          投稿日:2019/08/31、No.563

 鳥取市では、8月20日から昨(30)日午前まで、雨が間歇的に降り続いた。11日間の総雨量は、114ミリに達した。

 今年の梅雨明け頃の7月23日から8月15日までの24日間は、晴天が続きほとんど雨が降らなかった。

 殿ダムの貯水率は8月22-23日に28%まで低下したが、8月30日には36%まで回復し(国公省河川)、鳥取市の水問題は一息ついたと言えるのだろう。

 今回のまとまった雨で、砂丘オアシスも復活し、大きく成長したかなと思って、昨日見に行ったところ、依然消滅したままだった(写真:30日12時)。
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 写真中央左の緑色は草付き地で、普通はその右の窪地にオアシスの池が成長するが、昨日は湿った砂の状態だった。100ミリを超える雨だったが、それ以前の乾燥を補うほど十分な量ではなかった、ということであろう。


芦津森林セラピーロード 
          投稿日:2019/09/07、No.566

 森林浴の効果を生理学的・医学的に解明し、より効果の高い癒しの効果を得ることを目的として、林内で散策や活動を行うことを森林セラピー(therapy)と言う。

 NPO法人森林セラピーソサエティは、2006年から、北海道から沖縄まで60ヶ所以上の森を森林セラピーとして認定してきた。

 その内、生理・心理実験によって癒しの効果が実証され、認定された遊歩道・散策道を森林セラピーロードという。

 このような緩い傾斜の森林セラピーロードが複数あり、さらに滞在・宿泊施設が備えられ、セラピーガイドや森林セラピストなどがいる地域を、森林セラピー基地と称するらしい。鳥取県では唯一、智頭町森林セラピーが2010年に森林セラピー基地として認定されている。
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 写真は、智頭町芦津渓谷のセラピーロードである(9月4日)。渓谷の左岸岩璧の中腹に設けられたかつてのトロッコ道を転用した遊歩道のため、急傾斜部はまったくなく誰でもかなり歩きやすい道である。


中止となった昨年の雪氷研究大会 
          投稿日:2019/09/19、No.568

 昨(2018)年9月9日~12日に北海道科学大学にて開催予定だった雪氷研究大会(札幌)は、開会2日前の9月7日昼過ぎ、中止が決定された。
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 その原因は、くしくも今年の千葉県と同様の大規模停電(ブラックアウト)だったが、起こった現象はまったく異なるものだった。

 昨年9月6日未明、北海道胆振地方にて最大震度7の地震が発生し、道最大の苫東厚真火力発電所が停止し、続いて需要と供給のバランスから水力発電所や風力発電所も停止してしまった。

 地震後、雪氷研究大会(札幌)の実行委員会・等では、以下の3種の案があったようである。
A)期間を短縮して開催
B) 延期(開催地変更もあり)
C) 完全中止

 初日の9月9日(日)は、市民公開のイベントだったので、これを中止し、10日から研究発表を行う、というのがA)であった。

 中止を決定した7日(金)は、会場の北海道科学大学はまだ停電していた。しかし、翌日の8日には、電力はほぼ復旧し、市内の交通機関は正常に近づきつつあった。

 したがって、結果論だが、開催可否の決定を1日遅らせていたら、A)は可能だったと思われる。しかし、全国の会員から、開催するか否か、早く(金曜日には)決定してほしい、との要望が殺到していたそうである。これも、気持ちがわかる。

 また、北海道内の某大学から、11月下旬の連休中なら開催できる(B案)、との提案があったそうだが、賛同は得られなかったらしい。

 私は、せっかく皆が新しい成果を発表しようと1年間準備してきたので、なんとかA)かB)にならないかと期待していたが、残念な結果であった。


台風の前に山形へ 
          投稿日:2019/09/13、No.567

 雪氷研究大会(2019)へ参加のため、9月8日、鳥取~羽田~東京(新幹線)~山形の経路で山形市へ向かった。

 主要な研究発表は9日(月)からなので、当初は8日夜山形着を予定していたが、台風15号の暴風雨圏が8日昼過ぎ関東・東海地方にかかる、との予報があったため、急遽8日朝鳥取発(写真:富士山、8日10時)、昼過ぎ山形着に変更した。
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 この台風の影響で千葉県の多くの地域で、停電、交通混乱、通信障害の被害が発生し、その状態が現在5日目に入っている。

 鉄塔や電柱は、土砂崩れや液状化により倒壊することがあり得るとは思っていたが、風が原因で倒れるとは、考えても見なかったことである。数日間も連続ブラックアウト、山やキャンプならいいけど、予期せぬ町中ではお気の毒を通り越して、深刻な事態になりつつあるようだ。


雪氷研究大会(2019・山形) 
          投稿日:2019/09/24、No.569

 今年の雪氷研究大会は、9月8日~11日、山形駅近くの山形テレサおよび山形大学(小白川)にて開催された(写真:ポスター会場)。
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 口頭発表162件とポスター発表128件、計290件の発表が行われた。偶然かどうか、一昨年十日町の291件と同数である。

 発表題目から「雪」と「氷」に関わるキーワードを拾い出し、その頻度分布を調べてみた。なお、一つの題目に雪・氷のキーワードが複数含まれていることも少なくはなく、その場合は主要と思われる方の一つだけを選出した。

 また、複合語を一つのキーワードとして扱うかどうか、これらは分析者の主観に左右される。

 その結果、頻度が多い順に以下に示す。なお、(  )内に、一昨年(2017・十日町)の件数を示す。

「積雪」41 (45)、「雪」17 (11)、「氷河」16 (24)、「氷床」16 (14)、
「雪崩」15 (30)、「融雪」10 (10)、「吹雪」9 (14)、「氷」9 (11)、
「着雪」9 (5)、「雪氷」8 (6)、「降雪」7 (6)、「アイス」7 (8)、
「海氷」6 (5)、「豪雪」5 (4)、「防雪」5 (2)、「樹氷」5 (1)。

以下:
(各4件)「大雪」「屋根雪」「ぬれ雪」
(各3件)「除雪」
(各2件)「新雪」「落雪」「雪害」「雪渓」「消雪」
(各1件)「定着氷」「冠雪」「雪丘」。

 これらの件数分布の特徴には、前冬季の特徴的な雪氷現象をある程度反映しているように思われる。

 以上の他に、雪・氷の語を含まない題目が78件と多く(一昨年58件)、全体の27%を占めていることが注目される。これらは、ハイドレート、同位体、カーリング、凍土、凍結、森林、等々、である。


城下町山形 
          投稿日:2019/09/30、No.570

 雪氷研究大会の合間を見つけ、城下町山形を2、3時間散策した。写真は、石垣と門が復元されている山形城の本丸一文字門。  
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「初代山形藩主最上義光は、1600年、徳川方として戦った勝利の功績により57万石の全国第5位の大大名となり、城下町の造成、発展に努めた。
山形城は70万坪におよぶ同心円状に三重の堀を廻らす、江戸城、姫路城にも匹敵する全国でも有数の広さを持つ平城だった。」(『城下町やまがた探検地図』より抜粋)

 城跡から紅花商人の町並みに向かって歩いていたら、本丸の南東1km余のところに三の丸土塁跡という国指定史跡があった。因みに、半径1kmの面積は約100万坪になる。確かに、広い城だったようだ。


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知床・日高積雪期単独縦走 
        投稿者:成瀬廉二 投稿日:2019/07/25、No.550

 本年2-3月、知床半島と日高山脈の全山単独縦走に成功した北海道大学学生の野村良太(水産学部4年生、在学6年目)の手記が「岳人」8月号に掲載された(写真)。
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 北海道の登山記録には、積雪期、単独、知床・日高全山縦走は今までになく、一部では「快挙」の声が上っている。

 この単独縦走は、体力、技術、判断力(危険認識)が優れていたために成し遂げられたことは間違いないことだが、これにプラスAlfa(天候に恵まれたこと)がどの程度寄与したのか、その点に注目して記事を読んだ。

 手記によると、2月20日~3月2日の知床11日間、3月14日~30日の日高17日間のうち、終日停滞したのは各2日、計4日(内1日は休養停滞)のみであった。

 文中には、吹雪、ドカ雪、吹きだまり、強風、爆風、ガス、ホワイトアウトなどの記述はあるが、行動ができなかった割合が4/28(正しくは、3/28)ということは、かなり天候に恵まれたか、少々の悪天は問題としなかったのか、いずれかであろう。

 また、「崩れやすい雪庇に注意して」旨の記述はあるが、積雪期の山群ながら「雪崩」というキーワードは一度も現れない。雪崩を無視しているのか、細い稜線上では気にする必要はない、と考えているのだろうか。尾根の上でも、新雪が多量に積もったり、硬い雪層でも条件が整えば、雪崩は起こる。

 手記の最後に、「パートナーとして気の合う人は、探して見つけようとするのは難しい」と、単独行の理由を述べている。1人より2人や複数メンバーの方が危険が少ないとは言えないかもしれないが、2人や複数の方が何か事が起きたとき適切な対処がしやすい、ことは確かである。

 このように、単独行を志向しつつ先鋭的登山家になりかけているのだろうが、私は、そこにやや危うさを感じざるを得ない。

Re: 知床・日高積雪期単独縦走 
          投稿者:野村良太 投稿日:2019/10/17、No.575

成瀬 様

初めまして、北海道大学水産学部4年の野村良太です。
「岳人」で特集していただいた本人です。
この記事について当サイトで取り上げていただきありがとうございます。
いくつか補足させていただきたくご連絡させていただきました。

 天候に関しては行動出来なかった割合は4/28でしたが、北大ワンゲルの現役活動(体力、技術的に未熟な下級生を連れている場合)では停滞していたであろう日を含めると11/28くらいになると思います。ですのでどちらかというと多少の悪天は問題としなかったと考えています。
 ただし、特に知床では連続で停滞が必要になるような大崩れが無かったことは恵まれていたと思います。
 次に雪崩についてですが、部活時代に学んだことをもとに警戒(特に降雪後の表層雪崩、気温上昇後の全層雪崩など)していました。結果的に雪崩やその兆候に遭遇することが無かったため特筆しませんでしたが、幸運だっただけの可能性もあるのでこれからも勉強する必要があると思っています。

 最後に単独行についてですが、特に単独行にこだわっているわけではなく、むしろ複数での登山の方が体力面でもリスク管理の面でもメリットが多いと思っています。一方で、自分の技術・判断力が直接反映され、頼れるものは自分だけという単独行のシンプルさや奥深さに魅力を感じているのも事実です。今回がほとんど初めての単独行でしたが、その面白さと恐ろしさを身をもって痛感することとなりました。

 これらを踏まえて、どのあたりに「やや危うさを感じる」のか差支えなければご助言いただければ幸いです。今後の参考にさせていただければと考えています。

 長文失礼いたしました。

Re:Re: 知床・日高積雪期単独縦走
           投稿者:成瀬廉二 投稿日:2019/10/18、No.576

「岳人」8月号に掲載された手記『積雪期知床半島&日高山脈ワンシーズン全山単独縦走』に関する小論(本欄No.550、7月25日投稿)に対し、単独縦走の筆者から補足説明とコメントをいただきました。

 野村良太君、投稿ありがとうございます。

 私の意見は、「この単独縦走は、体力、技術、判断力(危険認識)が優れていたために成し遂げられたことは間違いない」という評価をした上で、単独行に対する野村君の捉え方に、「やや危うさを感じた」ものであります。

 その理由は、手記の
「単独行にこだわるつもりはないのですが、パートナーとして気の合う人は、探して見つけようとするのは、難しい気がしています。」
「パッと上ってパッと下りたいという趣向の人とは、これまでもあんまり意見が合わないことが多かったですね。」
という軽い文調から、野村君は、信頼できるパートナーを探す努力をしていないのか、その可能性のある人たちと十分な議論を行い認識を共有させようという気がないのではないかと、と感じたことにありました。

 しかし、この度のコメントに
「むしろ複数での登山の方が体力面でもリスク管理の面でもメリットが多い」
とあり、さらに手記を改めて読むと、
「思ったことを、ケンカにならずに議論できる人でないと危ないと思っていて、そういう意思疎通をお互いにスムーズにできる人でないと、一緒に長期で行くのはしんどい」
とパートナーの重要性を述べているようでもあり、私の懸念はなくなりました。

 私は、単独行を危険だ、と全否定するものではありませんが、氷河地域などでの調査や探索では、お互いの技量と体力と性格を熟知した複数メンバーが肝要です。

 今後、山岳ガイドになったなら、いっそうの発展を期待しています。
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[写真:本文の内容とは関係ありません。パタゴニア、ペリート・モレノ氷河(1993年11月)]

Re:Re:Re: 知床・日高積雪期単独縦走
         投稿者:野村良太 投稿日:2019/10/18、No.577

成瀬 様

ご返答頂きありがとうございます。
今後、信頼できるパートナーを見つけられるように努力したいと思います。

ちなみに記事中の手記については、私が記録投稿サイト「ヤマレコ」に投稿した記録
(知床 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1798222.html
(日高 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1798249.html
を岳人編集部の方に要約していただいたものです。

今回のやり取りを通して、自分の考えを言葉にすることの難しさを感じました。

このようなご機会を頂きありがとうございました。

         野村良太



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